このページでは断熱膨張と断熱圧縮とは何か?。また断熱膨張と断熱圧縮によって温度変化する原理を簡単に解説しています。
目次
断熱膨張(だんねつぼうちょう)とは、
外部から熱の出入りがない状態で物体の体積が大きくなる現象のことです。
次に断熱圧縮(だんねつあっしゅく)とは、
外部から熱の出入りがない状態で物体の体積が小さくなる現象のことです。
熱を断った状態で物体が膨張・圧縮をすることから、断熱膨張・断熱圧縮と言われるんですね。
そして断熱膨張が起こると物体の温度が下がり、断熱圧縮が起こると物体の温度が上がります。
(断熱膨張と断熱圧縮によって温度が変化する原理については後ほど解説します。)
ちなみに暖めたり冷やしたりした場合にも物体の体積は変化しますが、
その場合は外部から熱の出入りがあるため断熱膨張や断熱圧縮とは言いません。
また断熱膨張や断熱圧縮という言葉が使われるのは、
その多くが液体や固体ではなく気体に対して使われます。
しかしそれは断熱膨張や断熱圧縮が気体だけに起こる現象ということではなく、
これらの現象によって液体や固体よりも気体の方が体積変化が大きいからです。
なのでこれらの現象は体積変化に程度の差こそあれ、
その物体の状態(気体・液体・固体)に関係なく起こるということは覚えておきましょう。
では次の章でどんなときに断熱膨張が起こるのか解説しますね。
断熱膨張は固体・液体・気体に関係なく起こりますが、
ここでは気体である空気に断熱膨張が起こる場合を見ていきましょう。
断熱膨張が起こるのは以下のようなときです。
ではそれぞれについて解説していきますね。
まずは空気の入ったピストンを引いたときに断熱膨張は起こります。
※ピストン内には外部から空気が入らないようにします。
上図のようにピストンを引いたことで、
ピストン内に存在していた空気の体積が大きくなるのが分かりますよね。
ピストンには外部から空気が入らないようになっているため、
空気の量は同じなので空気自体が膨張(体積が大きくなる)したことになります。
このときにピストン内に存在する空気の温度は下がります。
空気が気圧の高い場所から低い場所に移動したときにも断熱膨張は起こります。
簡単に言えば地上付近に存在していた空気が、高度の高いところに移動したときです。
地上付近は気圧が高いですが、高度が高くなれば気圧は低くなります。
気圧の高い低いというのはその場所に存在している空気の量に左右されるので、
空気が多い地上では気圧が高く、空気の少ない上空では気圧が低くなります。
なぜ気圧の高低が存在している空気の量に左右されるのかは、
下図のようなものだとイメージしていただければ分かりやすいです。
存在する空気の量が多ければぎゅうぎゅうに詰まり、
空気の量が少なければそれぞれの間隔に少し余裕が生まれます。
だから存在する空気の量によって気圧の大きさが左右されるということです。
これが理解できればなぜ空気が気圧の高い場所(地上付近)から、
気圧の低い場所(上空)に移動することで断熱膨張が起こるか分かるはずです。
つまりはぎゅうぎゅうに空気が詰っている場所から、
空気同士の間隔に余裕がある場所に移動したから膨張したんですね。
気圧の低い場所(空気が少ない場所)に空気が移動したことで、
他の空気によってその空気を外から押す力が弱くなったので体積は大きくなります。
なおピストンと同様で空気の温度は下がります。
基本的には断熱膨張が起こるときと反対のことをイメージしてください。
ですので断熱圧縮が起こるのは以下のようなときです。
ではそれぞれについて解説します。
断熱膨張のときは空気の入ったピストンを引きましたが、
断熱圧縮のときはそのピストンを押します。
ピストンを押すとピストン内の空気の体積が小さくなっているのが分かりますよね。
ピストンには外部から空気が入らないようになっているため、
空気の量は同じなので空気自体が圧縮(体積が小さくなる)したことになります。
このときにピストン内に存在する空気の温度は上がります。
空気が気圧の低い場所から高い場所に移動すれば、
断熱圧縮が起こるためその空気の体積は小さくなります。
先ほど空気の量と気圧について解説したのでここでは詳しく解説しませんが、
断熱膨張のときと反対の移動をすれば良いわけです。
空気を気圧の低い場所(上空)から気圧の高い場所(地上付近)に移動させると、
その空気に対して他の空気からかかる圧力というのは大きくなりますよね。
上図のように気圧の高い場所に空気を移動させると、
周囲の空気の量が多くなるのでかかる気圧も大きくなります。
なのでその周囲からかかる気圧が大きくなることで他の空気から押されて、
熱の出入りがない状態で空気の体積が小さくなるというわけです。
なおピストンと同様で空気の温度は上がります。
断熱膨張や断熱圧縮という現象が起こることで、
空気の体積が変化するだけでなく温度も変化します。
まず空気だけに限らず物体の温度が変化するのはなぜか?
