1.「政府の借金は国民の資産」の意味


結論からいってしまうと「政府の借金は国民の資産」の意味は、”政府が国債を発行して資金を集める(=借金をする)と、その集めた資金は公共事業費・社会保障費などの不足分に充てられ、最終的には政府が国債を発行して借りた資金のほとんどが国民に支払われる(=国民の資産になる)こと”を指します。


「政府の借金は国民の資産」は、他の表現(意味は同じ)だと「政府の赤字はみんな(国民)の黒字」と言われたりもします。



基本的に国(=政府)の歳出(公共事業費・社会保障費など)は、税収を主な財源としており、税収で足りなかった不足分を新たに国債を発行して(=お金を借りて)補っています



国(=政府)が国債を発行すると、主に民間銀行などの金融機関がその国債を買い取る(=民間銀行が政府にお金を貸す)ことで、政府は資金を調達することができます(国債は買い取った金融機関が保有)。


そしてその資金が公共事業費・社会保障費などの不足分に充てられ、各費用が企業・病院などに支払われます(=国民の資産になる)。


(国債というのは”国(=政府)がお金を借りる際に発行する借用書”なので、「政府が国債を売る=政府がお金を借りる=政府の借金になる」ということ)


では次の章で政府が公共事業の資金を集めるために借金(=国債を発行)をして、それが国民の資産になるまでの流れを解説していきます。



2.政府が借金(=国債を発行)をして、それが国民の資産になるまでの流れ

では政府が公共事業の資金を集めるために借金(=国債を発行)をして、それが国民の資産になるまでの流れを下の順番で解説していきます。

  • 2.1 政府が必要な資金分の国債を発行し、その国債を民間銀行に買い取ってもらう(=政府が借金をする)
  • 2.2 企業に仕事(公共事業)をしてもらい、仕事が完了すると、政府がその企業の預金口座を持つ民間銀行に支払い指示をする(=国民の資産になる)
  • 2.3 政府の日銀当座預金から民間銀行の日銀当座預金へと企業に振込した金額分が移動する(決済完了)



2.1 政府が必要な資金分の国債を発行し、その国債を民間銀行に買い取ってもらう(=政府が借金をする)


まず政府は公共事業を行うのに必要な資金を調達するために、国債を新たに5兆円分発行し、その国債(5兆円分)を民間銀行などの金融機関に5兆円で買い取ってもらいます


「政府が5兆円分の国債を民間銀行に売った=政府が民間銀行から5兆円を借りた(民間銀行に5兆円の借金をした)」、ということを意味しています。



そうすると上図のように日本銀行内に開設してある民間銀行の日銀当座預金(預金口座)から、政府の日銀当座預金に5兆円が移動します。


(日本の中央銀行である日本銀行は、民間銀行などの金融機関や政府の預金口座を持っていることから「銀行の銀行」や「政府の銀行」とも呼ばれています)



ちなみに上のような民間銀行と政府の当座預金間でのお金の移動は、実際に現金が移動しているわけではなく、日本銀行が口座情報をキーボードで打ち込んで変更しているだけです。



2.2 企業に仕事(公共事業)をしてもらい、仕事が完了すると、政府がその企業の預金口座を持つ民間銀行に支払い指示をする(=国民の資産になる)


企業に仕事(公共事業)をしてもらい、仕事が完了すると、政府がその企業の預金口座を持つ民間銀行に支払い指示をします(=国民の資産になる)


(日銀当座預金同士でしかお金のやり取りはできないため、この場合は政府の日銀当座預金から日銀当座預金を持っていない企業への振込はできません)



上図のように政府は、企業の預金口座を持っている民間銀行に支払い指示をし、民間銀行は仕事を完了した企業の預金口座に5兆円を振り込みます。


これにより「公共事業を請け負った企業の預金が5兆円増える=国民の資産が5兆円増える」、ということが分かります。


(ただし、この時点ではまだ民間銀行は5兆円の支払い損をしているので、次の章で政府と民間銀行の日銀当座預金間におけるお金の動きも含めて決済までを解説)



また、民間銀行によって企業の預金が5兆円増えていますが、これは「信用創造(しんようそうぞう)」と呼ばれる仕組みになります。



2.3 政府の日銀当座預金から民間銀行の日銀当座預金へと企業に振込した金額分が移動する(決済完了)


民間銀行の日銀当座預金は、企業に5兆円を振り込みしたことで(預金は、民間銀行にとっての負債なので)その金額分だけ少なくなるため、政府にその金額分(5兆円)の支払いを求めます。


(民間銀行が信用創造によって企業の預金を増やしただけなので、民間銀行の日銀当座預金から企業の預金口座へと直接振り込みしているわけではない)



そして上図のように、政府の日銀当座預金から各民間銀行の日銀当座預金へと減った金額分(5兆円)のお金が移動して決済は完了します。



このように最終的には「政府に5兆円の借金、企業に5兆円の預金(資産)」(国債を購入した民間銀行は5兆円分の国債を保有)となるので、政府が借金をすると国民の資産が増える、ということが分かります。



以上が「”政府の借金は国民の資産”の意味をわかりやすく図で解説!」でした。



3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 「政府の借金は国民の資産」の意味は、”政府が国債を発行して資金を集める(=政府が借金をする)と、その集めた資金は公共事業費・社会保障費などの不足分に充てられ、最終的には政府が国債を発行して借りた資金のほとんどが国民に支払われる(=国民の資産になる)こと”。
  • 国債というのは”国(=政府)がお金を借りる際に発行する借用書”なので、「政府が国債を売る=政府がお金を借りる=政府の借金になる」ということ。



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