1.水が氷になると体積が増える理由


結論から言ってしまうと水が氷になると体積が増える理由は、”氷になると繋がり合った水分子の間に(水のときにはなかった)空間ができるから”です。


水(液体)が氷(固体)になると体積は約1.1倍に大きくなり、ペットボトルに入った飲み物を凍らせると膨らんだり、寒くなると水道管が破裂(体積が大きくなることで水道管の内側から圧力がかかるため)することがあるのはこれが原因です。


(液体よりも固体の方が体積が大きくなる水という物質は非常に特殊で、水以外のほとんどの物質は液体よりも固体の方が体積は小さくなる)

水に氷を入れると、氷が沈まずに水に浮かぶのは、氷の方が水よりも密度(=体積あたりの質量)が小さい(=軽い)からです。


水から氷になっても質量は変化せずに体積だけが大きくなるので、氷になると水のときよりも密度は小さくなります。


では水が氷になると体積が増える原理について、以下の順番で解説していきます。

  • 1.1 水は水分子(=H₂O)が繋がり合ってできている
  • 1.2 「水を構成している水分子の動きの速さ(激しさ)を数値化したもの=水の温度」
  • 1.3 物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)すると、原子・分子同士の繋がり方が変化(=状態変化)する
  • 1.4 水が氷になると水分子同士で特殊な繋がり方をするため体積は増加する(水は4℃で体積が最も小さくなる)




1.1 水は水分子(=H₂O)が繋がり合ってできている


水は、水分子(=H₂O))と呼ばれる小さい粒が繋がり合ってできています


(水だけでなく、他の物質も原子・分子と呼ばれる小さい粒が繋がり合ってできている)



上図のように水というのは、水を構成している水分子同士が互いを引っ張り合うことで繋がり合ってできています(水分子同士が実際に繋がっているわけではなく、水分子同士で互いの動きを拘束し合っているイメージ)。


(物質を構成している原子・分子には、お互いの距離が適度であれば引力(=互いに引き合う力)が働き、距離が近すぎれば斥力(=互いに反発する力)が働く、という性質がある)



1.2 「水を構成している水分子の動きの速さ(激しさ)を数値化したもの=水の温度」


水の温度というのは、”水を構成している水分子の動きの速さ(=激しさ)を数値で表したもの”です。


(水だけでなく、他の物質も「物質を構成している原子・分子の動きの速さを数値で表したもの=物質の温度」)



上図のように「水を構成している水分子の動きが速い(激しい)とその水の温度は高く」なり、反対に「水を構成している水分子の動きが遅い(穏やか)とその水の温度は低く」なります


(正確には、物質を構成している原子・分子はどれも同じ速さで動いているわけではないため、「動きの速い原子・分子の割合が全体的に多い=温度が高い」となる)



1.3 物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)すると、原子・分子同士の繋がり方が変化(=状態変化)する


物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)することで、原子・分子同士の繋がり方が変化(=状態変化)します。



物質というのは、温度が低くなる(=原子・分子の動きが遅くなる)と固体になり、固体状態よりも温度が高くなる(=原子・分子の動きが速くなる)と液体になり、液体状態よりもさらに温度が高くなると気体に状態変化していきます。



なので物質の状態変化というのは、上図のように”物質を構成している原子・分子の動きの速さが変化(=物質の温度が変化)して、物質を構成している原子・分子同士の繋がり方が変化(=繋がりが切れたり再び繋がったり)すること”を意味します。


(上図のように水以外のほとんどの物質の体積は、固体が最も小さくなり、気体が最も大きくなる)



原子・分子同士の繋がり方が変化するのは、上図のように原子・分子同士の引っ張り合う力よりも原子・分子の運動が大きくなる(=動きが速くなる)と繋がりが切れ、繋がりが切れていた原子・分子の運動が原子・分子同士の引っ張り合う力よりも小さくなる(=動きが遅くなる)と再び繋がるからです。


(液体と気体の例でいうと、「液体の温度が高くなる(=原子・分子の動きが速くなる)と繋がりが切れて気体に変化」、反対に「気体の温度が低くなる(=原子・分子の動きが遅くなる)と再び繋がって液体に変化」)



1.4 水が氷になると水分子同士で特殊な繋がり方をするため体積は増加する(水は4℃で体積が最も小さくなる)


ほとんどの物質は液体から固体になると体積は減少しますが、水(液体)の場合は氷(固体)になると水分子の間に空間ができる特殊な繋がり方(=水素結合による結晶構造)をするため体積は増加します



水は他の物質と違って4℃(液体の状態)で体積が最も小さくなり、氷(固体)になると体積は水の約1.1倍、水蒸気(気体)になると体積は水の約1700倍に大きくなります。



上図のように水の温度が4℃を下回ると、水分子の間に空間ができる特殊な繋がり方(=水素結合による結晶構造)が増えていくため体積は少しずつ大きくなっていき、氷になるとその特殊な繋がり方ばかりになるため水のときよりも体積は約1.1倍大きくなる、というわけです。


(温度というのは、”その物質を構成している原子・分子の動きの速さの平均によるもの”なので、水の温度が4℃を下回ると、動きの遅い水分子は特殊な繋がり方をして、動きの速い水分子は液体のままで存在する)



また、水の温度が4℃を超えると、動きの速い水分子が少しずつ増えていくため、それにより水分子同士の特殊な繋がり方は形成されにくくなります(動きが速いと水分子同士の引き合う力に拘束されにくくなるため)


さらに水の温度が上がると、水分子の動きが速くなることで(水分子同士の引き合う力に勝って動ける範囲が広くなるため)体積も少しずつ大きくなっていき、水分子同士の繋がりが切れるくらい水分子の動きが速くなると水蒸気(気体)に変化して水と比べて体積が非常に大きく(水の約1700倍)なります。



以上が「水が氷になると体積が増える理由をわかりやすく図で解説!」でした。



2.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 水が氷になると体積が増える理由は、”氷になると、氷を構成している繋がり合った水分子の間に(水素結合による結晶構造によって水のときにはなかった)空間ができるから”。
  • ほとんどの物質は液体よりも固体の方が体積は小さくなるが、水の場合は特殊で液体よりも固体の方が体積は大きくなり、氷(固体)になると体積は水(液体)の約1.1倍になる。



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