このページでは蒸留と分留の違いをわかりやすく解説しています。




1.蒸留と分留の違い


※上は蒸留装置の写真


結論からいってしまうと蒸留と分留の違いは、”複数の沸点(液体から気体に変化する温度)の異なる物質が混ざった液体を加熱して気体に変化させ、その気体を冷やして液体に戻すことで物質を分離・純化する方法の総称(蒸留)なのか、蒸留の一種(分留)なのか”です。


(純化とは”不純物を取り除いて純粋な状態にすること”を指し、例えば蒸留酒のようにアルコール度数を高めたい場合などに純化を目的とした蒸留を行う)



蒸留というと”方法の総称”を指し、蒸留には「単蒸留・分留(分別蒸留)・減圧(または真空)蒸留・分子蒸留・水蒸気蒸留」などの種類が存在します



単蒸留は最も基本的な蒸留で、”液体混合物を加熱して沸点の低い物質を気体に変化させ、その気体を冷やして液体に戻すことで物質を分離する方法”です。


(例えば単蒸留は、海水から水(水は塩よりも沸点が低い)だけを分離させる場合などに用いられ、「単蒸留」を指して蒸留という言葉が使われることも多いです)




そして分留というのは、”蒸留の一種で、3種類以上の物質が混ざった液体から、物質の沸点(液体が気体に変化するときの温度)の違いを利用して、それぞれの物質に分離する方法”を指します。



例えば、3種類の物質(物質A:沸点50℃、物質B:沸点100℃、物質C:沸点150℃)が混ざった液体混合物があるとして、それを分留によってそれぞれの物質に分離します。


下図のように液体混合物(物質A+物質B+物質C)を加熱していき、液体混合物の温度が50℃以上になると、まず物質A(沸点50℃)が気体に変化し、液体混合物から分離されて冷やされることで別容器の三角フラスコにたまります



※上の分留は、単蒸留を繰り返して物質を分離する場合


同じように残った液体混合物(物質B+物質C)を加熱していき、液体混合物の温度が100℃以上になると、次に物質B(沸点100℃)が気体に変化するので分離されて冷やされることで別容器の三角フラスコにたまります。


このような分留によって、3種類の物質が混ざっていた液体混合物は、物質A・物質B・物質Cのそれぞれの物質に分離することができます。



ちなみに原油を分留(単蒸留を繰り返す以外)によって各物質に分離することで、各石油製品(灯油・ガソリン・軽油など)を得るのに利用されています(詳しくは下の記事で分留の例として解説)。


以上が「蒸留と分留の違いとは?」でした。



2.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 蒸留と分留の違いは、”複数の沸点(液体から気体に変化する温度)の異なる物質が混ざった液体を加熱して気体に変化させ、その気体を冷やして液体に戻すことで物質を分離・純化する方法の総称(蒸留)なのか、蒸留の一種(分留)なのか”。
  • 蒸留(方法の総称)には、「単蒸留・分留(分別蒸留)・減圧(または真空)蒸留・分子蒸留・水蒸気蒸留」などの種類が存在する。
  • 分留(蒸留の一種)とは、”3種類以上の物質が混ざった液体から、物質の沸点(液体が気体に変化するときの温度)の違いを利用して、それぞれの物質に分離する方法”。



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