1.「質量」と「重さ(重量)」の違いと単位

結論から言ってしまうと「質量」と「重さ(重量)」の違いは、”物体そのものの量(=質量)”なのか、”物体にはたらく重力の大きさ(=重さ(重量))”なのかです。



上図のように質量(単位は[g]・[kg]など)は、その物体を構成している原子・分子の数や種類で質量は決まる(鉄であれば鉄原子、水であれば水分子が繋がり合ってできている)ため、その物体を構成する原子・分子の数が増減しない限り質量が変化することはありません(つまり重力の大きさが変化しても質量は変化しない)。


重さ(=重量)(単位は[N](ニュートン))は、物体の質量[kg]に重力加速度[m/s²]を掛けて求めるため、重力の大きい場所ほど(重力加速度も大きくなるため)その物体の重さは重くなり、重力の小さい場所ほど(重力加速度も小さくなるため)その物体の重さは軽くなります(無重力下では重さはゼロになる)。

現在では力(重さも力に含まれる)の単位として[N](ニュートン)が用いられていますが、以前までは力の単位は[kgf]や[kg重](1[kgf]=1[kg重]=約9.8[N](正確には9.80665[N]))といった単位が用いられていました。


日本では計量法によって力の単位は「N(ニュートン)」を使用することが定められているため、[kgf]や[kg重]といった古い力の単位を取引や証明に使用することは禁止されています。



地球と月で質量[kg]は変わらないが、月で重さ[N]を測ると地球で測ったときの約1/6になる


例えば、月(地球の重力の大きさの約1/6)で質量60[kg]の物体の重さを測ると、(物体を構成している原子・分子の数が増減していないため)質量[kg]は変化しませんが、重さ[N]は地球で測ったときの約1/6になります。


(重力加速度というのは、”地球などの重力の大きさ(物体にはたらく重力の大きさ(=重さ)とは別)を数値で表したもの”で、数値が大きいほど重力が大きい(=中心に引き寄せる力が強い)ということを意味)



上図のように地球での質量60[kg]の物体の重さ[N]は「60[kg]×9.8[m/s²]=588[N]」となり、月での質量60[kg]の物体の重さ[N]は「60[kg]×1.6[m/s²]=96[N]」(地球で測ったときの重さの約1/6)となります。


(「地球の重力加速度=約9.8[m/s²]」、「月の重力加速度=約1.6[m/s²](地球の重力加速度の約1/6)」)



2.体重計は重さ[N]ではなく、質量[kg]を示している

体重計というのは単位が[kg]で表示されていることから、重さ(重量)[N]ではなく、質量[kg]を示していることが分かります。



体重計で体重を測ると、上図のようにまずは体の重さ[N](=体の質量[kg]×重力加速度[m/s²])が体重計にかかり、測定した体の重さ[N]から重力加速度[m/s²](地球であれば約9.8[m/s²])が割られることで体の質量[kg]が体重計に表示されます。


(簡単にいうと、体重計では原理的に質量のみは測定できないので、「重さ(=質量×重力加速度)」を測ってから重力加速度を割って質量を求めて表示した、ということ)



また、仮に地球の重力加速度が設定された体重計を月で使用すると、重さから地球の重力加速度が割られてしまうため本来の体の質量が表示されなくなります。



上図のように体の質量70[kg]の人が体重計(地球の重力加速度に設定)に乗ると、まずは体の重さ112[N](=体の質量70[kg]×月の重力加速度1.6[m/s²])が測定されます。


その後、体の重さ112[N]から地球の重力加速度9.8[m/s²]が割られる(本来であれば月の重力加速度で割らなければならない)ことで、体の質量が約11.4[kg]と体重計に表示されるため、本来の体の質量70[kg]の人は約11.4[kg]と体重計に誤って表示されてしまいます。



物体の質量は、分銅と上皿天秤を用いることで測定することができる


物体の質量は、理科の実験などで使用される分銅(ふんどう)と上皿天秤(うわざらてんびん)を用いることで測定することができます。



分銅には1[g]・2[g]・10[g]・50[g]・100[g]・200[g]・500[g]などのように様々なものがありますが、単位からも分かるように分銅[g]は重さ(重量)ではなく質量を示しています



例えば、上皿天秤の片側の皿に質量の分からない物体を置き、もう片側の皿に500[g]の分銅を置いて釣り合ったとすると、それは質量の分からなかった物体の質量は500[g]である、ということを意味します。



なぜ質量が500[g]であることが分かるのかというと、上図のように皿の上に置いてある物体と分銅にはそれぞれ同じだけの重力がかかっている(=同じ重さ)ため、両方の皿が釣り合っているのであれば、それぞれの重力を相殺することで物体と分銅が同じ質量であると判断できるからです。


(分銅を上皿天秤を使用すると、月のような地球と重力の大きさが異なる場所であっても物体の質量を測定することができる)



以上が「質量とは?重さ(重量)との違いと単位をわかりやすく図で解説!」でした。



3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 質量とは”物体そのものの量”で、その物体を構成している原子・分子の数や種類で質量は決まる(鉄であれば鉄原子、水であれば水分子が繋がり合ってできている)。
  • 「重力の大きさが変化しても質量は変化しない(=質量は重力の影響を受けない)」。
  • 重さ(重量)とは”物体にはたらく重力の大きさ”で、「重さ[N](ニュートン)=質量[kg]×重力加速度[m/s²]」(地球の重力加速度は約9.8[m/s²])で求められる。
  • 「重力の大きさが変化すると重力加速度も変化するため、重さ(重量)も変化する(=重さは重力の影響を受ける)」。
  • 体重計は重さ(重量)[N]ではなく、質量[kg]を示している。



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