1.乾いた空気よりも湿った空気の方が軽い理由

 

結論からいってしまうと乾いた空気よりも湿った空気の方が軽いのは、”湿った空気のもとになっている水蒸気の重さ(分子量)は、(空気のほとんどを構成している)窒素・酸素の重さ(分子量)よりも軽いため、水蒸気が窒素・酸素と入れ替わりで空気に入ることで、その空気は軽くなるから”です。

 

分子量というのは”分子を構成している原子の原子量(一定の基準によって定めた原子の質量)を全て足したもの”を意味するので、物質を構成している分子の重さのようなものです。

 

 

では乾いた空気よりも湿った空気の方が軽い理由について、下の順番で解説していきます。

  • 1.1 空気は主に窒素・酸素から構成され、”湿った空気=水蒸気を多く含む空気”を指す
  • 1.2 水蒸気(水分子)は、窒素(窒素分子)・酸素(酸素分子)よりも軽い
  • 1.3 同じ温度・同じ圧力・同じ体積の空気であれば、その空気内には同じ数の分子しか存在できない
  • 1.4 水蒸気(水分子)が窒素・酸素と入れ替わりで空気に入ることで、その空気は軽くなる(=湿った空気ほど軽くなる)

 

 

1.1 空気は主に窒素・酸素から構成され、”湿った空気=水蒸気を多く含む空気”を指す

 

空気はそのほとんどが窒素(約78%)と酸素(約21%)から構成(比率的には窒素:酸素=4:1)され、残りの1%がアルゴン・二酸化炭素・水蒸気などの様々な気体で構成されています。

 

 

湿った空気というのは”水蒸気を多く含んでいる空気”で、反対に乾いた空気は”水蒸気を多く含んでいない空気”になります。

 

”空気中に含まれる水蒸気の量を割合(%)で表したもの”を「湿度(しつど)」というため、”湿った空気=湿度の高い空気”ということです。

 

 

1.2 水蒸気(水分子)は、窒素(窒素分子)・酸素(酸素分子)よりも軽い

 

世の中のすべての物質は原子(小さい粒子)と、その原子同士が集まってできた分子からできており、水蒸気(水分子)は窒素(窒素分子)・酸素(酸素分子)よりも軽いです。

 

(水(液体)は重いイメージがあるので湿った空気(水蒸気を含んだ空気)が重いと思われがちですが、水(液体)はたくさんの水分子が集まってできているため、水蒸気(気体)とはそもそもの水分子の数が違う)

 

 

まず水蒸気であれば水素原子(H)2つと酸素原子(O)1つが集まってできた水分子(H₂O)、窒素であれば窒素原子(N)2つが集まってできた窒素分子(N₂)、酸素であれば酸素原子(O)2つが集まってできた酸素分子(O₂)という形で空気中に存在しています。

 

 

そして原子1つずつに重さ(原子量)があり、その原子が集まってできた分子にも重さ(分子量)があります。

 

 

上図のようにそれぞれの原子量は”水素原子(H)=1、窒素原子=14、酸素原子=16”なので、
それぞれの分子量は”水分子(H₂O)=18、窒素分子(N₂)=28、酸素分子(O₂)=32”となります。

 

 

このように水蒸気(水分子:18)は、窒素(窒素分子:28)・酸素(酸素分子:32)よりも軽いということが分かります。

 

(その物質を構成している原子・分子同士の繋がり方によって、物質の状態(固体・液体・気体)が変化します)

 

 

1.3 同じ温度・同じ圧力・同じ体積の空気であれば、その空気内には同じ数の分子しか存在できない

 

同じ温度・同じ圧力・同じ体積の空気であれば、その空気内には同じ数の分子しか存在することはできません

 

 

例えば空気内に窒素分子・酸素分子があるとき、水分子(水蒸気)が空気内に入ってくる場合を見ていきましょう。

 

 

上図のように(その空気の温度・圧力・体積が変化していなければ)空気内に水分子が入ってきても、その空気内には同じ数の分子しか存在することができず、もともと存在していた分子が空気の外へと追い出されることで、空気内の分子の数が同じになるように維持されます

 

(上図は見やすいように気体分子の数を少なくしていますが、実際にはもっと多くの気体分子が空気内には存在しています)

 

 

1.4 水蒸気(水分子)が窒素・酸素と入れ替わりで空気に入ることで、その空気は軽くなる(=湿った空気ほど軽くなる)

 

水蒸気(水分子)が窒素(窒素分子)や酸素(酸素分子)と入れ替わりで空気に入ることで、(水分子は窒素分子・酸素分子よりも軽いため)その空気は軽くなります

 

 

空気内に窒素分子と酸素分子があるとき、水分子が入ってくると、その空気内に存在する気体(水分子・窒素分子・酸素分子)の分子量は下図のように変化します。

 

(水分子の分子量=18、窒素分子の分子量=28、酸素分子の分子量=32)

 

 

上図のように水分子(分子量18)が空気内に入ることで、入れ替わりで窒素分子(分子量28)か酸素分子(分子量32)が空気の外へと追い出されるため、その空気内に存在する気体分子の分子量の合計は小さく(その空気は軽く)なります

 

 

そして空気内の水分子が増えていくほど、もともと空気内に存在していた窒素分子や酸素分子が空気の外へと追い出されるため、その空気はどんどん軽くなっていきます。

 

(ただしその空気の温度によって、空気中に含むことができる水蒸気(水分子)の最大量というのは決まっています)

 

このように同じ温度・同じ圧力・同じ体積の空気であれば、乾いた空気(湿度の低い空気=水蒸気を含んでいない空気)ほど重くなり、湿った空気(湿度の高い空気=水蒸気を含んでいる空気)ほど軽くなる、というわけです。

 

以上が「乾いた空気よりも湿った空気の方が軽い理由をわかりやすく図で解説!」でした。

 

 

2.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 乾いた空気よりも湿った空気の方が軽い理由は、”湿った空気のもとになっている水蒸気の重さ(分子量)は、(空気のほとんどを構成している)窒素・酸素の重さ(分子量)よりも軽いため、水蒸気が窒素・酸素と入れ替わりで空気に入ることで、その空気は軽くなるから”。
  • 水蒸気(水分子)の分子量は18、窒素分子の分子量は28、酸素分子の分子量は32(水分子が最も軽い)。
  • 同じ温度・同じ圧力・同じ体積の空気であれば、乾いた空気(湿度の低い空気=水蒸気を含んでいない空気)ほど重くなり、湿った空気(湿度の高い空気=水蒸気を含んでいる空気)ほど軽くなる。

 

 

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