さて夏になるとコップの中に飲み物と氷を入れて冷やして飲むことがあるかと思います。
そして氷を入れた飲み物を少し放置していると、
コップの表面に水滴がついてしまうことがよくあります。
飲み物をこぼしたわけでもないのに「なぜコップに水滴がつくのだろうか?」と、
中には疑問に思った人も多いのではないでしょうか。
そこでこのページではコップに水滴がつく理由とは何か?
またコップに水滴がつく仕組みを図で分かりやすく解説しています。
どうぞご覧ください。
1.コップに水滴がつく理由とは?
ではコップに水滴がつく理由について見ていきましょう。
結論から言ってしまうとコップに水滴がつく理由は、
飲み物を入れた後にコップの表面で結露(けつろ)という現象が起こるからです。
結露というのは、空気中の水蒸気が水になって物体の表面に付着する現象のことです。
ちなみに水蒸気は水が気体になったものの名称で、
目で見ることはできませんので注意してください。
私たちの周りには空気が存在していますが、その空気には水蒸気が含まれています。
空気によってどのくらいの水蒸気が含まれているのかは異なりますが、
空気中にどのくらい水蒸気が含まれているかを表す指標として湿度(しつど)が使われます。
普段からよく聞く言葉なので知っていますよね。
また空気中にどのくらい水蒸気を含むことができるかは空気の温度によっても変化します。
空気の温度が高ければそれだけ多くの水蒸気を含むことができ、
反対に空気の温度が低ければ少ない水蒸気しか空気中に含むことができません。
このように空気が含むことができる限界の水蒸気量を”飽和水蒸気量”と言います。
そして冷たい飲み物を入れるとコップ周辺に存在する空気が冷やされ、
空気中に含むことができる水蒸気の量が減るためその限界を超えた分が水滴になります。
なのでコップ表面についてしまう水滴の正体というのは、
コップ周辺に存在していた空気が元から含んでいた水蒸気が水になったものです。
コップに入れるはずの飲み物がこぼれたとか、飲み物がコップの中から浸透したわけではありません。
さて水滴がつく理由について言葉だけで解説しましたが、
いまいちイメージできないという人のために次の章で図を用いて分かりやすく解説していきます。
2.分かりやすく仕組みを図で解説!
ではコップに水滴がつく仕組みを図を用いて分かりやすく解説していきます。
コップに水滴がつく理由は、冷たい飲み物を入れることでコップ表面に飲み物の冷たさが伝わり、
コップ周辺の空気が冷やされるため空気中に含むことができなくなった水蒸気が水として現れるからです。
まずこの仕組みを理解するうえで重要なポイントが、
空気の温度によって空気中に含むことができる水蒸気の量が変化するということです。
上図のようなイメージをしていただければ良いです。
温度の高い空気の方が容量...つまり含むことができる水蒸気量が多くなり、
温度の低い空気は高い空気よりもその容量が少なくなります。
では次にコップに冷たい飲み物を入れたときの様子を図で見てみましょう。
冷たい飲み物を入れることで飲み物の冷たさがコップ表面まで伝わり、
表面周辺の温度の高い空気が温度の低い空気に変化します。
そして温度の低い空気というのは温度の高い空気に比べて、
空気中に含むことができる水蒸気量が少ないです。
もしこのときに温度の高い空気が水蒸気を多く含んでいたら、
空気の温度が低くなることによって空気中から追い出される水蒸気が発生します。
これによって空気中から追い出された水蒸気というのが、
コップの表面に付着する水滴のことなんです。
だからコップに冷たい飲み物を入れると、よく水滴が発生するんですね。
以上が「コップに水滴がつく理由とは?分かりやすく仕組みを図で解説!」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- コップに水滴がつく理由は、飲み物を入れた後にコップの表面で結露(けつろ)という現象が起こるから。
- 水蒸気は空気中に潜んでいるもので、目で見ることはできない。