結論からいってしまうと午後2時(14時)の気温が最も高くなる理由は、
”太陽光は空気をほとんど温めることなく通過し、通過した太陽光は地面に吸収されることで地面を温め、その地面の熱によって(地面と接している)空気が温められるまでに時間がかかるから”です。
(日射量(地表面が受け取る太陽光のエネルギー)自体は、太陽が最も高い地点に昇る正午(昼の12時)ごろが1日の中で最も大きいです)
では午後2時の気温が最も高くなる原理について、下の順番で詳しく見ていきましょう。
- 1.1 太陽光は空気をほとんど温めることなく通過し、その太陽光は地面に吸収される
- 1.2 地面を構成する原子・分子の動きは、太陽光(主に赤外線)を吸収することで速くなる(地面の温度が上がる)
- 1.3 地面を構成する原子・分子の動きが、地面と接している空気分子に伝わることで空気の温度(気温)が上がる
1.1 太陽光は空気をほとんど温めることなく通過し、その太陽光は地面に吸収される
太陽光は空気をほとんど温めることなく通過し、その太陽光は地面に吸収されます。
太陽光は主に可視光線・赤外線・紫外線などの電磁波から構成されていて、その中でも赤外線は”物質が吸収することによってその物質を温める作用を持つ電磁波”になります。
ただ
赤外線は、空気のほとんどを構成している窒素や酸素には吸収されないため、赤外線は空気を通過して地面に吸収されます。
空気のほとんどは窒素・酸素によって構成されますが、その他にも二酸化炭素や水蒸気などの気体もわずかに含まれており、赤外線は二酸化炭素や水蒸気などには吸収されます。
なので空気中にわずかに含まれる二酸化炭素や水蒸気などには赤外線は吸収されるため、空気の温度は太陽光によってわずかに上がります。
1.2 地面を構成する原子・分子の動きは、太陽光(主に赤外線)を吸収することで速くなる(地面の温度が上がる)
地面を構成する原子・分子の動きは、太陽光(主に赤外線)を吸収することで速くなります(地面の温度が上がる)。
世の中の物質は原子・分子と呼ばれる小さな粒子から構成されていて、その物質を構成している原子・分子の動きが速いほどその物質の温度は高くなります。
赤外線は物質に吸収されると、その物質を構成している原子・分子にエネルギーを与えて動きを速くさせる作用(その物質の温度を上げさせる作用)があります。
上図のように地面に吸収された赤外線は、地面を構成している原子・分子にエネルギーを与えることで動きを速くさせるので地面の温度が上がります。
1.3 地面を構成する原子・分子の動きが、地面と接している空気分子に伝わることで空気の温度が上がる
地面を構成する原子・分子の動きが、地面と接している空気分子に伝わることで、空気分子の動きが速くなるため空気の温度(気温)が上がります。
上図のように地面を構成する原子・分子の動きが、地面と接している空気分子にぶつかって伝わることで、その空気の温度が上がります。
(上のように物質を構成する原子・分子の動きが、他の物質の原子・分子にぶつかることによる熱の伝わり方を”伝導”や”熱伝導”と言います)
空気の温度が上がると、その空気は体積が大きくなって他の空気よりも軽くなる(密度が小さくなる)ため上昇していきます。
そして
上昇した空気の代わりに、その上部に存在していた温度の低い(密度の大きい重い)空気が下降してきて、同じように地面によって温められ、それを繰り返していくことで地表付近の気温は上がっていきます。
(気温は、”地上1.5mの高さの風通しの良い日陰(一般的には百葉箱の中)で計った空気の温度”を指します)
このように(太陽光で直接空気はほとんど温められず)地面に太陽光が吸収されてから地面に接している空気が温められていくため、日射量が最も多い正午ではなく、少し時間の経過した午後2時(14時)頃に気温が最も高くなる、というわけです。
以上が「なぜ気温は午後2時(14時)が最も高くなるのかをわかりやすく図で解説!」でした。