さて”土星”は私たちが暮らしている地球と同じ惑星の仲間で、
太陽系惑星を表す「すいきんちかもくどってんかい」というフレーズにも登場します。
土星は太陽系の惑星だということは多くの人が知っていますが、
一体どのような惑星なのか、その特徴について知っている人は少ないです。
そこでこのページでは、土星の表面温度・大気・重力などの特徴を解説します。
どうぞご覧ください。
1.土星の特徴について
※上は土星の写真
では土星の特徴について見ていきましょう。
土星とは太陽系の惑星において、6番目に太陽に近い惑星のことです。
そんな土星の特徴について、それぞれ簡単にまとめたものが下のようになります。
項目 | 土星の特徴 |
---|---|
英語名 |
Saturn(サターン) |
表面温度 |
平均温度-130℃ |
大気 |
主に水素・ヘリウム |
質量 |
95.124倍(地球を1) |
大きさ(直径) |
9.45倍(地球を1) |
重力 |
1.07倍(地球を1) |
太陽からの平均距離 |
14億2940万km |
自転周期 |
約10.2時間 |
公転周期 |
約29.46年(10752日) |
次の章から土星について詳しく解説していきます。
2.構成物質と大気とは?
では土星を構成している物質と大気について見ていきましょう。
まず土星を構成している物質は下のようになります。
上図のように土星は外層が液体水素・ヘリウム、内層が金属水素・ヘリウムで構成され、核となる部分の物質は岩石と鉄・ニッケルなどの金属で構成されています。
液体水素とは気体の水素が高い圧力で圧縮されたもので、
その液体水素をさらに高い圧力で圧縮させると金属水素となります。
土星の大部分が木星と同じように水素で構成されているため、
土星は水素から形成されている惑星と言っても過言ではありません。
土星の表面が黄色味がかって見えるのは、
土星の上層部分に形成されているアンモニアなどからできた雲によるものです。
木星よりも土星の方が黄色味がかって見えるのは、
土星の方が木星よりも厚いアンモニアの雲で覆われているからです。
また土星の大気は主に水素・ヘリウムから構成されていて、
それ以外にもわずかにメタンやアンモニアなどの物質が含まれています。
当然ですが、土星の大気では人間は呼吸することはできません。
関連:空気と大気の違いとは?
3.土星と呼ばれる由来とは?
では土星と呼ばれている由来について簡単に見ていきましょう。
なぜ土星と呼ばれているのかと言うと、
それは五行思想(または五行説)という思想が由来になっているからです。
五行思想とは古代中国における自然哲学の思想のことで、
万物は”火・水・木・金・土”の5種類の元素から構成されるという思想です。
五行思想の概念は曜日を表すのに使われていますよね。
(火曜日・水曜日・木曜日・金曜日・土曜日)
五行思想では土は黄色とされており、
土星のその黄色っぽい見た目から”土星”と名付けられました。
この五行思想が主だった時代には、8つの太陽系惑星のうち天王星と海王星の存在は知られておらず、地球を除くとちょうど5つの惑星になるため、五行思想から惑星の名前が付けられました。
このように土星という名前の由来は、五行思想から来ているんですね。
土星の英語名(サターン)の由来について、詳しくは下記をご覧ください。
4.土星に付いているリング状のものって何?
では土星に付いているリング状のものについて見ていきましょう。
土星に付いているリング状のものは”環(わ)”と呼ばれており、
一般的には”輪(わ)”という漢字が使われることも多いです。
(正確には”環”という漢字の方が正しい)
ではなぜ土星にはこのような環が付いているのかと言うと、
それは他の星が土星とぶつかって破壊され粉々になり、その破片が土星の重力に捉えられているからです。
土星の環は数十億に及ぶ氷と岩石が集まって形成されていて、
大きいもので直径数mとされ、土星の環の様子を表したものが下の図です。
このように数多くの氷と岩石が集合して形成されているものが”土星の環”になります。
また土星の環はいくつかの層(アルファベット)に分けられており、
その中の細かい環の数を数えていくと6000本以上にもなるそうです。
上の画像をよく見てみると線が数えきれないほど、重なっているのが分かると思います。
ちなみに太陽系惑星の中で環と言えば”土星の環”が有名ですが、
実は木星・天王星・海王星にも環は存在しています。
ただしそれぞれの環自体は土星のものと比べると規模が小さく、
観測するのが難しいためにあまり有名にはなっていません。
5.土星における1日と1年について
では土星における1日と1年について見ていきましょう。
私たちが暮らしている地球では1日の長さは24時間で、
1年の長さは365日というのは常識ですよね。
ですが土星における1日と1年の長さは地球とは異なり、
土星の1日の長さは約10.2時間で、1年は約29.46年ほどになります。
つまり地球では1年間は365日で、夜→昼→夜の周期は1日(24時間)ですが、
土星における1年間は約29.46年で、夜→昼→夜の周期は約10.2時間かかるということです。
少しややこしいので、簡単に解説していきます。
まず地球における1日というのは、夜が来てまた次の夜が来るまでの時間のことで、
1年間は地球が太陽の周りを1周する時間のことを指しています。
(時間帯の周期が1周することを1日としているので、朝から朝でも問題なし)
地球が夜→昼→夜のように変化するのは地球自身が回っているからで、
地球自身が回ることを”地球の自転”、地球が太陽の周りを移動することを”地球の公転”と言います。
そして土星も地球と同じように自転と公転をしていますが、その早さは異なります。
地球の自転では1日1回転し、地球の公転は365日かかりますが、
土星の自転では約10.2時間で1回転し、土星の公転は約29.46年もかかります。
土星における1日の長さは約10.2時間、1年の長さは約29.46年なので、
土星の自転と公転からそれぞれ1日と1年の長さを知ることができます。
ですが水星や金星のように、”自転にかかる時間=1日の長さ”とならない惑星もあるので注意しましょう。
6.重力の大きさは質量と半径から計算する
では土星の重力の大きさについて見ていきましょう。
土星の重力の大きさは、地球の約1.07倍です。
つまり土星の重力は、地球よりも少し大きい程度ということになります。
この1.07倍というのは地球の質量・半径と、土星の質量・半径から計算することができます。
計算の手順としては以下の通りです。
まず上のように地球と土星における質量と半径を比較し、
土星の質量と半径が地球の何倍なのかをそれぞれ求めていきます。
そしてあとは先ほど計算で出した値を上の計算式に入れれば、
土星の重力は地球の1.07倍ほどだという計算結果が出てきます。
このように土星と地球の質量・半径がそれぞれ分かっていれば、
土星の重力が地球のだいたい何倍なのかを計算することができます。
以上が「土星とは?土星の表面温度・大気・重力などの特徴を簡単に解説!」でした。
7.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
<土星の特徴>
- 英語名は、Saturn(サターン)。
- 土星の由来は、五行思想(火・水・木・金・土)から来ている。
- 平均温度は-130℃ほど。
- 大気は主に水素・ヘリウムで構成されている。
- リング状のものは”環(わ)”と呼ばれ、他の星が粉々になった破片(主に氷と岩石)で形成されている。
- 土星の1日の長さは約10.2時間で、1年は約29.46年ほど。
- 土星の重力は地球と比べると約1.07倍ほど。