このページでは水圧とは何か?。また水圧についてわかりやすく図を用いて解説しています。

 

 

 

1.水圧とは何か?



水圧(すいあつ)とは、水の重さによって発生する圧力のことです。

水圧は水の重さによって発生する力なので、
水深が深くなればなるほど水圧は大きくなっていきます。

下に存在する水には、上に乗っかっている分の水の重さも力がかかることになります。


ペットボトルを水中に沈ませるという実験をご存知でしょうか。

ペットボトルに空気を入れて水中に沈めると、
水深が深くなるごとに少しずつペットボトルがつぶされていきます。

このように水中でペットボトルをつぶしている力がまさに水圧です。


また水圧の大きさを表す単位は○気圧(○の中には数字)が使用され、
水深が10m深くなるごとに水圧の大きさが1気圧ずつ大きくなります

ちなみに1気圧というのは、地上にかかっている気圧の大きさのことです。

これだけでは水圧についてイメージしにくいと思いますので、
次の章で図を用いてわかりやすく解説していきますね。


2.わかりやすく図を用いて解説!

さて水圧は水の重さによって発生する力です。
なので水深が深いほど水圧は大きくなります。

 

空気を入れて膨らませた風船を水中に沈めてみると、
水圧についてのイメージがつかみやすくなります。

 

 

上図のように空気を入れて膨らませた風船を水中に沈めると、
水深が深くなるごとに風船に水圧がかかるのでもとの大きさよりも小さくなります。

 

そしてさらに水深が深くなり水圧が大きくなっていくと、最終的に風船は割れてしまいます。

 

では以上を踏まえて、水圧について詳しく解説していきますね。

 

水圧はあらゆる方向からかかる

水圧は水の重さによって発生する力ですが、
実は水圧が働く力の向きは下向きだけではありません。

 

先ほどの空気を入れて膨らませた風船を想像していただけると、
水圧があらゆる方向からかかる力だということが分かります。

 

 

上図左のように水圧が下向きにしかかからない力であれば、
風船は全体的に小さくなるのではなく上から一定方向につぶされるはずです。

 

しかし水中に沈めた風船は全体的に小さくなることから、
水圧は下向きだけでなくあらゆる方向から働く力だということが言えます

 

 

ではなぜ水圧があらゆる方向から働くのか見ていきましょう。

 

下図のように何層かに軟らかいボールを積んでいき、
このボールひとつひとつが水分子を表しています。

 

 

そして水圧は上の層に存在するボールから下の層に存在するボールに対して、
その重さがかかっていくことで発生するので下図のように順番に力がかかっていきます。

 

 

まずは上から1層目に存在するボールの重さによって、
2層目に存在するボールに力が加わります。

 

 

次に2層目のボールは横方向に力が流れ(1層目のボールの重さ分の力)、
下方向(3層目)に1層目と2層目のボールの重さによる力が加えられます。

 

横方向にも力が流れていくのは上から力がかけられたときに、
ボールがつぶされることで横方向に力が逃げていくために起こります。

 

また各方向へと力が流れていきますが、
作用反作用の法則によってそれらの力とは逆向きの力も加わります。

 

 

最終的に水圧の関係は上図のようになります。

 

下方向だけではなくあらゆる方向から水圧がかかっているのが分かりますよね。

 

 

そして深い層になるにつれてボール同士に働く圧力は大きくなっています。

 

膨らませた風船を水中に沈ませれば全体的に水圧がかかることで小さくなりますが、
正しく言えば風船全体に等しい水圧がかかるというわけではありません

 

水深が深いほど風船には大きな水圧がかかるので、
正しい水圧のかかり方は下図のようになります。

 

 

水深が深くなるほど水圧を表している矢印が大きくなっていますよね。
これがあらゆる方向から水圧かかる仕組みと深さによる力の関係になります。

 

水圧の大きさに水の量は関係ない

さて次は水圧の大きさに水の量が関係ないということを説明していきます。

 

