蒸気圧とは?水の沸点と蒸気圧の関係についてわかりやすく解説!

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    さてあなたは蒸気圧という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

     

    蒸気機関車や蒸気船という乗り物を知っていると思いますが、
    これらの乗り物の動力源として主に蒸気圧が利用されています。

     

    そこまで私たちは日常的に蒸気圧という言葉を使用することはありませんが、
    中には蒸気圧とはどういうものなのか疑問に感じる人も多いはずです。

     

    そこでこのページでは蒸気圧とは何か?
    また水の沸点と蒸気圧の関係についてわかりやすく解説しています。

     

    どうぞご覧ください。

     

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    1.蒸気圧(じょうきあつ)とは何か?

     

    では蒸気圧とは何か見ていきましょう。

     

    蒸気圧(じょうきあつ)とは、蒸気によって発生する圧力のことを言います。

     

    蒸気というのは液体や固体が気体に変化したもので、
    液体が気体に変化することは蒸発、固体が気体に変化することを昇華と言います。

     

    蒸気圧について私たちの身近なもので例にすると、ヤカンに水を入れて沸騰させた場合です。

     

    水を入れたヤカンを加熱していくと次第に中の水は温度を上げていきますが、
    しばらくするとヤカンのふたがカタカタと音を立てて動きますよね。

     

    あのヤカンのふたを動かす現象こそまさに、蒸気圧によるものです。

     

     

    水の温度が100度に達すると沸騰し、水(液体)は水蒸気(気体)に変化します。
    そして水蒸気は水のときよりも体積が約1700倍大きくなります

     

    そしてヤカンの中では体積が大きくなった水蒸気が、
    中から外に出ようとするためにヤカンのふたを持ち上げるんですね。

     

    このときの水蒸気がヤカンのふたを持ち上げる力が蒸気圧です。

     

    ちなみに水蒸気は無色透明な気体で実際に目で見ることはできず、
    もし目で見ることができたのならそれは水蒸気ではないので注意してください。

     

    また蒸気圧自体は水のみに限らず液体や固体が気体に変化することで発生するものですが、
    一般的にただ蒸気圧と言う場合には水蒸気による圧力のことを指していることが多いです。

     

    このページの冒頭でも少し触れていた蒸気機関車や蒸気船などは、
    水(液体)が水蒸気(気体)に変化したことで発生する圧力を動力源にしています。

     

    だから蒸気圧を動力源としてその乗り物の機関に利用しているため、
    蒸気機関車や蒸気船のように蒸気という言葉が名前に入っています。
    (機関とは、水力・火力・電力などを力学的エネルギーに変換する装置のこと)

     

     

    次の章で水の沸点と蒸気圧の関係について解説していきますね。

     

    2.水の沸点と蒸気圧の関係について

    では水の沸点と蒸気圧の関係について見ていきましょう。

     

    結論から言ってしまうと水の沸点というのは、
    蒸気圧が大気圧よりも大きくなったときの温度のことを表しています

     

    大気圧(たいきあつ)とは、空気によって発生する圧力のことです。
    (圧力の考え方としては蒸気圧と同じで、違いはそれが蒸気なのか空気なのかってだけ)

     

    大気圧はただ単に気圧と呼ばれることも多いです。

     

    どういうことなのか、まずは水が水蒸気に変化することについて理解する必要があります。

     

    水は水分子という小さな粒がお互いに繋がり合い集まることで構成されていて、
    その水を構成している水分子が空気中に飛び出すことで水が水蒸気に変化します

     

     

    なので水を構成している水分子という小さな粒が水蒸気ということになります。
    (それが集まることで水という液体を作りだしています)

     

     

    ではどんなときに水を構成している水分子が空気中に飛び出すのかと言うと、
    それは水を構成している水分子の力が大気圧を超えたときです。

     

    水だけに限ったことではありませんが物質を構成している分子は常に運動していて、
    温度というのはその物質を構成している分子の運動の大きさで決まります。

     

    簡単に言えば分子の運動が激しいほどその物質の温度が高くなり、
    分子の運動が穏やかなほどその物質の温度は低くなります

     

     

    水などの液体は温度を上げていくことで気体に変化しやすくなりますが、
    その理由は分子の運動が激しくなることによって空気中に飛び出しやすくなるからなんですね。

     

    分子の運動が激しくなるということは分子の持つ力が大きくなるということになり、
    水を構成している水分子同士の繋がりから切れやすくなります。

     

    もうお分かりかと思いますが蒸気圧(水蒸気による圧力)と言うのは、
    水分子が運動することによって他の物質に水分子が衝突してかかる力のことです。

     

    前の章でヤカンのふたがカタカタと動くのは蒸気圧によるものだと解説しましたが、
    それをヤカンの中における水分子の運動という観点から見ていきましょう。

     

     

    上図のようにヤカンのふたがカタカタと動くのは、
    ヤカンの中で水分子が激しく運動していてふたに衝突しているからです。
    (つまりヤカンのふたには中から蒸気圧がかかっているから)

     

    もしもその蒸気圧がアルコールが気体に変化したことで発生するものであれば、
    その場合の蒸気圧は水分子ではなくアルコール分子の衝突による力のことになります。

     

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    さてここからが本題です。

     

    先ほど水の沸点は、蒸気圧が大気圧よりも大きくなったときの温度のことだと言いました。

     

    水が水蒸気に変化するのは空気中に水分子が飛び出すことによるものですが、
    その際には空気中に存在する大気圧のことも考えなければなりません。

     

    水蒸気における蒸気圧であれば水分子が衝突する力のことを表していて、
    それが大気圧の場合であれば空気分子が衝突する力のことを表しています。

     

