このページでは気温30℃は暑いのに、水温30℃は冷たく感じる原理をわかりやすく図で解説しています。

 

 

 

 

結論からいってしまうと気温（空気の温度）30℃は暑いのに水温30℃は冷たく感じるのは、”空気は熱が伝わりにくいため体の熱を逃がしにくく（暑く感じる）、水は熱が伝わりやすいため体の熱が奪われやすい（冷たく感じる）から”です。

 

同じ温度でも物質によって（空気と水のように）熱の伝わりやすさが違うため、触れたときの温度の感じ方が異なります。

 

では気温30℃は暑いのに、水温30℃は冷たく感じる原理について下記の順番で解説していきます。

 

 

1.1 体が熱を受け取ると”熱い”(気温の場合は暑い)、体から熱が奪われると”冷たい”と感じる

 

まず体が熱を受け取ると”熱い”（気温の場合は暑い）と感じ、体から熱が奪われると”冷たい”と感じます。

 

 

人間の体温は平均的に37℃前後を維持しており、これは簡単にいうと37℃前後に相当する熱を持っている、ということになります。

 

 

そして上図のように体温（37℃前後）よりも高い温度のモノに触れると、体へと温度の高い（＝熱を多く持っている）モノから熱が移動する（＝体が熱を受け取る）ため熱いと感じます。

 

反対に体温（37℃前後）よりも低い温度のモノに触れると、体から温度の低いモノへと熱が移動する（＝体から熱が奪われる）ため冷たいと感じます。

 

（熱は必ず温度の高い方から低い方へと移動します）

 

 

1.2 空気と水では熱の伝わりやすさが違い、空気よりも水の方が約25倍も熱が伝わりやすい

 

空気と水では熱の伝わりやすさが違い、空気よりも水の方が約25倍も熱が伝わりやすいです。

 

つまり空気は（水と比べると）熱が伝わりにくく、水は（空気と比べると約25倍も）熱が伝わりやすい、ということです。

 

 

熱の伝わりやすさを空気と水を例にして簡単にいうと、空気の場合は他のモノに触れたときに1の熱しか移動できませんが、水の場合は他のモノに触れたときに（空気より約25倍も熱が伝わりやすいため）25の熱を移動できる（熱を受け取る場合も奪う場合も）、ということになります。

 

 

上図のように空気に触れる場合は（水と比べて熱の移動が少ないため）熱い・冷たいと感じにくくなり、水に触れる場合は（空気と比べて熱の移動が多いため）熱い・冷たいと感じやすくなります。

 

（気温30℃が暑く感じる理由については、次の章で解説しています）

 

なので100℃の空気に触れる場合（サウナ）は（空気の熱が体に伝わりにくいため）我慢できますが、100℃の水（熱湯）に触れる場合は（水の熱が体に伝わりやすいため）我慢できずに熱すぎてすぐに手を離してしまいます。

 

 

 

ちなみに熱の伝わりやすさを物質ごとに数値で表したものを「熱伝導率（ねつでんどうりつ）」といい、”熱伝導率が高いほど熱が伝わりやすい”ことを意味しています。

 

（例えば空気の熱伝導率は”0.0241”で、水の熱伝導率は”0.618（30℃の水の場合）”です）

 

 

1.3 空気は体の熱が逃げにくく(暑い)、水は体の熱が逃げやすい(冷たい)

 

空気は（触れても熱が伝わりにくい物質のため）体の熱が逃げにくいことから気温30℃は暑く感じ、水は（触れると熱が伝わりやすい物質のため）体の熱が逃げやすいことから水温30℃は冷たく感じます。

 

体内では食べ物を消化し、それを体や内臓などを動かすためのエネルギーに変換するときに熱が生産され、その熱の生産が絶えず行われています。

 

 

人間の体温は平均的に37℃前後で、水温30℃の水に触れた場合は（温度が高い方から低い方へと熱は移動するため）体の持っている熱が水へと移動することになります。

 

水は（空気と比べて約25倍）熱が伝わりやすい物質なので、体から熱が逃げていく（奪われていく）ため冷たいと感じます。

 

 

ですが空気は熱が伝わりにくい物質で、体が空気に触れても体にたまっている熱が空気に伝わりにくいので、体の熱が体外へと逃げにくくなる（上図を例にすると体内で熱が10生産されて、体外へと1の熱が放出され、体内に9の熱が残ったままになる）んですね。

 

 

これにより30℃の空気に触れても、体から空気を伝わって逃げていく熱よりも体内で生産される熱の方が多いため、体内で熱がたまっていき気温30℃だと暑いと感じてしまうんですね。

 

なので気温30℃で暑いという場合は、水温30℃の水に触れて冷たいと感じるのとは理由が異なり、”30℃の空気に触れても、体にたまっている熱が（空気を伝わって）体外へとうまく放出できないために暑く感じる”、というのが正しいです。

 

 

以上が「気温30℃は暑いのに、水温30℃は冷たく感じる原理をわかりやすく図で解説！」でした。

 

 

これまで説明したことをまとめますと、

 

 

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