1.状態変化とは

結論から言ってしまうと状態変化とは、”温度や圧力に応じて物質の状態(固体・液体・気体)が変化すること”です。



上図のように物質には「固体・液体・気体」の3つの状態(=「物質の三態(さんたい)」と呼ぶ)が存在し、これらの状態はその物質の温度によって変化します(周囲から受ける圧力が高いと物質は状態変化しにくく、周囲から受ける圧力が低いと物質は状態変化しやすくなる)


(物質の温度だけでなく、気圧などの周囲から受ける圧力によっても、物質の状態変化のしやすさは影響を受けるが、このページでは特に物質の温度変化に伴う状態変化の原理を解説)



水(液体)を0℃まで冷やすと氷(固体)に変化し、反対に水(液体)を熱して100℃に達すると水蒸気(気体)に変化します。


そして物質によって状態変化する温度は異なり、例えば純アルコール(液体)は-114℃で固体(水は0℃で固体)に、78℃で気体(水は100℃で気体)に変化します。


(一般的に知られている上記のような物質が状態変化するときの温度というのは、周囲の気圧の大きさが1気圧による場合なので注意が必要)



2.状態変化の各名称

物質の状態には固体・液体・気体の3つの状態(=物質の三態)が存在しており、
物質が各状態へと変化する際にそれぞれ異なる名称が付けられています。



以前までは「気体→固体への状態変化=昇華」「固体→気体への状態変化=昇華」のようにどちらも同じ名称でしたが、2015年に日本化学会からの提案を受けて、最近の教科書では上図のように「気体→固体への状態変化=凝華(ぎょうか)」と記載されるようになっています。


簡単にまとめると下のようになります。

「気体→液体への状態変化=凝縮(ぎょうしゅく)」
「液体→気体への状態変化=蒸発(じょうはつ)」


「液体→固体への状態変化=凝固(ぎょうこ)」
「固体→液体への状態変化=融解(ゆうかい)」


「固体→(液体を経ずに)気体への状態変化=昇華(しょうか)」
「気体→(液体を経ずに)固体への状態変化=凝華(ぎょうか)」(以前までは「昇華」)


3.物質が状態変化する原理

では物質が状態変化する原理について、以下の順番で解説していきます。

  • 3.1 物質は原子・分子(水であれば水分子)が繋がり合ってできている
  • 3.2 「物質を構成している原子・分子の動きの速さ(激しさ)を数値化したもの=物質の温度」
  • 3.3 物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)すると、原子・分子同士の繋がり方が変化(=状態変化)する



3.1 物質は原子・分子(水であれば水分子)が繋がり合ってできている


物質は、原子・分子(水であれば水分子(=H₂O))と呼ばれる小さい粒が繋がり合ってできています



上図のように物質というのは、物質を構成している原子・分子同士が互いを引っ張り合うことで繋がり合ってできています(原子・分子同士が実際に繋がっているわけではなく、原子・分子同士で互いの動きを拘束し合っているイメージ)。


(原子・分子には、お互いの距離が適度であれば引力(=互いに引き合う力)が働き、距離が近すぎれば斥力(=互いに反発する力)が働く、という性質がある)



3.2 「物質を構成している原子・分子の動きの速さ(激しさ)を数値化したもの=物質の温度」


物質の温度というのは、”物質を構成している原子・分子の動きの速さ(=激しさ)を数値で表したもの”です。



上図のように「物質を構成している原子・分子の動きが速い(激しい)とその物質の温度は高く」なり、反対に「物質を構成している原子・分子の動きが遅い(穏やか)とその物質の温度は低く」なります


(正確には、物質を構成している原子・分子はどれも同じ速さで動いているわけではないため、「動きの速い原子・分子の割合が全体的に多い=温度が高い」となる)



3.3 物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)すると、原子・分子同士の繋がり方が変化(=状態変化)する


物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)することで、原子・分子同士の繋がり方が変化(=状態変化)します。



