さてあなたは”うるう年”という言葉をご存知でしょうか。

 

普通であれば1年間は365日のはずなのですが、
4年に1度だけ1年間が366日になる年があります。

 

うるう年=1年が366日と覚えている人は多いですが、
なぜうるう年だと1年が366日になるのかその仕組みを理解している人は少ないです。

 

そこでこのページではうるう年(閏年)とは何か?
またなぜ4年に1度だけ366日になるのかその仕組みを簡単に解説します。

 

どうぞご覧ください。

 

 

 

1.うるう年(閏年)とは?

 

ではうるう年(閏年)とはどういうものなのか見ていきましょう。

 

結論から言ってしまうとうるう年(閏年)とは、
季節と暦がずれてしまうことを避けるために設けられている年のことです。

 

まず閏(うるう、じゅん)というのは、暦において普段の年(平年)よりも日数や月数が多いことを意味します。
(閏年の読み方は、”うるうどし”または”じゅんねん”と読みます)

 

なので閏(平年よりも日数や月数が多い)のある年だから、閏年と言うんですね。

 

 

私たちの認識では1年間は普通(平年)であれば365日ですが、
うるう年のときは2月が28日ではなく29日まで設けられ1年間が366日になります。

 

なぜ4年に1度だけ366日になる(うるう年になる)のかと言うと、
それは4年ごとに1日ずつ季節と暦にずれが発生してしまうからです。
(なぜ季節と暦がずれるのか詳しい仕組みはあとの章で解説していきます)

 

そしてより正確に言えばうるう年になるのは4年に1度ではなく例外もあり、
次の章でうるう年のルールを例外とともに簡単に解説していきます。

 

2.うるう年は2つのルールで何年にあるのか決められている

ではうるう年が決まるルールについて見ていきましょう。

 

まずうるう年は4年に1度あるものだと思っている人も多いですが、
正確に言えばうるう年は4年に1度必ずあるわけではないです。

 

うるう年が何年になるのかは以下の2つのルールで決められています。

  • ルール①:西暦年号が4年で割り切れる年をうるう年とする
  • ルール②:ルール①の例外として西暦年号が100で割り切れて、
    400で割り切れない年は平年(うるう年ではない)とする

例えば2100年、2200年、2300年はうるう年にはならない。

 

つまり西暦における4の倍数の年はうるう年になります。

 

ですがその例外として4の倍数だけど2100年や2200年のように100で割り切れて、
さらに400で割り切れない年はうるう年ではなく平年ということになります
(2000年や2400年は400で割り切れるので、平年ではなくうるう年ということになる)

 

なので必ずしもうるう年は4年に1度あるというわけではないんですね。

 

3.4年に1度だけ366日になる仕組みについて

では4年に1度だけ366日になる仕組みを簡単に見ていきましょう。
(例外もあるので厳密には4年に1度ではないですが)

 

まず私たちは太陽の周りを地球が1周する時間を1年間(365日)と決めています

 

 

これは地球が太陽の周りを公転することによるもので、
時間が経てば季節が変わるのもこの公転によるものです。
(地球に太陽光が当たる角度が変わるので、そのたびに季節も変化します)

 

しかし太陽の周りを地球が1周する時間はぴったり365日ではなく、
実際は365.2422日かかり、0.2422日分だけ1年間の時間は多くなってしまうんですね。

 

 

だから何年かに1度のペースで季節と暦のずれを小さくするために、
平年は2月28日になるところを2月29日まで増やすうるう年が設けられています。
(なぜうるう年が2月に設けられているのかは次の章で解説します)

 

 

 

先ほどのルール①で4の倍数の年のとき....つまり4年に1度だけうるう年があるのは、
実際に1年間で発生する0.2422日のずれを0.25日(6時間)で計算したことによるものです。

 

ですが1年間を365.25日として時間のずれを0.25日(6時間)にしても、
実際の時間は0.2422日(5時間49分)分なので11分ほどずれてしまいます。

 

