このページでは一酸化炭素中毒とは何か?。また一酸化炭素中毒が発生する原因と仕組みを簡単に解説しています。
目次
一酸化炭素中毒(いっさんかたんそ ちゅうどく)とは、
体内に一酸化炭素を取り込むことで、血液中の酸素が全身へと運ばれなくなってしまう中毒のこと。
中毒というのはある物質が生体の許容量を超えて取り込まれることで、
生体の正常な機能が阻害されることを言います。
そもそも一酸化炭素とはどういうものなのかと言うと、
簡単に言うと、酸素と炭素が化学反応を起こしてできた気体です。
なので一酸化炭素が発生するのは、炭素を含む物が燃えたときになります。
燃える物に炭素が含まれていなければ一酸化炭素が発生することもありませんが、
世の中の多くの物には炭素が含まれています。
人間など多くの生物は炭素で構成されていてさらに他にも、
プラスチック・木・炭酸飲料やコーヒーなど様々なものが炭素で構成されています。
どちらかと言えば世の中には炭素が含まれていない物の方が少ないんです。
では炭素を含んだ物が燃えると必ず一酸化炭素が発生するのかと言えば、そうではありません。
物が燃えて一酸化炭素が発生しやすくなるのは、不完全燃焼のときです。
物が燃えるというのは空気中の酸素と物に含まれている炭素が反応することで、
物が燃えるときに酸素が足りていればそれは完全燃焼になります。
そして酸素が足りているとき(完全燃焼)には一酸化炭素は発生しません。
ですが物が燃えるときに空気中の酸素が足りていないと、
少しの酸素と炭素で反応してしまい一酸化炭素になります。
なので一酸化炭素中毒の原因は、不完全燃焼による一酸化炭素の発生によるものなんですね。
また元素記号で炭素は”C”、酸素は”O”で、
一酸化炭素を化学式で表すと”CO”になります。
物が燃えたときに完全燃焼の場合だと二酸化炭素(CO2)が発生し、
不完全燃焼の場合だと一酸化炭素(CO)が発生します。
二酸化炭は酸素が足りている状態で炭素と反応するため、
酸素”O”が炭素”C”に2個付いて二酸化炭素”CO2”となります。
ですが一酸化炭素は酸素が足りていない状態で炭素と反応してしまうため、
酸素”O”が炭素”C”に1個しか付かない一酸化炭素”CO”になってしまいます。
こうやって覚えてしまえば、酸素が足りなくなるから一酸化炭素が発生すると理解しやすくなります。
結論から言って一酸化炭素中毒になってしまうと、
体内の血液中の酸素が少なくなってしまい酸欠状態に陥ります。
なので一酸化炭素中毒では、体に酸欠(酸素欠乏)状態のときの症状が表れます。
軽い場合だと頭痛・めまい・吐き気など、風邪とよく似た症状が出ますが、
症状が重度になってくると意識障害や最悪の場合は死に至ることも多いです。
また一酸化炭素中毒で命が助かったとしても治った後に、
記憶障害・行動異常・知能の低下などの後遺症が残ることもあるようです。
そして一酸化炭素は無色透明な気体で、さらに臭いがありません(無臭)。
これにより一酸化炭素を体内に取り込んでいることに気付くことができません。
一酸化炭素を吸い込み体内の濃度が高くなれば意識がなくなりますが、
意識を失っている状態でも呼吸はしているためさらに一酸化炭素中毒は悪化していきます。
このような悪循環に陥り、死に至るケースがとても多いです。
一酸化炭素中毒による症状が軽い場合であれば、
室内の空気を喚起して新鮮な酸素を入れてあげることで治ることもあるようです。
ちなみに空気を1としたときの一酸化炭素の比重は0.967で、
一酸化炭素は空気と重さがほとんど変わりません(少し軽いぐらい)。
なので一酸化炭素はやや上の方に溜まりやすいはずですが、
全体的に空気と混ざって空気の流れと同じように動くと思って良いでしょう。
火災が発生したときによく「体勢を低めにして動くように!」と言われていますが、
あれは上に溜まりやすい煙だけでなく一酸化炭素を吸わないようにするためでもあります。
ただやはり一酸化炭素は空気よりもほんの少し軽い程度の気体で、
体勢を低めにしていても安心はできないので注意が必要です。
まず私たちの体が正常に機能するためには酸素が必要です。
なぜ私たちの体が正常に機能するためには酸素が必要なのかと言うと、
食物などの栄養から体を動かすためのエネルギーに変換するのが酸素だからです。
心臓や脳などを正常に機能させるためにも酸素は必要不可欠です。
だから呼吸して酸素を体内に取り入れなければ、私たちは生きていくことができないんですね。
呼吸によって酸素を体内に取り込んだ後に、
生命活動のため内臓などの各器官に酸素を送り届けなければいけません。
そして酸素は血液によって各器官へと運ばれていくのですが、
その酸素を運ぶ役割を持っているものがヘモグロビンといわれる物質です。
空気中から肺に取り込んだ酸素を血液中のヘモグロビンが、
酸素と結びつくことで肺から体内の各器官へと酸素を運びます。
一酸化炭素が関わってくるのはここからです。