水深が深くなるほど水圧というのは大きくなりますがそれ以外に、
上に乗っかっている水の量も水圧の大きさに関係していると思っている人も多いのではないでしょうか。

 

なので結論から言ってしまうと上に乗っかっている水の量は水圧には関係はなく、
水圧の大きさに関係するのは深さ(高さ)のみになります。

 

 

まず先ほどの容器にボールを入れたときの水圧の関係図を見ていきましょう。

 

 

上図を見ていただければ重さによる力が大きくなっていくのが、
横のラインではなく縦のラインのみだということが分かりますよね。

 

横方向にも重さによる力は伝わっていきますが均等にしか伝わっていきません。
ですが縦方向には上のボールと自身のボールの重さによって加算された力が伝わっていきます

 

例えば高さ10[m]×横1[m]×奥行1[m]の容器と、
高さ10[m]×横1[cm]×奥行1[cm]の容器があります。

 

この2つの容器に水を入れて水圧を測定しても、
容器の底面1[cm^2]当たりにかかる水圧は同じなんですね。

 

だから面積当たりにかかる水圧を大きくするためには横方向(面積)に伸ばすのではなく、
縦方向(深さ)に伸ばしていかなければなりません。

 

このように水圧の大きさは上に乗っかっている水の量にではなく、
水の深さ(高さ)のみに関係するということを覚えておきましょう。

 

3.例:容器に水を入れて異なる深さに穴をあけた場合

では例として容器に水を入れて異なる深さに穴をあけた場合、
容器からどのように水が流れ出るのか見ていきましょう。

 

 

上図のように水を入れた容器に3つ穴をあける箇所を示しています。
この箇所それぞれに穴をあけた場合は下図のようになります。

 

 

水が3箇所それぞれの穴から容器の外に流れ出ていきますが、
穴の位置によって水が流れ出る勢いが異なることにお気付きでしょうか。

 

前の章の解説をしっかりと理解できているのでしたら、
なぜ穴の位置によって水の流れ出る勢いが異なるのかはすぐに分かるはずです。

 

もう一度容器にボールをいれたときの水圧における関係図を見てみましょう。

 

 

そして水圧の関係図を例に当てはめて見ると下図のようになります。

 

 

このようにしてみると穴の位置によって水の流れ出る勢いが異なる理由が分かりますよね

 

水圧はあらゆる方向に対してかかっている力なので、もちろん横方向にもかかっています。
(ここでは右横方向と下方向の水圧しか示していません)

 

そして水深が深くなるほど横方向にかかる水圧も大きくなるため、
穴から容器の外へと水を押し出す力も大きくなります

 

だから水深の深い位置にあいている穴ほど水が出る勢いが強くなったということです。

 

4.水深10mでかかる水圧の大きさは1気圧ではない

結論から言ってしまうと、水深10mにおける水圧の大きさはほとんどの場合で2気圧になります

 

なぜ水深10mにおける水圧の大きさが2気圧になるのかというと、
水面よりも上に存在する空気からも圧力を受けているからです。

 

 

地上における気圧の大きさを表したものが1気圧なので、
水面の場合ですでに1気圧もの圧力を受けていることになるんですね。

 

そして水深が10m深くなるごとに、水圧の大きさが1気圧ずつ大きくなっていきます。
だから水深10mでかかる水圧は2気圧になります。

 

 

ただし普通に考えれば水深10mにおける水圧は2気圧になりますが、
水面の上部が密閉されていたり、空気がなく真空の場合には2気圧ではなく1気圧になります

 

 

なので上部が密閉されていたり真空の場合には空気による圧力がかからなくなり、
水深10mにおける水圧は1気圧になるので覚えておきましょう。

 

以上が「水圧とは何か?わかりやすく図を用いて解説!」でした。

 

 

5.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 水圧とは、水の重さによって発生する圧力のこと。
  • 水圧の大きさを表す単位には、○気圧(○には数字)が使用されている。
  • 水圧は下向きだけでなく、あらゆる方向から力がかかる。
  • 水圧の大きさに関係するのは、上に存在する水の量ではなく深さ(高さ)のみ。

 

 

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