このページでは熱中症とは何か。また、熱中症の仕組み・対策についてわかりやすく図で解説しています。
目次
結論からいってしまうと熱中症とは、”高温環境にさらされ、体の熱を外へとうまく逃がせなくなって体に熱がたまってしまうことで起こる障害の総称”です。
体に熱がたまりすぎる(体温が上がりすぎる)と体の機能を正常に保つことができなくなり、体に様々な症状が発生します。
人間の体温は、体の機能を正常に保つために37℃前後に保たれており、体温が上がりすぎても下がりすぎても体の機能を正常に保つことはできません。
(人間は基礎代謝(生命を維持するために必要な最低限のエネルギー)・筋肉の活動・食事(食べ物を消化・吸収・分解するときに熱が発生)によってエネルギーを消費して体に熱を発生させています)
例えば体温調節のために、暑い(体に熱が多い)ときには汗を出して熱を外へと逃がそうとしたり、寒い(体に熱が少ない)ときには筋肉を震えさせて熱を発生させたりします。
上図のように熱中症には症状ごとに4つの分類があり、症状が軽度の順に「熱失神(めまい、立ちくらみなど)・熱痙攣(ねつけいれん)(筋肉の痛み、手足のしびれや痙攣、手足がつるなど)・熱疲労(全身のだるさ、頭痛、吐き気など)・熱射病(高熱、脱力、全身の痙攣、意識障害など)」に分類されます。
また熱中症は高温多湿(気温・湿度が高い状態)の環境下でなりやすく、次の章でなぜ高温多湿だと熱中症リスクが上がるのかについても触れながら仕組みを解説していきます。
では体に熱がたまって熱中症になる仕組みについて、下の順番で詳しく見ていきましょう。
まず高温環境下にいることで、体に熱がたまっていき、その熱を体の外へと放出するように脳が体に指令を出すことによって汗が出ます。
(次で解説しますが、汗が出る=熱が体の外へと逃げる、というわけではないので注意が必要)
例えば高温環境というと、室内・室外を問わず気温が28℃以上の場合、気温が28℃以上でなくても強い太陽光にさらされている場合や熱を発生させる機械が近くにある場合などが挙げられます。
湿度が高いと汗が出ても蒸発しにくくなるので、それにより汗が接している皮膚表面から(汗が)水蒸気に変化するために必要な熱(=気化熱)が奪われにくく(=体の熱を外へと逃がしにくく)なり、体温が下がりにくくなります。
(湿度が低いほど汗(水)は蒸発しやすくなり、湿度が高いほど汗(水)は蒸発しにくくなります)
”汗が出ること=体温が下がる”というわけではなく、上図のように皮膚表面に汗が出てきて、その汗(水)が蒸発するときに、蒸発して汗から変化した水蒸気が熱を持ったまま体から離れていく(体から熱が奪われる)ため体温は下がっていきます。
汗が蒸発しにくくなると、体の熱を外へと逃がしにくくなるので、体に熱がたまって熱中症になります。
高温多湿の環境下では、気温が高いことで外から熱を受けやすく、湿度が高いことで汗が蒸発しにくくなって体の熱が逃げにくくなり、体に熱がたまりやすくなってしまいます。
湿度が10%下がると体感温度も1℃下がり、反対に湿度が10%上がると体感温度も1℃上がるとされています。
なので単純に「気温が低い=熱中症になりにくい」「気温が高い=熱中症になりやすい」というわけではありません(たとえ気温が25℃でも、湿度が高ければ熱中症になる可能性はあります)。
上図のように気温が高くても湿度が低い場合は、汗が蒸発しやすく、体の熱を外へと逃がしやすいため、熱中症になりにくい(体に熱がたまりにくい)です。
ですが気温が高くて湿度も高い場合は、汗が蒸発しにくく、体の熱を外へと逃がしにくいため、熱中症になりやすい(体に熱がたまりやすい)です。
ちなみに日本の夏は、太平洋で発生した湿った空気が日本に流れ込んでくるため、非常に湿度が高いです(=熱中症リスクが高くなる)。
このように特に高温多湿の環境下だと、より熱中症リスクが高くなってしまいます。
では熱中症の対策について、それぞれ順番に詳しく見ていきましょう。
熱中症の1つ目の対策として、”適度な水分・塩分(塩化ナトリウム)などのミネラル補給をすること”が挙げられます。
汗は約99%が水分、それ以外はナトリウム・カリウムなどのミネラル、乳酸、尿素(にょうそ)で構成されています。
汗を出すことによって体からは水分だけでなく塩分などのミネラルも失われていくため、水分補給だけでは体に塩分などのミネラルが不足してしまいます。
高温環境下での作業や運動でたくさん汗が出る場合の水分補給にはスポーツドリンクや経口補水液、普段の生活での水分補給にはミネラルウォーターや麦茶などがお勧めです。
カフェイン(コーヒー・緑茶・紅茶など)やアルコールには利尿作用があるため、これらを含む飲料は逆に脱水を促進してしまい水分補給には適さないので注意が必要です。