厄介なことに一酸化炭素には、血液中のヘモグロビンと結びつきやすいという性質があります。
このヘモグロビンと結びつきやすいという性質が一酸化炭素が有毒である理由で、
その結びつきやすさは酸素の200倍以上もあります。
これにより一酸化炭素がヘモグロビンと結びついてしまうと、
酸素が各器官へと運ばれなくなり栄養をエネルギーに変換することができなくなります。
そうなると生命活動が低下してしまい最悪の場合、死に至ります。
また一酸化炭素中毒は酸欠状態のときと症状がさほど変わりませんが、大きく違う点があります。
それは一酸化炭素中毒の場合は、新鮮な酸素(空気)を吸わせても治りにくいという点です。
ただの酸欠状態であれば新鮮な酸素を体内に取り込ませることで次第に治っていきますが、
一酸化炭素は体内で代謝されないのでしばらく残り続けます。
そして一酸化炭素は呼吸によって少しずつ体外へと出ていきます。
体内(血液中)に一酸化炭素が残っていれば酸素を取り込んだとしても、
一酸化炭素がヘモグロビンと結びついてしまい酸素が全身へと運ばれません。
この性質により、一酸化炭素中毒は治りにくいんですね。
まず一酸化炭素中毒が起こる主な原因としては、
炭素を含む物が燃えるときに、不完全燃焼を起こした場合です。
(炭素を含む物が完全燃焼した場合は、二酸化炭素が発生します。)
そしてあまり知られてませんが、実はタバコの煙の中にも一酸化炭素は含まれています。
しかしタバコの煙の中に含まれている一酸化炭素の量では、
一酸化炭素中毒にはならないと言われています。
一酸化炭素中毒にはなりませんがタバコの煙の中には他にも、
ニコチンやタールなどの危険な物質が含まれていますのでできるだけ吸わないようにしましょう。
さて本題に戻り、一酸化炭素中毒が発生しやすい例として下記の4つがあります。
ではそれぞれの例について簡単に解説していきますね。
建物の火災のときは、建物に使用されている素材(物質)が炭素を含んでいて、
燃焼の際に酸素が十分に足りないために不完全燃焼が起こります。
それにより建物の素材に含まれる炭素と少しの酸素が反応して、
煙とともに一酸化炭素(無色無臭)が発生することになります。
建物の外では一酸化炭素が発生したとしても、
常に換気されている状態と同じなので特に問題はありません。
ですが火災が起きている建物の内部では、
一酸化炭素が充満する可能性が高く中毒に陥りやすくなります。
ですので建物の火災が起きたら、できるだけ早く外へ避難することが大事です。
焼き肉店では常に何かしらの食材が調理されていますが、
そのときにも一酸化炭素というのは発生しています。
焼き肉店だけに限るわけではありませんが、
ガスや炭を燃やして調理するときには一酸化炭素が発生します。
炭の場合はなんとなく炭素を使用しているということが分かりますが、
実はガス(気体)にも炭素が含まれています。
なので炭火の焼き肉店だけに注意すれば良いというものでもありません。
実際過去には、焼き肉店で空気の換気が不十分でお客さんが一酸化炭素中毒になり、
病院に搬送されたというケースも存在しています。
換気をしていれば防げていた事故なので、換気の重要性が分かりますよね。
一酸化炭素中毒の初期症状は風邪の症状に似ているため、
もし自分だけでなく他の人も同じような症状が出ているようならすぐに避難してください。
避難するときはなるべく建物の外など、新鮮な空気(酸素)がある場所へと行きましょう。
換気することも重要ですが、換気しようとする間に動けなくなってしまえば意味がありませんからね。
お店側の方で換気の重要性は十分に理解しているとは思いますが、
店員さんも人間なので忘れてしまうことはあるので注意が必要です。
石油ストーブやガスでお湯を沸かす給湯器の長時間使用も場合によっては、
一酸化炭素中毒に陥る可能性があります。
(灯油も石油から作られているので、灯油ストーブについても同様です)
屋外へと通じている給排気設備が整っているのであれば問題ありませんが、
そのような設備がない場合に換気をしないで長時間使用することはとても危険です。
ガスにも石油にも炭素が含まれているので、
それが不完全燃焼してしまうと一酸化炭素が発生することになります。
ガスや石油を燃やしているということは、
部屋の中に存在する空気中の酸素を使用しているということです。
なので時間が経つごとに部屋の中に存在する酸素が少なくなっていき、
いずれは酸素が足りなくなり不完全燃焼を起こすことになります。
それにより結果的に空気中の一酸化炭素濃度が高くなり、
一酸化炭素中毒に陥ってしまうというわけです。
基本的に焼き肉店などで一酸化炭素中毒になるの仕組みは同じです。
また排気設備が存在していたとしても排気筒が物で塞がっていたり、
穴が開いていると室内に一酸化炭素が入ってくるので意味がありません。
ですのでストーブや給湯器などの設備を使用する際は、
事前にどこか壊れていないかしっかりと確認したうえで使用しましょう。
関連:室内と屋内の違いとは?
