1.「気嵐(けあらし)」とは


結論から言ってしまうと「気嵐(けあらし)」とは、”冷たい空気が、比較的温かい水面上に流れてきたときにできる霧(きり)”です。


(気嵐と、寒い日にお風呂の蓋を開けたときに湯気が発生する原理は同じ)


「けあらし」は、漢字では「気嵐」の他に「毛嵐」とも表記され、気象用語では「蒸気霧(じょうきぎり)」と呼ばれています。



気嵐が発生しやすい条件としては、

  • 天気が快晴、または晴れ(曇っていると放射冷却による冷え込みが弱くなるので気温が下がりにくくなる)
  • 気温が−10℃~−15℃前後
  • 気温と水温の差が15℃以上(温度差がないと霧にならない)
  • 弱い風(無風だと冷たい空気が水面上に流れていかない、強い風だと水面上の空気とうまく混ざり合わない)
  • などの条件が必要になります。


    上記の条件を踏まえて、次の章で川・湖・海の水面から湯気が出る原理を図を用いて解説していきます。



    2.川・湖・海の水面から湯気が出る原理

    では川・湖・海の水面から湯気が出る原理を下の順番で詳しく解説していきます。

    • 2.1 夜間によく晴れていると放射冷却によって陸地表面の温度が下がり、それに伴って陸地表面付近の気温(=空気の温度)も下がる
    • 2.2 弱い風が吹くことで、陸地表面付近の温度の低い空気が水面上に流れていき、水面付近の水蒸気を多く含む比較的温かい空気と混ざり合う
    • 2.3 水面付近の水蒸気を多く含む空気が冷やされることで、小さい粒状の水として現れる(これが集まると湯気のように見える)



    2.1 夜間によく晴れていると放射冷却によって陸地表面の温度が下がり、それに伴って陸地表面付近の気温(=空気の温度)も下がる


    夜間によく晴れている(=空に雲がほとんどない)と、放射冷却によって陸地表面の温度が下がり、それに伴って気温(=空気の温度)も下がります


    (日中でも放射冷却は起きているが、夜間は太陽の光(=熱)がなく、地面に熱がたまっていかないので放射冷却によって冷え込みやすくなる)



    まず物体は自身の持っている熱を周囲に赤外線として放射しているため、雲がないと地面から宇宙方向へと放射された赤外線を遮るものがなく、そのまま地面から放射された熱が宇宙方向へと逃げていくことで、陸地表面の温度が下がります。


    雲は”小さい粒状の水(液体)が集まってできたもの”で、水は赤外線を吸収します(水が気体に変化した水蒸気も赤外線を吸収します)。



    ※上は雲がない場合(放射冷却で気温が下がりやすい)



    ※上は雲がある場合(放射冷却で気温が下がりにくい)


    なので上図のように、夜間に地面から宇宙方向へと放射された赤外線は、雲がある場合は吸収されて、その赤外線の一部が雲から地面方向へと放射されて返ってきます


    あらゆる物体は赤外線を放射するので、雲を構成している小さい粒状の水も赤外線を周囲に放射し、それにより放射された赤外線の一部は宇宙方向へ逃げたり地面へと返ったりします。



    これにより再び地面が温められ、それに伴って空気の温度も下がりにくくなるため、よく晴れている(=雲がほとんどない)夜間の方が放射冷却によって気温が下がりやすくなります。


    (地面の温度が下がることで、その地面に接している空気から(地面が)熱を奪うため、空気の温度(=気温)も下がっていきます)



    2.2 弱い風が吹くことで、陸地表面付近の温度の低い空気が水面上に流れていき、水面付近の水蒸気を多く含む比較的温かい空気と混ざり合う


    弱い風が吹くことで、陸地表面付近の温度の低い空気が水面上に流れていき、水面付近の水蒸気を多く含む比較的温かい空気と混ざり合います


    (川の水であれば流れがあったり、温度が年間を通して安定している地下水が流れてきたりすることで、0℃以下になることは少ないので、水面付近の空気は陸地表面付近の温度の低い空気と比べると温かい)



    上図のように弱い風が吹いて陸地表面付近の温度の低い空気が水面上に流れていき、水面付近の水蒸気を多く含む比較的温かい空気と混ざり合うことで、水面付近の水蒸気を多く含む空気が冷やされて温度が下がります


    (無風だと冷たい空気が水面上に流れていかない、強い風だと水面上の空気とうまく混ざり合わない)



    2.3 水面付近の水蒸気を多く含む空気が冷やされることで、小さい粒状の水として現れる(これが集まると湯気のように見える)


    水面付近の水蒸気を多く含む空気が冷やされて温度が下がることで、空気中の水蒸気(無色透明の気体)が凝結して小さい粒状の水(液体)が現れ、これが集まると湯気(白い煙)のように見えます


    (凝結(ぎょうけつ)とは、簡単にいうと”気体から液体に変化する現象”を指す)



    上図のように水蒸気を多く含む空気が冷やされると、空気中の水蒸気(無色透明の気体)は小さい粒状の水(液体)として目に見える形で現れます(温度の高い空気ほど水蒸気を多く含むことができるため、空気の温度が下がると水蒸気を含むことのできる量が少なくなる)。


    (”空気中に含まれる水蒸気の割合(%)のこと”を「湿度(しつど)」と言う)



    このように冷たい空気が、比較的温かい水面上に流れてきたときにできる霧(湯気のように見える)のことを「気嵐(けあらし)」(気象用語では「蒸気霧」)と言います。


    (湯気・霧・雲は、どれも小さい粒状の水(液体)からできており、発生する場所などの違いはあれど基本的には同じもの)



    以上が「気嵐(けあらし)とは?川から湯気が出る原理をわかりやすく図で解説!」でした。



    3.まとめ

    これまで説明したことをまとめますと、

    • 「気嵐(けあらし)」とは、”冷たい空気が、比較的温かい水面上に流れてきたときにできる霧(きり)”。
    • 「けあらし」は、漢字では「気嵐」の他に「毛嵐」とも表記され、気象用語では「蒸気霧(じょうきぎり)」と呼ばれている。
    • 気嵐と、寒い日にお風呂の蓋を開けたときに湯気が発生する原理は同じ。



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