さてあなたは相対湿度と絶対湿度という言葉をご存知でしょうか。
これらは私たちが日常的によく使用している湿度に関係している言葉です。
相対湿度と絶対湿度という言葉が日常的に使用されることは少ないですが、
どんな場面で出てくるか分からないのでぜひ覚えておきましょう。
そこでこのページでは、相対湿度と絶対湿度の違いを簡単に解説します。
どうぞご覧ください。
1.相対湿度と絶対湿度の違いについて
では相対湿度と絶対湿度の違いについて見ていきましょう。
結論から言ってしまうとこれらの違いは、
空気中の水分量の割合なのか、水分量そのものなのかです。
相対湿度は空気中の水分量の割合を%(パーセント)で表していて、
絶対湿度は1立方メートルの空気中に含まれている水分量[g/m^3]を表しています。
なので私たちが普段からよく使用している湿度というのは、
単位が%で表されている相対湿度のことなんですね。
さて相対湿度と絶対湿度それぞれについて解説していきます。
相対湿度とは?
相対湿度(そうたいしつど)とは、空気中の飽和水蒸気量に対して、
実際の水蒸気量がどのくらいの割合で存在するのかを表しているものです。
相対湿度は英語では”relative humidity”となり、”RH”と略されます。
先ほど空気中の水分量と解説していましたが、
厳密に言えば空気中に含まれているのは水蒸気になります。
水蒸気は水(液体)が気体に変化したものなので、水分量と言ってもそう違いはありません。
そして飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)というのは、
空気中に含むことができる最大の水蒸気量のことを表しています。
空気中の飽和水蒸気量については、
その空気の温度によっても量が変化するので注意が必要です。
この空気中に含むことができる最大の水蒸気量に対して、
実際に空気中に含んでいる水蒸気量の割合が相対湿度です。
なので仮にその空気における飽和水蒸気量が100だとして、
実際の水蒸気量が50あれば50/100で0.5となります。
この値0.5に100を掛けることで相対湿度が%で表され、
私たちが普段から使用している湿度(%)になるというわけです。
また飽和水蒸気量100に対して、実際の水蒸気量が100あれば、
相対湿度が100%になります(つまり湿度100%と同じ)。
ちなみに相対湿度が100%を超えると結露という現象が起こります。
絶対湿度とは?
絶対湿度(ぜったいしつど)とは、1立方メートルの空気中に含まれている水蒸気量そのものです。
絶対湿度は英語では”absolute humidity”となり、”AH”と略されます。
相対湿度とは違い飽和水蒸気量に対しての割合ではなく、
絶対湿度は空気中に含まれている水分量そのものを表しています。
なので1立方メートル[m^3]当たりに含まれる水蒸気量[g]ということで、
絶対湿度の単位として[g/m^3]が使用されます。
2.同じ相対湿度でも夏と冬では実際の水蒸気量は違う
では同じ相対湿度でも夏と冬では実際の水蒸気量は違うについて見ていきましょう。
さっそくですが夏と冬では空気の温度が異なるので、
同じ相対湿度でも実際の水蒸気量は違う値になります。
前の章で空気中の飽和水蒸気量は、
空気の温度によって変化するということを少しお話しました。
簡単に言えば、空気の温度が上がれば飽和水蒸気量は多くなり、
空気の温度が下がれば飽和水蒸気量も少なくなります。
つまり夏のように気温が高ければ空気中に含める水蒸気量が多くなり、
冬みたいに気温が低ければ空気中に含める水蒸気量が少なくなるということ。
例えば夏と冬でそれぞれ相対湿度=50%だったとしましょう。
相対湿度が50%ということは、湿度が50%ということですが、
夏と冬でどちらとも同じ相対湿度だからと言って水蒸気量が同じにはなりません。
上図のように夏と冬で同じ相対湿度50%だったとしても、
気温差によって飽和水蒸気量が異なるため実際の水蒸気量にも差が生じます。
夏と冬で同じ相対湿度50%でも、夏の方が実際の水蒸気量は多くなります。
あくまで相対湿度は飽和水蒸気量と実際の水蒸気量の割合を表したものです。
なので相対湿度の値だけ見てしまえば同じように捉えてしまいがちですが、
空気中の水蒸気量がどうなっているのかより確実なのは絶対湿度の方になります。
関連:湯気と水蒸気の違いとは?
以上が「相対湿度と絶対湿度の違いとは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 相対湿度とは、飽和水蒸気量に対しての実際の水蒸気量の割合。
- 絶対湿度とは、1立方メートルの空気中に含まれている水蒸気量のこと。
- これらの違いは、水蒸気量の割合なのか、水蒸気量そのものなのか。