1.電子レンジでラップが膨らむ仕組み

結論からいってしまうと電子レンジでラップが膨らむのは、”食品に含まれる水分(液体)が加熱され、それが水蒸気(気体)に変化することで体積が増えるから”です。

 

 

電子レンジは食品に含まれている水分を暖めることで食品を加熱する調理機器で、食品に含まれていた水分が水蒸気となって食品から抜けていき、ラップが容器にしっかりとくっついて密閉されていればその水蒸気はラップ内に留まります。

 

 

 

そして水(液体)は水蒸気(気体)に変化すると体積が約1700倍に増加するため、食品から抜けた水蒸気と元から存在していた空気によってラップ内はパンパンに膨らみます。

 

(この状態でさらに電子レンジで加熱していくと、ラップが内部からの圧力に耐えられなくなるとラップは破れてポンッと音がします)

【ラップと容器がしっかりくっついている場合】

⇒ 内部に水蒸気がたまっていきラップ内の圧力が高くなっていく(膨らむ) ⇒ ラップが内部からの圧力に耐えきれなくなるとラップは破けてポンッと音がする

 

 

【ラップと容器がしっかりくっついていない場合】

⇒ ラップと容器の隙間から、発生した水蒸気とラップ内に存在していた空気が外へと出ていく(膨らまない)

 

 

【ラップと容器が中途半端にくっついている場合】

⇒ 内部に水蒸気がたまっていきラップ内の圧力が高くなっていく(膨らむ) ⇒ くっつく力よりも内部からの圧力が大きくなると、内部の水蒸気と空気が勢いよく外へ出ることでポンッと音がする(ラップは破けていない)

 

 

次の章でラップがへこむ仕組みについてわかりやすく解説していきます。

 

2.電子レンジでラップがへこむ仕組み

結論からいってしまうと電子レンジでラップがへこむのは、”ラップ内の水蒸気が冷やされることで水に戻り、水蒸気の体積分の空いた空間がラップの外からの気圧(空気による圧力)により押されるから”です。

 

 

では電子レンジでラップがへこむ仕組みについて、以下の順番で解説していきます。

  • ①電子レンジで加熱するとラップ内に水蒸気がたまり、元から内部に存在していた空気は外へと押し出される
  • ②電子レンジが止まると外の空気に冷やされ、ラップ内の水蒸気が水に変化する(水蒸気の体積分の空間ができる)
  • ③静電気でラップと容器がくっついているため、電子レンジが止まっても外の空気は内部に入ってこられない
  • ④水蒸気の体積分の空間が、外からの気圧により押されてへこむ

 

 

①電子レンジで加熱するとラップ内に水蒸気がたまり、元から内部に存在していた空気は外へと押し出される

 

電子レンジで加熱すると、食品から発生した水蒸気がラップ内にたまり、元から内部に存在していた空気は外へと押し出されます

 

(ラップが容器にしっかりくっついている場合は、ラップは膨らみ続けるため、空気は外へと押し出されずに内部に存在したまま)

 

 

上図のように水(液体)が水蒸気(気体)に変化すると、体積が約1700倍に大きくなり、ラップと容器がしっかりくっついていない部分から、発生した水蒸気によって内部に存在していた空気が外へと押し出されます

 

(このとき内部で発生した水蒸気も、空気と一緒にいくらか外へと出ていく)

 

 

②電子レンジが止まると外の空気に冷やされ、ラップ内の水蒸気が水に変化する(水蒸気の体積分の空間ができる)

 

電子レンジが止まると加熱も止まり、ラップの外の空気によってラップ内の水蒸気(気体)が冷やされて水(液体)に変化し、ラップ内に水蒸気の体積分の空間ができます

 

(加熱されたラップ内の水蒸気は100℃以上になっているため、室温の空気に触れるだけでも十分に冷やされる)

 

 

水は100℃以上になると水蒸気に変化する(逆をいえば100℃未満になると水に戻る)ので、ラップの外の空気によりラップ内の水蒸気が冷やされることで、ラップ内にある水蒸気は水に戻ります。

 

 

ラップ内の水蒸気(気体)が水(液体)に戻るということは、ラップ内にある水蒸気の体積分(水より約1700倍も体積が大きい)の空間ができるということです。

 

 

ラップ内の空気は、食品に含まれていた水分が加熱されたことで変化した水蒸気によりラップの外へと押し出されています。

 

なのでラップ内の水蒸気が冷やされて水に戻ったとしても、元からラップ内に入っていた空気はすでにラップの外へと押し出されているため、ラップ内に空気はほとんどありません

 

 

③静電気でラップと容器がくっついているため、電子レンジが止まっても外の空気は内部に入ってこられない

 

静電気でラップと容器がくっついているため、電子レンジが止まっても外の空気は内部に入ってこられません

 

(普段ラップが容器にくっつく理由は、静電気だけでなく別の力も働いています)

 

 

上図のように静電気によってラップと容器がくっついていますが、外の空気は静電気によってくっついているのをはがす力がないため、外からは空気が内部へと入ってこられません

 

(内部から外へと空気を押し出すことができるのは、電子レンジで加熱しているときは発生した水蒸気によって内部の圧力が高くなっているからです)

 

 

④水蒸気の体積分の空間が、外からの気圧により押されてへこむ

 

水蒸気が冷やされて水に戻ることでラップ内に空間ができますが、このラップ内の空間がラップの外からの気圧(空気による圧力)によって押されてへこみます

 

 

 

もともと電子レンジで加熱する前のラップは平らに張られていますが、平らに張られているのはラップ内にも空気が存在しているからです。

 

 

上図のようにラップ内に空気が存在していることで、ラップの外の気圧とラップ内の気圧が釣り合うために膨らんだりへこんだりせずにラップを平らに張ることができます。

 

 

ですが①でも解説していますが、電子レンジで食品の加熱をすることで、食品に含まれる水が水蒸気(体積約1700倍)に変化して内部の圧力が高くなることで、ラップ内の空気はラップの外へと追い出されます。

 

これによりラップ内には空気がほとんどなくなり、冷やされて水蒸気が水に戻ることで体積も小さくなって、ラップ内から外へとかかる気圧もなくなることで、ラップの外からの気圧に一方的に押されてしまい、ラップがへこんでしまうというわけです。

 

以上が「電子レンジでラップがへこむ・膨らむ仕組みをわかりやすく図解!」でした。

 

 

3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 電子レンジでラップが膨らむのは、”食品に含まれる水分(液体)が加熱され、それが水蒸気(気体)に変化することで体積が増える(約1700倍)から”。
  • 電子レンジでラップがへこむのは、”水蒸気によって元からラップ内に存在していた空気が外へと押し出され、ラップ内の水蒸気が冷やされることで水に戻ったときに、水蒸気の体積分の空いた空間がラップの外からの気圧により押されるから”。

 

 

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