結論から言ってしまうと、菖蒲の節句の正しい読み方は「あやめのせっく」「しょうぶのせっく」の両方になります。
菖蒲の”菖”は「しょう」、”蒲”は「ぶ」と読むことができます。
ただ一般的には菖蒲の節句は「しょうぶのせっく」と読むことが多いです。
また菖蒲を「あやめ」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「菖蒲(あやめ)」に用いられている”菖”は単体で「あや」と読むことはできず、”蒲”も単体では「め」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で菖蒲の節句の意味について解説していきます。
※上は鯉のぼり(こいのぼり)の写真
菖蒲の節句は「端午(たんご)の節句の別名のこと」の意味として用いられています。
端午の節句(季節の節目となる行事または日)は5月5日に行われ、”男の子の健やかな成長を祝う行事”になります。
鯉のぼり(こいのぼり)や五月人形(ごがつにんぎょう)を飾ったり、菖蒲湯(しょうぶゆ)に入ったり、粽(ちまき)や柏餅(かしわもち)を食べるという風習があります。
※上は五月人形(ごがつにんぎょう)の写真
※上は菖蒲湯(しょうぶゆ)の写真
※上は粽(ちまき)の写真
※上は柏餅(かしわもち)の写真
ちなみに5月5日は「こどもの日」(国民の祝日)ですが、「端午の節句」は”男の子”のお祝いの日、「こどもの日」は”こども(男の子と女の子)”のお祝いの日なので覚えておきましょう。
また端午の節句が別名で”菖蒲の節句(あやめのせっく、しょうぶのせっく)”と呼ばれるのは、
厄払い(やくばらい)として香りの強い菖蒲(ショウブ)の根や葉を使っていたことに由来しています。
もともと節句というのは旧暦に合わせて作られており、旧暦5月(現在の暦だと5月下旬~7月上旬あたり)は病気や災厄が増えることから、菖蒲(ショウブ)の強い香りが邪気払いになると考えられていたため厄除け(やくよけ)として使用され、別名で菖蒲の節句と呼ばれるようになりました。
菖蒲は「あやめ」「しょうぶ」のどちらでも読むことができ、菖蒲を「あやめ」と読むと”ショウブ(ショウブ①の意味)の古名”の意味もある(「あやめ」と読むと、一般的には別の植物である①の意味で使われることが多い)ため注意が必要です。
以上が「菖蒲の節句の読み方と意味、”あやめ”と”しょうぶ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど