このページでは揮発と蒸発の意味の違いについて簡単に解説しています。

 

 

 

1.揮発と蒸発の違いについて

結論から言ってしまうと揮発と蒸発の違いは、
液体から気体に変化するときの条件によるものです。

 

 

揮発とは常温・常圧時において液体の表面から気体に変化する現象のことで、
蒸発とは液体の表面から気体に変化するすべての現象のことを言います
(ちなみに液体の表面からではなく、内部から気体に変化することを沸騰と言います)

 

なので揮発というのは、蒸発に”常温・常圧時”という制限がついた現象になります。

 

 

また辞書などで揮発について調べてみると、
”平常の温度・気圧で液体が蒸発すること”と書いています。

 

このことから揮発とは、蒸発という現象の中のひとつの種類であることが分かります。

 

簡単に言えば車(蒸発)と言う大きな枠組みがあり、その中の種類である日本車・外国車(揮発)というようなイメージです。

 

さて蒸発と揮発それぞれについて詳しく解説していきます。

 

揮発とは?

揮発(きはつ)とは、常温・常圧時において液体が表面から気体に変化することです。
(揮発は蒸発という現象の中のひとつの種類となる)

 

常温というのは自然な温度(熱したり冷やしたりしない)ということで、
温度だとだいたい15℃~20℃のことを指しています。

 

常圧は地上における自然な圧力(加圧したり減圧したりしない)のことで、
地上における圧力の大きさは”1気圧”という大きさが基準となっています。

 

液体の温度によって気体への変化のしやすさにも影響するのはイメージできると思いますが、
実は温度だけではなく液体にかかる周囲の圧力の大きさによっても変化します

 

そして揮発とは液体が常温・常圧時で液体が気体に変化することと言いましたが、
常温・常圧の場合でも液体が表面から気体に変化するときは蒸発の方がよく使用されています。

 

揮発という言葉が蒸発よりも浸透していないという理由もありますが、
蒸発の方が示す範囲が広く揮発よりも使い易いというのも大きな理由でしょう。

 

実際に揮発とは蒸発という現象の中のひとつの種類のことなので、
蒸発という言葉を用いれば揮発という意味も含まれています。

 

 

日常的に揮発という言葉を使用するときは”液体が気体に変化したとき”を指すのではなく、
液体の性質である”揮発性”を表すときに使用されるときが多いです。

 

揮発性とはどれだけ液体が気体へと変化しやすいかを表した性質のことで、
揮発性はガソリンなどの揮発しやすい液体に使われます(水に対してはあまり使われない)。

 

一般的には液体が表面から気体に変化したときは、
「水が揮発した」とは言わず、「水が蒸発した」と言いますよね。

 

そして液体の性質を表すときには「蒸発性」ではなく、「揮発性」と言います。

 

なので”液体が表面から気体に変化する現象のことは蒸発”という言葉を用いて、
”その性質のことを揮発”という言葉で表すものだと覚えておいてください

 

1.2 蒸発とは?

まず蒸発(じょうはつ)とは、液体が表面から気体に変化することです。

 

揮発については常温・常圧時における場合のことを指していますが、
蒸発の場合は液体の表面から気体に変化すれば温度・圧力に関係ありません。

 

 

雨が降った後などに地面に水たまりがあっても晴れの日になると、
いつのまにか乾いてなくなっていたという光景を何度も目にしたことがあるでしょう。

 

あれはまさに水たまりを作っていた水が少しずつ蒸発したことによって、
水(液体)の表面から少しずつ水蒸気(気体)に変化したからです。

 

 

ちなみによく誤解されがちなのが、蒸発と沸騰についてです。

 

先ほども言ったように蒸発は温度に関係なく起こりますが、
沸騰については液体を加熱して温度を上げていき沸点に達することで起こります。

 

そして沸騰は液体の表面からではなく、内部から気体に変化していきます。

 

私たちが普段からお湯を沸かすときにヤカンなどで水を加熱していますが、
あのボコボコと泡が出る現象は正しくは沸騰になります。
(液体の表面からも気体に変化しているので、沸騰と同時に蒸発も起こっています)

 

2.揮発が起こる仕組みとは?

結論から言ってしまうと揮発という現象が起こるのは、
液体(分子同士の繋がり)を構成している分子が液体から飛び出してしまうからです。

 

まず液体だけに限らず物質は分子という小さな粒によって構成されていて、
その小さな粒(分子)がたくさん集まって繋がり合うことで成り立っています。

 

 

例えば水(液体)の場合は上図のように水分子という粒が集まって、
水(液体)という物質を作り出していると言えます。

 

そして水(液体)における揮発というのは水分子同士の繋がり(液体)から、
水分子が切り離されて空気中に飛び出すことを意味しています。

 

つまりこういうことです。

 

 

上図のように水(水分子同士の繋がり)から空気中に水分子が飛び出します。

 

水が液体から気体に変化すると水蒸気に状態変化することになりますが、
この気体である水蒸気が水分子同士の繋がりから飛び出した水分子であると言えます

 

このように液体を構成している分子同士の繋がりから、
その液体を構成する分子が飛び出すことによって液体が揮発することになります。

 

 

他の液体の揮発についても、その液体を構成している分子が異なるだけで考え方は水のときと同じです。

 

なのでガソリン(液体)が揮発するというのはガソリン分子が、
ガソリン分子同士の繋がりから飛び出したことで起こっているということです。

 

このページでは簡単な解説しかしていませんが、詳しく仕組みを知りたい人は下記をご覧ください。
(下の記事タイトルには蒸発と書いていますが、常温・常圧時のことなので揮発と仕組みは同じです)

 

以上が「揮発とは?蒸発との違いと意味は何か?なぜ揮発は起こる?」でした。

 

 

3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 蒸発とは、液体が表面から気体に変化すること。
  • 揮発とは、常温・常圧で液体が表面から気体に変化すること。
  • 揮発と蒸発の違いは、常温・常圧という条件が付いているかどうか。
  • 一般的に蒸発は液体が気体に変化する現象で、揮発はその性質を表すことがほとんどである。
  • 揮発が起こる仕組みは、液体(分子同士の繋がり)から分子が飛び出すことによるもの。

 

 

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