キログラム重(重量キログラム)とは?ニュートンやキログラムとの違いをわかりやすく解説!

キログラム重(重量キログラム)とは?ニュートンやキログラムとの違いをわかりやすく解説!

1.キログラム重(重量キログラム)とは

結論から言ってしまうとキログラム重(重量キログラム)とは、”重力単位系(工学単位系)における力の単位”です。


正式名称は「重量キログラム」で、別名である「キログラム重」の方を用いることが多いですが、いま現在「キログラム重(重量キログラム)」はほとんど使われていません。


(重力単位系(工学単位系)とは”長さ[m]、重量(力)[kgf]、時間[s]を基本単位とする単位系”で、これらの基本単位を組み合わせることで他の単位も表される)



上図のように「1[kgf]=1[kg]の質量を持つ物体が標準重力加速度下で受ける重力の大きさ」と定義され、これをわかりやすく言い換えると「1[kgf]=地球上における質量1[kg]の物体の重さ(重量)」(重さも力の一種)になります。


(単位記号はよく使われる順に[kgf]、[kg重]、[kgw](意味はどれも同じ)で表され、読み方はどの単位記号も「キログラム重(じゅう)」と読まれることが多い)



重力加速度というのは”重力の大きさを数値で表したもの”ですが、同じ地球上でも場所によって重力の大きさはわずかに異なってしまう(つまり重力加速度もわずかに異なってしまう)ため、国際的な基準として「地球の標準重力加速度=9.80665[m/s²]」と定められています。


(キログラム重を他の力の単位に変換する際に「地球の標準重力加速度=9.80665[m/s²]」が必要となり、重力加速度を用いた計算例は後の章で解説)



2.「キログラム重(重量キログラム)」と「ニュートン」の違い

「キログラム重(重量キログラム)」と「ニュートン」の違いは、”重力単位系における力の単位(=キログラム重)”なのか、”国際単位系(略称:SI)における力の単位(=ニュートン)”なのかです。


(国際単位系(SI)とは”長さ[m]、質量[kg]、時間[s]、電流[A]、熱力学温度[K]、物質量[mol]、光度[cd]を基本単位とする単位系”で、これらの基本単位を組み合わせることで他の単位も表される)



「ニュートン」(単位記号は[N])は”国際単位系における力の単位”で、国際単位系の基本単位である[kg]と[m]と[s]を組み合わせることで「力の単位」([kg・m/s²]=[N])として表されます(このような基本単位を組み合わせた単位のことを「組立単位」という)。



当時は地域ごとに長さや重さにバラバラの単位が使われており、他国との取引や共同研究などで不便だったことから、世界中で単位を統一する目的で「国際単位系(SI)」が作られました。


(いま現在使われている単位の多くは国際単位系で定められている単位(=世界共通の単位)ということ)


なので重力単位系の力の単位である「キログラム重(重量キログラム)[kgf]」はいま現在ではほとんど使われておらず、国際単位系の力の単位である「ニュートン[N]」が主に用いられます。


3.「キログラム重(重量キログラム)」と「キログラム」の違い

「キログラム重(重量キログラム)」と「キログラム」の違いは、”重力単位系における力の単位(=キログラム重)”なのか、”国際単位系(SI)における質量の単位(=キログラム)”なのかです。


「キログラム重[kgf]」と「キログラム[kg]」は力(重量)の単位と質量の単位で、(長さ[m]と時間[s]、質量[kg]と電流[A]のように)全く異なる単位同士なので比べることはできません。


4.「キログラム重[kgf]⇒ニュートン[N]」への変換はできるが、「キログラム重[kgf]⇒キログラム[kg]」への変換はできない

「キログラム重[kgf](力)⇒ニュートン[N](力)」への変換はできますが、「キログラム重[kgf](力)⇒キログラム[kg](質量)」への変換はできません。


(長さ1[m]は質量何[kg]なのかに変換できないように、キログラム重[kgf]とキログラム[kg]も全く異なる単位同士なので、それぞれ単位変換はできない)


「キログラム重[kgf]」と「ニュートン[N]」は(単位系は違っても)どちらも同じ力の単位なので、「キログラム重[kgf](力)⇒ニュートン[N](力)」(またはその逆)への単位変換が可能です。



まず「1[N]=1[kg]の質量を持つ物体に1[m/s²]の加速度を生じさせる力」と定義されており、「力[N]=質量[kg]×加速度[m/s²]」で求めることができます(つまり1[N]の定義の場合、1[kg]×1[m/s²]=1[N])。



上図のように定義の加速度の部分(1[m/s²])を「地球の標準重力加速度=9.80665[m/s²]」に変えることで、(重さも力の一種なので)地球における質量1[kg]の物体の重さ[N]を求めることができます(つまり1[kg]×9.80665[m/s²]=9.80665[N])。


(言い換えると、手のひらに1[kg]の物体をのせたときに、手のひらにかかる力の大きさが9.80665[N]ということ)



「1[kgf]=地球上における質量1[kg]の物体の重さ(重量)[N]」なので、「1[kgf]=1[kg]×9.80665[m/s²]=9.80665[kg・m/s²]=9.80665[N]」となり、「1[kgf]≒9.8[N]」(キログラム重[kgf]⇒ニュートン[N]への単位変換)ということが分かります。



そして「1[kgf]=9.80665[N]」なので、両辺に1/9.80665を掛けて1[N]の形に直すと「1[N]=0.101971...[kgf]」となり、「1[N]≒0.102[kgf]」(ニュートン[N]への単位変換⇒キログラム重[kgf])ということも分かります。


このように考えることで「キログラム重[kgf]⇒ニュートン[N]」(またはその逆)への単位変換ができるようになります。


以上が「キログラム重(重量キログラム)とは?ニュートンやキログラムとの違いをわかりやすく解説!」でした。



5.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • キログラム重(重量キログラム)とは、”重力単位系(工学単位系)における力の単位”。
  • 単位記号は[kgf]、[kg重]、[kgw]が用いられ、どれも「キログラム重(じゅう)」と読まれることが多い。
  • 「1[kgf]=地球上における質量1[kg]の物体の重さ(重量)」(重さも力の一種)。
  • 重力単位系の力の単位である「キログラム重(重量キログラム)[kgf]」はいま現在ではほとんど使われておらず、国際単位系の力の単位である「ニュートン[N]」が主に用いられる。
  • 「1[kgf]≒9.8[N]」(キログラム重[kgf]⇒ニュートン[N]への単位変換)、「1[N]≒0.102[kgf]」(ニュートン[N]への単位変換⇒キログラム重[kgf])。
  • 「キログラム重」は”重力単位系における力の単位”、「キログラム」は”国際単位系における質量の単位”で、全く異なる単位同士なので単位変換はできない。



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