なぜ金星の1日の長さは自転周期に比べて短くなるのか?

 

 

さて金星の自転周期は約243日なのですが、
金星における1日の長さというのは、約116日と18時間になります。

 

地球では1日の長さは地球が自転する時間とほぼ同じなので、
なぜ金星の1日の長さが自転周期と異なるのか疑問に感じますよね。

 

そこでこのページでは、なぜ金星の1日の長さは自転周期に比べて短くなるのかを解説します。

 

どうぞご覧ください。

 

 

 

1.なぜ金星の1日の長さは自転周期に比べて短くなる?

 

ではなぜ金星の1日の長さは、自転周期に比べて短くなるのかを見ていきましょう。

 

結論から言ってしまうと、金星の自転(回転)する向きが”時計回り”だからです。

 

 

他の太陽系惑星と比べても金星の自転する向きだけが”時計回り”で、
他の太陽系惑星の自転する向きは”反時計回り”になっています

 

この自転の向きが1日の長さが短くなる理由に大きく関係しています。

 

他にも金星の自転と公転の周期がそれぞれ同じぐらいということもありますが、
ここでは特に金星の自転の向きに焦点を当てて見ていきたいと思います。
(金星の自転周期は約243日、公転周期は約225日)

 

 

まず地球における1日というのは、夜が来てまた次の夜が来るまでの時間のことで、
1年間は地球が太陽の周りを1周する時間のことを指しています。
(時間帯の周期が1周することを1日としているので、朝から朝でも問題なし)

 

地球が夜→昼→夜のように変化するのは地球自身が回っているからで、
地球自身が回ることを”地球の自転”、地球が太陽の周りを移動することを”地球の公転”と言います

 

 

そして金星も地球と同じように自転と公転をしていますが、その早さは異なります。

 

地球の自転では1日1回転し、地球の公転は365日かかりますが、
金星の自転では約243日で1回転し、金星の公転は約225日しかかかりません

 

 

さて金星の自転の向きが”時計回り”と”反時計回り”の場合では、
1日の長さはどのように変化するのかをそれぞれ解説していきます。

 

自転の向きが”時計回り”の場合(実際はこれ)

金星の自転の向きが”時計回り”の場合を見ていきましょう。
(”時計回り”が実際の金星の自転の向きです)

 

金星の自転周期は約243日で、公転周期は約225日なので、
これを簡単に図にすると下のようになります。

 

 

そして1日というのは夜→昼→夜のように再び時間帯が戻ってくることなので、
金星に対する太陽からの光の当たり方が、同じように戻ってくれば良いんです。

 

 

では金星がそれぞれ自転と公転をしているときに、
太陽からの光の当たり方がどうなるのかを見ていきましょう。

 

 

上図のように最初の位置から公転の1周(225日)の4分の1が経過すると約56日なので、
最初の位置(赤い点)では昼でしたが、56日後には自転もあるので回転して夜になっています。

 

(金星の自転の1周は約243日なので、4分の1回転だと約60日ほど)

 

さらに公転の1周(225日)の半分を少し過ぎたぐらいの約116日と18時間で、
金星では時間帯(昼・夜)の周期が戻ることになるため、約116時間と18時間で1日となるわけです。

 

次の章でもし金星の自転の向きが”反時計回り”だった場合を見ていきましょう。

 

自転の向きが”反時計回り”の場合

もし金星の自転の向きが”反時計回り”だった場合は下のようになります。

 

 

上図のようにもしも金星の自転の向きが”反時計回り”だったとしたら、
時間帯(昼・夜)の変化にかなり時間がかかります

 

もともと金星の自転(243日)と公転(225日)の周期が同じくらいの日数かかるので、
金星が”反時計回り”になると余計に1日の周期が遅くなってしまいます

 

地球の1日が24時間と短いのは、地球の自転(1日)と公転(365日)の日数が離れているためです。

 

 

以上が「なぜ金星の1日の長さは自転周期に比べて短くなるのか?」でした。

 

 

2.まとめ