このページでは1気圧とは何か?。また1気圧は何ヘクトパスカル(hPa)なのかを簡単に解説しています。

 

 

 

1.1気圧とは何か?

 

1気圧とは、ふつう地上において大気によって発生する圧力の大きさのことを言います。

 

簡単に言えば、私たちが普段から住んでいる場所における気圧の強さを表したものです。
(上空や穴の深い場所でなければ、その場所での気圧の大きさは1気圧になります)

 

 

1気圧は地上における大気によって発生する圧力の大きさのことで、
大気とは空気のことなので空気によって発生する圧力の大きさになります。

 

ではなぜ気圧が発生するのかというと空気は無色透明な気体ですが、
空気自体には質量があってそこに存在しないわけではないからです。

 

何もないところで(実際には空気がある)腕を回すと、腕に何かが当たる感覚がありますよね。
あれは腕に空気が当たっている感覚になります。

 

このように空気は目に見えないだけで、存在しています。

 

 

そして気圧の大きさは上に乗っかっている空気の量で変化します。

 

何にでも言えることですがモノを積み上げていくと上に存在しているモノには、
あまり圧力はかかりませんが下に存在しているモノには大きな圧力がかかります。

 

気圧もこれと同じで、地上における気圧の大きさである1気圧というのは、
地上から上空までの空気が積み重なり、その重さによって発生した圧力のことなんですね。

 

なので地上(1気圧)と比べると上空の気圧は小さくなります。

 

 

上図のように上空では上に乗っかっている空気の量が少ないので気圧は小さくなり、
穴が開いているような場所では空気の量が多くなるので気圧は1気圧よりも大きくなります。

 

例えば富士山の頂上付近(3776m)では、気圧の大きさは約0.6気圧です。

 

そして富士山よりさらに上に行くとどんどん空気が少なくなり、
最終的には空気がない(真空状態)宇宙空間まで到達します。

 

宇宙空間のように空気の存在しないところでは気圧は発生しないので、
当然ですが気圧の大きさは0気圧になります。

 

2.1気圧は何ヘクトパスカル(hPa)?

結論から言ってしまうと、1気圧=1013.25ヘクトパスカル(hPa)になります。

 

ヘクト(h)というのは接頭語で、10の2乗(10^2)つまり100倍を表します。

 

なので1気圧=1013.25[hPa]=101325[Pa]ということです。

 

また1気圧の単位として”atm(アトム)”が使用されており、
1気圧=1[atm]=1013.25[hPa]になるので覚えておきましょう。

 

さて1気圧の強さが1013.25ヘクトパスカルということは分かりましたが、
具体的にはどのくらいの力の大きさなのか解説していきますね。

 

具体的に1気圧(1013hPa)はどのくらいの力なのか?

さて1気圧(約1013hPa)がどのくらいの力の大きさなのか見ていきましょう。

 

まずパスカル(Pa)は圧力の単位のことで、以下のように単位変換することができます。

<パスカル(Pa)の単位変換>

 

1 [Pa] = 1 [N/m^2] = 1 [kg/m・s^2]

 

※[N] = [kg/m・s^2]

簡単に言えば圧力[Pa]とは単位面積[m^2]当たりにかかる力[N]のことで、
1[m^2]の面積に対して1[N]の力がかかった場合の圧力が1[Pa]になります

 

1[N]の力がどのぐらいの大きさなのかは下図をご覧ください。

 

 

上図のように1[N]は面積1[m^2]に対して102[g]の質量の物体に、
地球の重力がかかった場合の重量(重さ)のことを表しています。
(なぜ102[g]の質量の物体なのかは、長くなるので別の記事で詳しく解説します。)

 

なので1気圧である101325[Pa](1013.25[hPa])の場合だと、
面積1[m^2]に対して10335150[g]の質量の物体に重力がかかったときの力のことです。

 

数字がとても大きいのでより簡単に直すと、1気圧は面積1[m^2]に対して、
約10.34[t](トン)の質量の物体に重力がかかったときの力(重量)になるということ

 

 

1気圧がどれだけ大きな力なのか理解していただけたでしょうか。

 

なぜ人間は1気圧でつぶされないのか?

