このページでは酸化と腐るの違い。また酸化した食品は食べたらダメなのかを簡単に解説しています。

 

 

 

1.酸化と腐るの違いとは?

結論からいってしまうと酸化と腐るの違いは、”酸素が原因によるもの(酸化)なのか、細菌などの微生物が原因によるもの(腐る)なのか”です。

 

 

酸化は”酸素と他の物質が化学反応を起こして、別の物質が作られる現象のこと”で、腐るは”細菌・カビなどの微生物が成長・増殖する過程で、不快・有毒な物質が作られる現象のこと”になります。

 

 

では酸化と腐る、それぞれについて解説していきます。

 

 

酸化について

 

 

酸化というのは、”酸素と他の物質が化学反応を起こして、別の物質が作られる現象のこと”です。

 

空気の成分には酸素がいくらか含まれているため、空気に触れることで酸化という現象は起こります。

 

 

例えばリンゴの切り口は、リンゴに含まれるポリフェノールと空気中の酸素が化学反応を起こすことで、茶色い色素が生み出されることで変色します。

 

 

レタスの切り口や芯(しん)が赤紫色や茶色に変化するのも同じで、レタスに含まれているポリフェノールと空気中の酸素が化学反応を起こすことで、色素が生み出されるため変色してしまいます。

 

(他にもキャベツやナスなど、色々な食べ物が酸化によって変色します)

 

 

また食べ物以外の例でいうと、鉄に錆(さび)が発生するのも酸化によるものです。

 

 

厳密にいえば、鉄の酸化には酸素だけでなく水分も必要になり、鉄製品を湿気(しっけ)の少ない場所に保管したりするのはこのためです。

 

鉄の表面に酸素・水分が付着することで化学反応が起き、一般的に錆(さび)と呼ばれる赤茶色・茶色の物質(酸化鉄)が生成されます。

 

 

腐るについて

 

 

腐るというのは、”細菌・カビなどの微生物が成長・増殖する過程で、不快・有毒な物質が作られる現象のこと”です。

 

食べ物が腐ると嫌な臭いがしたり、ネバネバと糸を引いたりするのは、細菌・カビなどが成長・増殖するときに生成される物質が原因です。

 

 

細菌・カビなどの微生物は空気中にも浮遊しており、食べ物に付着して、その食べ物の表面の栄養と水分を利用することで成長し、増殖していきます。

 

細菌・カビなどの微生物が増殖しやすくなる条件として”栄養・水分・温度”が重要で、
食べ物は乾燥しているものでなければそのほとんどが栄養と水分の条件を満たしています。

 

 

細菌・カビも生物(微生物)なので、人間と同様に寒すぎたり暑すぎたりすると動きが鈍(にぶ)くなったり死滅したりします。

 

 

上図のように細菌・カビにも活動(成長・増殖)しやすい温度が存在し、細菌は20℃~40℃(35℃~40℃付近が最も活動しやすい温度)、カビは5℃~40℃(20℃~30℃付近が最も活動しやすい温度)が活動(成長・増殖)しやすくなるとされています。

 

なので冷蔵庫・冷凍庫で食べ物を冷やすことによって、食べ物に付着した微生物の動きを鈍らせて成長・増殖する速度を遅らせているというわけです。

 

2.酸化した食品は食べたらダメなのか?


※上は酸化したリンゴ(左)と酸化していないリンゴ(右)の写真

 

結論からいってしまうと食品が酸化したときに食べられるかどうかは、”酸化によってその食品が有害な物質を作るのかどうかによります”

 

リンゴやレタス、キャベツなどは酸化して変色しただけであれば、食べても特に問題はありません。

 

 

ですが油の場合は、油に含まれる脂質が酸化することで「過酸化脂質(かさんかししつ)」と呼ばれる毒性の強い物質を生成するため、酸化した油を用いた揚げ物などは食べない方が良いでしょう。

 

過酸化脂質を多く摂取すると短期的には下痢・腹痛・嘔吐(おうと)、長期的には動脈硬化や脳卒中、細胞を傷つけてがんを引き起こしたりするとも言われています。

 

 

油の酸化は、酸素に触れるだけでなく、高温で加熱を続けたり日光に当たったり、油の中に不純物が混ざることなどによっても促進されます。

 

油の酸化が進行すると、油の色が濃くなったり粘り気が出てきたり、嫌な臭いがしたりと変化していくので覚えておきましょう。

 

 

 

また酸化した食品を食べても食中毒にならないわけではないですが、一般的に食中毒として問題になることが多いのは細菌などの微生物が付着した食品を食べた場合が多いです。

 

 

ただ食中毒になるかどうかはその食品が腐っているかどうかではなく、その食品に”食中毒を引き起こす細菌・ウイルスなど(サルモネラ菌・ボツリヌス菌・ノロウイルスなど)が含まれているかどうか”です。

 

その食品に細菌・ウイルスなどが含まれていたとしても、食べる人次第(免疫力が強い人・弱い人)で食中毒のかかりやすさや症状の重さも異なるため注意が必要です。

 

 

以上が「酸化と腐るの違いとは?酸化した食品は食べたらダメなの?」でした。

 

 

3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 酸化と腐るの違いは、”酸素が原因によるもの(酸化)なのか、細菌などの微生物が原因によるもの(腐る)なのか”。
  • 酸化は、”酸素と他の物質が化学反応を起こして、別の物質が作られる現象のこと”。
  • 腐るは、”細菌・カビなどの微生物が成長・増殖する過程で、不快・有毒な物質が作られる現象のこと”。
  • 酸化したリンゴ・レタス・キャベツなどは食べても良いが、酸化した油(過酸化脂質と呼ばれる毒性のある物質が生成される)を用いた揚げ物などは食べない方が良い。

 

 

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