このページではアルコール消毒が冷たく感じる理由をわかりやすく図で解説しています。
目次
結論からいってしまうとアルコール消毒が冷たく感じる理由は、”エタノール(アルコールの一種)は水よりも早く蒸発するため、より短い時間で皮膚表面から多くの熱(気化熱)を奪っていくから”です。
アルコール消毒が冷たく感じる原理自体は汗によって体が冷える原理と同じ(体から気化熱が奪われることによるもの)です。
一般的にアルコール(アルコール類の総称)というと、エタノールのことを指し、アルコール消毒に用いられているアルコールもエタノール(エタノールが70%~80%ほど含まれているものが多い)のことを指しています。
(エタノールはアルコール類の中では唯一飲んでも害が少なく(飲みすぎるのは毒)、お酒に含まれているアルコールもエタノールのことを指します)
ではアルコール消毒が冷たく感じる原理(水よりも冷たく感じる理由も含めて)を下の順番で解説していきます。
液体(エタノールや水も液体)は蒸発するときに、接しているモノから熱(気化熱)を奪っていきます。
水(液体)は100℃で沸騰(液体の内部から気体に変化)しますが、100℃に達していなくても蒸発(液体の表面から気体に変化)はしています。
例えば雨が降った後の水たまりや食器に付いた水滴は、時間が経つといつの間にか乾いてなくなっていますが、これは水が蒸発して気体(水蒸気)に変化したからです。
この蒸発して水蒸気に変化するときに、水が接していたモノから熱(気化熱)を奪っていくため、接しているモノの温度(汗はほとんどが水分なので、汗の場合なら皮膚表面の温度)は下がります。
(気化熱によって熱が奪われる仕組みは、下記の記事で詳しく解説しています)
エタノールは水よりも蒸発しやすく、短い時間で皮膚表面から多くの熱が奪っていくため、アルコール消毒をするとすぐにスースーと冷たく感じます。
1気圧下におけるエタノールの沸点(沸騰するときの温度)は約78℃で、水の沸点は約100℃なので、水と比べてエタノールの方が蒸発しやすい(沸点が低い物質ほど蒸発しやすい)です。
ただ同じ質量[g、kg]のエタノール(液体)と水をそれぞれ蒸発させた場合には、水の方がエタノールより約3倍も接しているモノから多くの熱を奪います。
(気化熱(蒸発熱)の単位は[kJ/kg](キロジュール毎キログラム)で、エタノールの気化熱=838[kJ/kg]、水の気化熱=2257[kJ/kg])
つまり上図のように”1[kg]のエタノール(液体)を気体に変化させるときに必要な熱量は838[kJ]”で、1[kg]の水を気体に変化させるときに必要な熱量は2257[kJ](エタノールの約3倍)”ということです。
(エタノールよりも水の方が密度(一定の体積あたりの質量)が大きいので、それぞれ1[kg]ずつ集めるとエタノールの方が水よりも体積は約1.27倍大きくなります)
ですが水よりもエタノールの方が蒸発しやすいため、より短い時間で蒸発するときに皮膚表面から多くの熱を奪っていき、気体に変化したエタノールがその奪った熱を持って空気中へと出ていってしまいます。
このように同じ質量なら水の方がエタノールより約3倍も奪う熱(気化熱)の量が多いですが、上図のように短い時間で見れば蒸発しやすい分エタノールの方が水よりも皮膚表面から多くの熱を奪っていくため、アルコール消毒をするとその直後にスースーと冷たく感じる、というわけです。
(エタノールと水は比熱の大きさが違うため、同じ温度でもそれぞれの持っている熱の量は異なり、同じ温度なら水の方が約1.7倍も多くの熱を保有することができます)
以上が「アルコール消毒が冷たく感じる理由をわかりやすく図で解説!」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
哀悼、重複、出生、集荷など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど
(写真あり)メンマ、かんぴょう、マシュマロなど
(地図あり)軍艦島、淡路島、屋久島など
≪名前は知っているけどわからないもの≫
(写真あり)アヒージョ、マリトッツォなど
(写真あり)磯(いそ)、沿道、郊外など
(写真あり)うなじ、くるぶし、土踏まずなど
<豆知識>
(写真あり)カレーの容器、視力検査の器具など