ではなぜ人間は気圧によってつぶされることはないのかというとそれは、
人間の内部(体内)からも同じ大きさの気圧が外側に対して働いているからです。

 

1気圧の大きさは面積1[m^2]に対して約10.34[t]の重量がかかります。
そして成人における人間の体の平均の表面積は約1.6[m^2]です。

 

ですので1.6[m^2]×10.34[t/m^2]=16.544[t]もの重量が体にかかっている計算になります。

 

このままだと少しイメージしにくいと思うので、面積1[cm^2]当たりにかかる重量に直していきます。

16544[kg] ÷ 16000[cm^2] = 1.034[kg/cm^2]

 

  • 16.544[t] = 16544[kg]
  • 1.6[m^2] = 16000[cm^2]

面積1[cm^2]当たりに直すと、約1[kg]の重量がかかるわけです。

 

しかし人間は呼吸などにより空気を体内に取り込むことで、
内部からも外部と同じように1気圧がかかっています。

 

これにより内部(体内)から外側に働く気圧と、
外部(体外)から内側に働く気圧がお互いを打ち消しています

 

 

人間だけでなく地球上に存在しているモノが気圧につぶされることがないのは、
そのモノの内部に空気が含まれていて外部からかかる気圧を打ち消しているからです。

 

もし人間や他のモノの内部に空気が含まれていなければ、
外部からかかる気圧(1気圧)につぶされてしまいます。

 

3.1気圧=760mmHgと言われている理由について

結論から言ってしまうと1気圧(1013hPa)の大きさが、
水銀(液体)を上に760mm持ち上げるときの力の大きさと同じだからです。

 

760mmHgの”Hg”は水銀の元素記号のことで読み方としては、
「ミリメートルエイチジー」や「水銀柱ミリメートル」と呼ばれています。

 

さて1気圧の大きさが水銀760mmを持ち上げる力の大きさと同じとは、
いったいどういうことなのか下の図で解説していきます。

 

 

上図のように水銀の表面には上から1気圧もの力がかけられていて、
1気圧に押された水銀は容器の中で760mmの高さまで持ち上げられます。

 

容器の中は真空(0気圧)なので水銀を持ち上げた力は、外の1気圧のみです。

 

これにより1気圧=水銀を760mmの高さまで持ち上げる力ということが分かります。

 

 

また容器の中が真空ではなく、元から空気が入っていれば水銀は持ち上がりません。
(水銀の表面にただ空の容器をかぶせたのと同じ)

 

 

上図のように容器の中には空気が入っているので、
持ち上げようとする力と等しい力が容器の中からかかっている状態です。

 

じゃあどうすれば水銀を気圧によって容器の中で持ち上げさせるのかというと、
それは水銀の中に容器を沈めてその容器の中に空気が入らないように立たせます。

 

 

容器が760mmよりも長ければ、水銀の位置は760mmのところまで下がり、その上部は真空となります。

 

 

ちなみになぜ水銀なのかと言うと水銀(液体)の密度は常温・常圧で約13.6[g/cm^2]あり、
水の密度が約1[g/cm^2]なので水銀は水の13.6倍も密度が大きいです。

 

これは単純に水よりも水銀の方が13.6倍も重い液体ということになります。

 

水銀は液体の中で最も密度の大きい液体として知られていて、
水銀を使用することで持ち上がる高さをより抑えることができるんですね。

 

 

これを水銀ではなく水で行えば密度が13.6倍も小さくなる(軽くなる)ので、
水の高さが10m以上(760[mm]×13.6)になってしまいます

 

なので持ち上がる高さを抑えるために、水銀という密度の大きい物質が使用されています。

 

以上が「1気圧とは?また何ヘクトパスカル(hPa)なのか?」でした。

 

 

4.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 1気圧とは、ふつう地上において大気(空気)によって発生する圧力の大きさのこと。
  • 1気圧は、1013.25ヘクトパスカル(hPa)のこと。
  • 1気圧は面積1[m^2]当たりに約10.34[t]もの力が働いている。

 

 

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