一気に水分補給しても尿として排出されてしまうので、のどが乾いていなくてもこまめな水分補給(運動をしていない時は30分~1時間ごとに100mlずつ飲むのが目安)が大切です。
(のどが乾いたと感じるときには、体はすでに水分不足の状態にあります)
運動時は、運動強度によっても異なりますが、理想は15分~30分ごとに1回200ml~300mlほど飲むのが推奨されています。
例えば、ジョギングなどの軽い運動のときは30分~1時間ごとに合計400ml程度、激しい運動のときは30分~1時間ごとに合計500~1000ml程度飲むのが目安です。
熱中症の2つ目の対策として、”高温環境・直射日光を避けること”が挙げられます。
高温環境下では空気を伝わって熱が体にたまり、直射日光を受けると、その受けた箇所に熱がたまってしまうため、できるだけ避けることが大切です。
高温環境下で作業しなければいけない場合はいつもよりも多く休憩(水分補給を含む)をとったり、できるだけ直射日光が皮膚に当たらないように日陰(ひかげ)で作業したり、日傘(ひがさ)や帽子を用いて直射日光を避けるようにしましょう。
熱中症の3つ目の対策として、”風通しの悪い場所を避けること”が挙げられます。
風通しが悪いと、人や機械などから発生した汗や熱によって、その場所に湿気や熱気がこもるため、熱中症になりやすい環境(高温多湿)になってしまいます。
なので室内であれば窓を開けて空気の流れをつくって湿気や熱気をこもりにくくしたり、屋外であれば風通しの良い場所に移動しましょう。
また風(空気の流れ)に当たることで、空気が体の熱を奪ったり、汗が蒸発しやすくなるため体温が下がりやすくなります。
(一般的には風速が1[m/s]増えるごとに体感温度は1[℃]下がると言われています)
上図のように風に当たることで、流れてきた空気に体の熱が奪われるため、体温が下がります。
風が強いほど、短い時間に皮膚がより多くの空気に当たることになるので、(風が強い方が)体温が奪われやすくなります。
気温が低いほど、空気1つあたりに奪われる皮膚表面の熱が多くなるため、(気温が低い方が)体温が奪われやすくなります。
熱は温度の高い方から低い方へと移動するため、気温(空気の温度)が体温より低ければ体から熱が奪われ(冷たいと感じる)、逆に気温が体温より高ければ体が空気からの熱を受ける(熱いと感じる)ことになります。
そして上図のように風が吹くことによって、体の周りの湿度の高い空気(汗が蒸発して湿度が高くなる)を吹き飛ばして湿度の低い空気が送られてくるため、それにより汗が蒸発しやすくなって(気化熱が奪われることで)体温が下がりやすくなります。
※上はネッククーラーの写真
熱中症の4つ目の対策として、”冷感タオル・ネッククーラーなどを身に着けること”が挙げられます。
熱中症は体に熱がたまることで発生するので、冷感タオル・ネッククーラーなどを身に着けて体を冷やして体の外へと熱を逃がすことで、できるだけ体に熱がたまらないようにします。
また、すでに熱中症の症状があるときは、上図のように応急処置として”首の左右・脇(わき)の下・脚(あし)の付け根の前面”の太い血管が多く集まっている部位に保冷剤・冷えたペットボトル・氷や水を入れた袋などを押し当てるのが効果的です。
熱中症時に首の左右・脇の下・脚の付け根の前面に冷えているものを押し当てるのは、太い血管が多く集まっている部位は血液が多く流れているため、効率よく体の熱を外(血液⇒皮膚⇒冷えている温度の低いもの)へと逃がすことができるからです(冷えた血液は体の内部へと戻る)。
(熱中症の症状があるときにどのような行動をとれば良いのかは、次の章の熱中症時の対応フローチャートを見て判断)
人間は体の熱を外へと逃がすときに汗(気化熱によって逃がす)だけでなく、体の内部の熱を血液にのせて体の外へと熱を逃がそうとするため、それにより皮膚(体の表面)の血流(血管内の血液の流れ)が増えます。
(暑いときに顔が赤くなるのは、体の内部の熱を体の外へと逃がそうと血流が増えるからです)
これまで説明したことをまとめますと、
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
哀悼、重複、出生、集荷など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど
(写真あり)メンマ、かんぴょう、マシュマロなど
(地図あり)軍艦島、淡路島、屋久島など
<豆知識>
(写真あり)カレーの容器、視力検査の器具など
<名前は知っているけどわからないもの>
(写真あり)アヒージョ、マリトッツォなど
(写真あり)磯(いそ)、沿道、郊外など
(写真あり)うなじ、くるぶし、土踏まずなど
<よく使う言葉>
慣習的、致命的、便宜的、作為的など
互換性、慢性、普遍性、必然性など
蛙化、明文化、マンネリ化、擬人化など