車内に自動車の排気ガスが流れてきて、
一酸化炭素中毒になってしまうというケースもよく聞きますよね。
自動車の排気ガスと言うのは、ガソリンなどの燃料を燃やした後にできる気体のことです。
ガソリンには炭素が含まれていてエンジンを点けることでガソリンが燃焼され、
一酸化炭素を含んでいる排気ガスが自動車のマフラーから排出されます。
エンジンを点けていなければガソリンなどが燃焼されることもないので、
自動車の排気ガスによって一酸化炭素中毒になる危険性はありません。
(他の自動車の排気ガスが車内に入ってきた場合は別です)
そして自動車の排気ガスが車内へと流れ込み、
一酸化炭素中毒になりやすい季節が冬になります。
冬は車内を暖めるために暖房をオンにしていると思いますが、
暖房をオンにするということはまずエンジンを点けなければいけません。
エンジンを点けたまましばらく放置していても通常であれば問題はないのですが、
天候が大雪の場合はとても危険です。
雪が降ることで次第に車の上とその周囲に積もっていきますが、
その積もった雪が車全体を覆ってしまうことがあります。
車が雪に覆われた状態でマフラーから排気ガスが排出されると、
普通であれば上へと逃げていきますが覆われていては排気ガスの逃げ場がありません。
車を覆いかぶさった雪によって逃げ場がなくなった排気ガスは、
少しずつ車の中に入ってくる(ドアの隙間などから)わけです。
それによって車内の一酸化炭素濃度が高くなるので、中毒になってしまうということです。
ちなみに車のエアコンには内気循環と外気循環がありますが、
外気循環にしていれば車外の空気を取り入れるのでより一酸化炭素が入りやすくなってしまいます。
たとえ内気循環にしていたとしても車自体の気密性が高くないため、
ドアの隙間などから一酸化炭素が車内に入ってくる可能性は高いです。
なので大雪などの影響で車に長時間いなければいけないときは、
エンジンをできるだけ点けないことが最も良い対策と言えるでしょう。
またマフラーが雪などで完全に塞がると、車のエンジンが止まります。
なのでマフラーが塞がったことにより車内に一酸化炭素が流れ込むのではありません
あくまでも車が雪で覆われることによってマフラーから排出された排気ガスが、
逃げ場を失うことで車の隙間などから車内に流れ込んでしまうからです。
一酸化炭素中毒とはどういうものなのかを知っておくことは、
何かあったときに自分の命を守ることにも繋がります。
知っているのと知らないのとでは、どういう対策を取れば良いのか判断もできませんからね。
ですので自分には関係ないと思うのではなく、
自分の周りでいつでも起こる可能性のあることだと思って覚えておいてくださいね。
以上が「一酸化炭素中毒とは?発生する原因と仕組みについて簡単に解説!」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
哀悼、重複、出生、集荷など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど
(写真あり)メンマ、かんぴょう、マシュマロなど
(地図あり)軍艦島、淡路島、屋久島など
≪名前は知っているけどわからないもの≫
(写真あり)アヒージョ、マリトッツォなど
(写真あり)磯(いそ)、沿道、郊外など
(写真あり)うなじ、くるぶし、土踏まずなど
<豆知識>
(写真あり)カレーの容器、視力検査の器具など