物質というのは、温度が低くなる(=原子・分子の動きが遅くなる)と固体になり、固体状態よりも温度が高くなる(=原子・分子の動きが速くなる)と液体になり、液体状態よりもさらに温度が高くなると気体に状態変化していきます。



なので物質の状態変化というのは、上図のように”物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)して、物質を構成している原子・分子同士の繋がり方が変化(=繋がりが切れたり再び繋がったり)すること”を意味します。



原子・分子同士の繋がり方が変化するのは、上図のように原子・分子同士の引っ張り合う力よりも原子・分子の運動が大きくなる(=動きが速くなる)と繋がりが切れ、繋がりが切れていた原子・分子の運動が原子・分子同士の引っ張り合う力よりも小さくなる(=動きが遅くなる)と再び繋がるからです。


(液体と気体の例でいうと、「液体の温度が高くなる(=原子・分子の動きが速くなる)と繋がりが切れて気体に変化」、反対に「気体の温度が低くなる(=原子・分子の動きが遅くなる)と再び繋がって液体に変化」)



4.水を加熱・冷却したときの(水分子の動きからみた)状態変化

では水を加熱・冷却したときの(水分子の動きからみた)状態変化について、以下の順番で解説していきます。

  • 氷を加熱(=水分子の動きを速く)していき、「氷(固体)→水(液体)→水蒸気(気体)」と状態変化する場合
  • 水蒸気を冷却(=水分子の動きを遅く)していき、「水蒸気(気体)→水(液体)→氷(固体)」と状態変化する場合



氷を加熱(=水分子の動きを速く)していき、「氷(固体)→水(液体)→水蒸気(気体)」と状態変化する場合


では氷を加熱(=水分子の動きを速く)していき、「氷(固体)→水(液体)→水蒸気(気体)」と状態変化する場合について、水分子の動きの速さや水分子同士の繋がり方と共に見ていきましょう。



上図のように、氷(固体)を加熱すると氷を構成している水分子の動きが速くなって水分子同士の繋がりが一部切れることで水(液体)に状態変化し、さらに水(液体)を加熱すると水を構成している水分子の動きが速くなって水分子同士の繋がりがほとんどなくなることで水蒸気(気体)に状態変化します。


(氷・水を加熱するということは、氷・水を構成している水分子よりも原子・分子の動きが速い(=温度の高い)物質を接触させて、その物質を構成している原子・分子をぶつけることで氷・水を構成している水分子の動きを速く(=温度を高く)させることを意味している)



水蒸気を冷却(=水分子の動きを遅く)していき、「水蒸気(気体)→水(液体)→氷(固体)」と状態変化する場合


次に水蒸気を冷却(=水分子の動きを遅く)していき、「水蒸気(気体)→水(液体)→氷(固体)」と状態変化する場合について、同様に水分子の動きの速さや水分子同士の繋がり方と共に見ていきましょう。



上図のように、水蒸気(気体)を冷却すると水蒸気を構成している水分子の動きが遅くなって水分子同士が再び繋がり始めることで水(液体)に状態変化し、さらに水(液体)を冷却すると水を構成している水分子の動きが遅くなって水分子同士の繋がりが強くなることで氷(固体)に状態変化します。


(水蒸気・水を冷却するということは、水蒸気・水を構成している水分子よりも原子・分子の動きが遅く(=温度の低い)物質を接触させて、その物質を構成している原子・分子をぶつけることで水蒸気・水を構成している水分子の動きを遅く(=温度を低く)させることを意味している)



以上が「状態変化とは?水を例に物質が状態変化する原理をわかりやすく図で解説!」でした。



5.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 状態変化とは、”温度や圧力に応じて物質の状態(固体・液体・気体)が変化すること”。
  • 物質には「固体・液体・気体」の3つの状態(=「物質の三態(さんたい)」と呼ぶ)が存在する。
  • 物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)することで、原子・分子同士の繋がり方が変化(=状態変化)する。



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