    そして水が水蒸気に変化するときは水分子の衝突する力(蒸気圧)が、
    空気分子の衝突する力(大気圧)を超えなければ水蒸気に変化することができません

     

     

    上図のように大気圧(空気分子)によって水分子が上から押さえつけられている状態なので、
    空気中に飛び出すためには水分子に大気圧を超える力が必要です。

     

    だから水の温度を上げていけば水分子の運動が激しくなり、
    水分子の持つエネルギーも大きくなるので水蒸気に変化しやすくなるんですね。

     

    なので水の沸点が100度なのは蒸気圧の関係から言ってしまうと、
    水分子の運動の大きさが大気圧を超えるのが100度だからということになりますね。

     

     

    また細かく言えば蒸発と沸騰は違うもので、
    蒸発は液体の表面から気体に変化して、沸騰は液体の内部から気体に変化します

     

    沸点というのは蒸発するときの温度ではなく、沸騰するときの温度を表しています。

     

    水が蒸発しても沸騰しても水蒸気に変化するという点では変わりませんが、
    変化するのが表面からなのか内部からなのかで蒸気圧と大気圧の関係が少しだけ異なります。

     

    では蒸発と沸騰の場合についてそれぞれ解説していきます。

     

    水が蒸発した場合(表面から気体に変化)

     

    水が蒸発する場合の蒸気圧と大気圧の関係について言えば、
    蒸気圧が大気圧以上になれば水は水蒸気に変化することができます

     

    何が違うのかというと水を沸騰させる場合は蒸気圧が大気圧を超える必要がありますが、
    水を蒸発させる場合は蒸気圧が大気圧と同じでも構わないということです。

     

     

    蒸発するということは水の表面から水蒸気に変化することなので、
    水の表面から水分子が空気中に飛び出すことができれば良いわけです。

     

    なので水の表面から空気中に水分子を飛び出させるためには、
    水の表面に対してかかっている大気圧と同じ以上の力が必要になります。

     

    蒸気圧(水分子の力)と大気圧(空気分子の力)の強さが同じであれば、
    どちらか一方が抑えられるということもなくなりますからね。

     

     

    ちなみに水の蒸発は、沸騰とは違い水の温度に関係なく起こります

     

    食器を洗ったあとや洗濯物を干したあとにそれをしばらく放置してみると、
    何もしなくても水が乾いていますよね(場合によっては乾きにくいこともありますが)。

     

    このように蒸発という現象は水の温度に関係なく起こることが分かります。

     

    水が沸騰した場合(内部から気体に変化)

     

    水が蒸発する場合の蒸気圧と大気圧の関係について言えば、
    蒸気圧が大気圧を超えていれば水は水蒸気に変化することができます

     

    蒸発のときは蒸気圧と大気圧が同じでも気体に変化することができましたが、
    沸騰の場合は水の内部から気体に変化するため大気圧と同じではダメです。

     

    それはなぜかというと、水の内部では大気圧だけでなく水圧もかかってしまうからです。

     

     

    上図ではイメージしやすいように水圧は下向きの力しか書いていませんが、
    実際に水圧(気圧についても)は下向きだけでなくあらゆる方向にかかるので注意してください。

     

    火で加熱していくことで水の温度を少しずつ上げていき、
    容器の底部分に火が当たっているため、底に存在している水から徐々に温度が上がっていきます。

     

    ということは底に存在している水分子の運動が激しくなるということです。

     

    そして容器の底付近に存在する水分子の運動が、
    大気圧+水圧以上になれば内部で水蒸気に変化することができます

     

    液体の内部から気体に変化.....つまり沸騰するということですね。

     

     

    液体の内部から気体に変化するイメージは少し難しいですが、
    このように考えてみてはいかがでしょうか。

     

    加熱されて水の温度が上がることで水分子の運動は激しくなり、
    ある一定以上の激しさになると他の水分子を押しのけることができます。

     

     

    他の水分子を押しのけることができる激しさを得ることができるのは、
    水が沸点に達したとき(水分子が大気圧と水圧以上の力になったとき)です。

     

    水分子の運動の大きさ(蒸気圧)が大気圧と水圧の力よりも弱ければ、
    それらの圧力に押しつぶされることになるので水蒸気に変化することができなくなります

     

    水蒸気は水分子の運動が激しくなることで持っている力が大きくなり、
    それにより動ける範囲が広くなるので水よりも体積が大きくなります。

     

    そして容器の底で発生した水蒸気は最終的に、上昇していきボコボコと泡となります。

     

     

    ちなみに一般的に水が沸騰するのは100度と知られていますが、
    水が100度で沸騰するのはあくまでも1気圧における場合です。

     

    1気圧というのは簡単に言えば地上での気圧の大きさのことで、
    気圧の低い場所に行くほど水が沸騰する温度は下がります

     

    例えば富士山の山頂付近(高度3776m)であれば、
    周囲の気圧は約0.6気圧で、温度が約87度になると水は沸騰します。

     

    水だけでなく液体が沸騰する温度には、周囲の気圧が大きく関係しています。

     

    なぜ気圧によって沸点が変化するのか、詳しくは下記の関連リンクをご覧ください。

     

    以上が「蒸気圧とは?水の沸点と蒸気圧の関係についてわかりやすく解説!」でした。

     

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    3.まとめ

    これまで説明したことをまとめますと、

    • 蒸気圧とは、蒸気によって発生する圧力のことで一般的には水蒸気圧を指すことが多い。
    • 蒸気圧は、水分子が運動することで他の物質に衝突したときにかかる力のこと。
    • 水の沸点は、蒸気圧が大気圧よりも大きくなったとき(厳密に言えば大気圧+水圧)の温度のこと。

     

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