 

1年で11分ずつずれるとなると、約130年後には丸1日分ずれてしまいます。

 

そこでより時間のずれを小さくするために、新しくうるう年のルールとしてルール②が決まります。

 

ルール②が適用されることで、ルール①だけだったときよりもうるう年になる回数は減ります。
(うるう年は400年間で100回でしたが、ルール②の適用で97回に減った)

 

うるう年の回数が減らすことでそれまでは1年間を365.25日としていましたが、
ルール②の適用で1年間を365.2425日とし、実際の0.2422日のずれをかなり小さくしました。

 

 

これは1年間で約26秒の時間がずれる計算で、
1年間で26秒のずれが起これば約3300年後に1日のずれが発生することになります。

 

ルール①だけでは約130年後に1日のずれが発生していましたが、
ルール②も追加することで約3300年後まで1日のずれを伸ばすことができます。

 

つまりうるう年を決める際にルール②を追加したことで、季節と暦の精度が格段に上がりました

 

 

ちなみにルール①のみが適用された暦のことを”ユリウス暦(1年を365.25日で計算)”と言い、
ルール①にルール②が追加された現在の暦のことを”グレゴリオ暦(1年を365.2425日で計算)”と言います。
(いま現在のカレンダーにはグレゴリオ暦が使われています)

 

 

うるう年のルール①だけ(ユリウス暦)でなくルール②を加えたこと(グレゴリオ暦に変えたこと)で、
ユリウス暦よりも季節と暦のずれをかなり小さくすることができます。

 

完璧にずれがなくなったわけではないので注意してください。

 

4.なぜ1日増えるのは2月なのか?

平年であれば2月は28日が最後ですが、うるう年だと2月は29日が最後になります。

 

ではうるう年で1日増えるのがなぜ2月なのかその理由を見ていきましょう。

 

これは結論から言ってしまうと、当時の暦(古代ローマ)では2月がその年の最後の月であるとされていたからです。

 

いま現在私たちが使っている暦(グレゴリオ暦)のもとになっているのが、
古代ローマで使用されていたユリウス暦という暦です。

 

そのユリウス暦を主な暦として使用していた古代ローマでは、
2月が年の最後の月であるとされていました。

 

 

いま現在では1月から年が始まり12月に終わるというのが常識ですが、
古代ローマでは3月から年が始まり2月がその年の最後の月だとされていました。

 

そして古代ローマでは最後の月である2月にずれを補正する日(閏)を追加していたので、
その名残からいま現在でも2月に閏(うるう)が追加されたままとなっています

 

だからうるう年になると、2月が1日増えて29日までになります。

 

5.2月29日が誕生日の人は4年に1度しか年を取らない?

では2月29日が誕生日の人は4年に1度しか年を取らないのかを見ていきましょう。

 

これについては4年に1度しか年齢が上がらないということはなく、
誕生日が2月29日の人でも普通の人と同じように1年に1歳ずつ上がります

 

「2月29日が誕生日の人はいつ年齢が上がるの?」と、
このように疑問に感じている人も多いと思います。

 

実は年齢に関する法律がしっかりと定められていて、
その法律には”誕生日前日の24時をもって年齢を加算する”とされています

 

なので2月29日が誕生日の人は、
その前日の2月28日の24時で1歳加算されることになるんですね。

 

これによりうるう年ではない年でも2月28日の24時を迎えれば、
2月29日にならなくてもその人は年を取ることになります。

 

 

以上が「うるう年(閏年)とは?4年に1度だけ366日になる仕組みを解説!」でした。

 

 

6.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • うるう年(閏年)とは、季節と暦がずれてしまうことを避けるために設けられている年のこと。
  • うるう年は必ずしも4年に1度あるわけではない(例外もあるということ)。
  • うるう年が2月に設けられているのは、古代ローマでは2月が年の最後の月だったから。
  • 2月29日が誕生日の人でも、2月28日の24時になると1歳年を取る。

 

 

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