その原理から見ていきましょう。
私たちの肉眼では捉えることはできませんが、
物体というのは必ず何かしらの小さな原子・分子から構成されています。
液体の水も小さな粒である水分子から構成されていて、
気体である空気も空気分子という粒が集まることでできています。
そして温度というのは、その物体を構成している原子や分子の運動が大きく関係しているんですね。
簡単に言えば、原子・分子の動きが激しければ物体の温度が高くなり、
原子・分子の動きが穏やかであれば物体の温度は低くなります。
ですが断熱膨張や断熱圧縮については少し考え方が違います。
断熱膨張や断熱圧縮が起こることで温度が変化してしまう理由は、
物体の体積が変化することによって、体積あたりに存在する熱量が変わってしまうからです。
これらの現象が起こっても分子の動き自体は変わりませんが、
物体の体積が大きくなればその分だけ熱が分散され、小さくなれば熱は集まりますよね。
このように断熱膨張や断熱圧縮の場合では、
体積あたりに存在する熱量が変わるので温度が変化します。
その物体が持っている熱量自体が同じなのだとしたら
体積が小さい方が温度は上がり、体積が大きい方が温度は下がります。
またこれについて分子の観点から見ていきましょう。
物体の持っている熱というのは、物体を構成している分子の運動そのものです。
なので例えばAの物体とBの物体の温度が同じなのであれば、
その物体同士の体積当たりに働く分子の運動の大きさが同じだということです。
これが物体の持っている熱.....つまり温度の正体なんですね。
では以上のことを踏まえて断熱膨張と断熱圧縮の場合において、
空気の温度が変化する原理についてそれぞれ解説していきますね。
断熱膨張によって温度が下がる原理を見ていきましょう。
空気に断熱膨張が起こることで、
周囲から押される力が弱くなるので空気の体積は大きく(膨張)なります。
このときに外部から熱の出入りがない状態で体積が大きくなり、
空気が持つ体積当たりの熱量が小さくなるため温度は下がります。
これを空気を構成している空気分子の運動という観点から見てみましょう。
空気分子の運動の大きさ(分子の動きの激しさ)は変わりませんが、
体積が変化することで体積当たりに空気分子がする運動量が少なくなりますよね。
これによって断熱膨張が起こると空気の温度が下がってしまいます。
断熱圧縮によって温度が上がる原理を見ていきましょう。
空気に断熱圧縮が起こることで、
周囲から押される力が強くなるので空気の体積は小さく(圧縮)なります。
このときに外部から熱の出入りがない状態で体積が小さくなり、
空気が持つ体積当たりの熱量が大きくなるため温度は上がります。
断熱膨張と同様に空気分子の運動という観点からも見ていきましょう。
断熱圧縮についても空気分子の運動の大きさ自体に変化はありませんが、
空気の体積が変化することで体積当たりに空気分子がする運動量が多くなります。
だから断熱圧縮が起こると空気の温度が上がるというわけです。
関連:熱と温度の違いとは?
以上が「断熱膨張とは?また断熱圧縮とは?どんな原理で温度変化するのか?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
哀悼、重複、出生、集荷など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど
(写真あり)メンマ、かんぴょう、マシュマロなど
(地図あり)軍艦島、淡路島、屋久島など
≪名前は知っているけどわからないもの≫
(写真あり)アヒージョ、マリトッツォなど
(写真あり)磯(いそ)、沿道、郊外など
(写真あり)うなじ、くるぶし、土踏まずなど
<豆知識>
(写真あり)カレーの容器、視力検査の器具など