さて日常的に使用される言葉で、気化と蒸発と沸騰があります。
蒸発と沸騰については割とよく使用しますが、
気化という言葉は初めて聞いたという人も中にはいるかもしれませんね。
これらの言葉は意味がとてもよく似ているため、
普段から特に意識しないで使用している人も多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、気化と蒸発と沸騰の違いについて簡単に解説します。
どうぞご覧ください。
1.気化と蒸発と沸騰の違いについて
では気化と蒸発と沸騰の違いについて見ていきましょう。
結論から言ってしまうと気化と蒸発と沸騰の違いとしては、
それぞれが液体から気体に変化する様子が異なるということです。
上図のように気化は液体から気体に変化する現象すべてを指し、
液体の表面から気体に変化するのは蒸発、内部から気体に変化するのは沸騰になります。
以上のことから気化と蒸発と沸騰は下のような関係になります。
気化という現象には液体から気体に変化する様子によって、
蒸発(表面から)と沸騰(内部から)という種類が存在するということです。
なので気化には、蒸発と沸騰が含まれています。
さて気化と蒸発と沸騰それぞれについて解説していきます。
気化とは?
気化(きか)とは、液体が気体に変化するすべての現象のことです。
気化には、液体が表面から気体に変化する蒸発や、
液体が内部から気体に変化する沸騰についても含まれています。
また気化は液体だけでなく固体から気体に変化する場合にも使用されるときがありますが、
固体から気体に変化する呼び名として昇華(しょうか)という言葉が多く用いられます。
基本的に物体の状態変化では”液体から気体に変化することを気化”、
”固体から気体に変化することを昇華”と呼ぶので覚えておきましょう。
蒸発とは?
蒸発(じょうはつ)とは、液体が表面から気体に変化する現象のことです。
そして蒸発は沸騰と違って、温度に関係なく起こる現象です。
例えば晴れの日に水たまりがあってしばらくすると、
いつの間にか水たまりがなくなっていることがありますよね。
他にも食器を洗った後に放置していると、
食器に付いていた水滴がいつのまにかなくなっていたりします。
これらはすべて蒸発という現象によるものなんですね。
このように蒸発というのは、私たちの日常でいつも起こっている現象になります。
沸騰とは?
沸騰(ふっとう)とは、液体が内部から気体に変化する現象のことです。
液体の内部から気体に変化するというのは簡単に言えば、
空気に触れていないところから気体に変化するということです。
鍋に水を入れて加熱していくと、鍋の下の方から泡が上がってきますよね。
あれは鍋の底に火で加熱されることによって熱が伝わり、
鍋の底付近の水(液体)が水蒸気(気体)に変わることで上がってきます。
このときに実は沸騰だけでなく蒸発も起こっていて、
内部からだけでなく表面からも水蒸気に少しずつ変化しているんですね。
また液体によって沸点は違いますが水の場合であれば、
100度まで加熱することで水の内部で沸騰が起こります。
ただ水が100度で沸騰するのは1気圧(地上での気圧の大きさ)における場合だけで、
1気圧から変化すると水の沸点は100度ではなくなるので注意が必要です。
富士山など標高が高いところでお湯を沸かすと、
周囲の気圧が低くなることによって沸点が低くなります。
なので富士山の頂上付近であれば約86度で水が沸騰します。
このように水だけでなく液体が沸騰する温度は、
周囲の気圧にも左右されるので覚えておきましょう。
以上が「気化と蒸発と沸騰の違いとは何か?」でした。
2.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 気化とは、液体が気体に変化するすべての現象のこと。
- 蒸発とは、液体が表面から気体に変化する現象のこと。
- 沸騰とは、液体が内部から気体に変化する現象のこと。
- これらの違いは、気化という現象の中に蒸発と沸騰が存在するということ。