このページでは給与所得控除の意味と仕組みをわかりやすく図で解説しています。
(このページ内の控除などについての情報は、現時点(2026年2月13日時点)での情報を基にしています)
目次
結論から言ってしまうと給与所得控除とは、”給与収入からみなし経費(個人事業主の必要経費に相当する部分)として年収に応じた金額を差し引くことで、給与収入をもらっている人の税負担を軽減するための控除”です。
(「給与所得の源泉徴収票」(年末調整が完了した後の12月末から翌年1月末にかけて渡されることが多い)上の「支払金額」の欄が”1年間の給与収入(=年収)”を指す)
上図は収入の種類(上は会社員・公務員などの給与収入の場合、下は個人事業主の場合)ごとの所得税額を算出する流れになっており、上図のように給与所得控除というのは、個人事業主の必要経費に相当する部分であることが分かります。
給与収入を得ている人(会社員・公務員・アルバイトなど)でもスーツ代や文房具代のような様々な経費はかかっていますが、個人事業主と違ってそれらを経費として計上することができないため、公平性を保つために給与所得控除が設けられています。
給与所得控除額については、令和7年(2025年)12月1日に改正され、下の表は改正後のもので令和7年分(2025年1月~12月分)の収入から適用されます。
(所得税だけでなく住民税の算出にも給与所得控除は用いられますが、所得税と住民税のどちらに対しても給与所得控除額は同じ(下表の通り))
例えば、年収(=給与所得の源泉徴収票上の支払金額)が700万円であれば、上の表を参照すると「700万円(収入金額)×0.1(10%)+110万円=180万円(給与所得控除額)」となります。
(あくまでも給与所得控除は給与所得(年収700万円の場合は、給与所得=520万円)を算出するためのものなので、上記の180万円が税金から直接差し引かれるわけではないので注意が必要)
給与所得者(会社などから給与を受け取り、それを主な収入源として生活する人)で一定の条件に該当する人は、「所得金額調整控除」(令和2年(2020年)の税制改正により導入された制度)を適用できる場合があります。
所得金額調整控除には以下の2種類が存在し、条件に該当していれば以下の所得金額調整控除のどちらか(最大15万円or最大10万円の追加控除)、または両方(合わせて最大25万円の追加控除)を上図のように給与所得額から差し引くことができます。
上記のように所得金額調整控除というのは、給与所得者であり、特に”令和2年(2020年)の税制改正によって控除額(給与所得控除額・公的年金等控除額)が減額された子育て世帯・特別障害者を扶養している世帯・年金受給者”の税負担の急激な増加を防ぐことを目的としている制度です。
では2種類の所得金額調整控除それぞれについて、条件や計算方法などを解説していきます。
給与収入が年間850万円を超えていて以下のいずれかに該当する人は、「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」(最大15万円の追加控除)を適用することができます。
「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」の計算式と例については以下(枠内)の通りです。
「{年間の給与収入(1000万円を超える場合は1000万円)-850万円}×10%」=控除額(1円未満の端数は切り上げ、7515.3円⇒7516円)
例①:「年間の給与収入が1150万円で、23歳未満の扶養親族がいる場合」
「(1000万円-850万円)×10%」=15万円(控除額)⇐給与所得額から差し引くことができる
例②:「年間の給与収入が900万円で、23歳未満の扶養親族がいる場合」
「(900万円-850万円)×10%」=5万円(控除額)⇐給与所得額から差し引くことができる
例③:「夫の年間の給与収入が1150万円、妻の年間の給与収入が900万円で、23歳未満の扶養親族がいる場合」
夫「(1000万円-850万円)×10%」=15万円(控除額)⇐夫の給与所得額から差し引くことができる
妻「(900万円-850万円)×10%」=5万円(控除額)⇐妻の給与所得額から差し引くことができる
※夫と妻の2人とも年間の給与収入が850万円を超えていて、3つの条件の内いずれかに該当している場合なら、2人ともそれぞれに所得金額調整控除を適用できる
※夫婦の間に23歳未満の扶養親族(子)が1人だけの場合でも、(夫と妻の2人とも年間の給与収入が850万円を超えていれば)夫と妻の2人ともそれぞれに所得金額調整控除を適用できる(もし23歳未満の子供が2人の場合でも適用できる控除額は変わらない)
「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」は、年末調整のときに「給与所得者の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」の下の方の欄に記入して勤務先に提出することで受けることができます。
(もし年末調整のときに提出を忘れてしまった場合は、自分で確定申告を行うことで「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」を受けることができる)
所得金額調整控除申告書という申告書は単体で存在しているわけではなく、上図のように基礎控除申告書・扶養控除等申告書・特定親族特別控除申告書と一体になっており、下の方が所得金額調整控除申告書の欄になっています。
”給与収入+年金収入”がある人は、「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」(最大10万円の追加控除)を適用できる場合があります。
「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」の計算式と例については以下(枠内)の通りです。
「{年間の給与収入から給与所得控除を差し引いた金額(10万円を超える場合は10万円)+年間の年金収入から公的年金等控除を差し引いた金額(10万円を超える場合は10万円)}-10万円」=控除額
(給与所得控除額と公的年金等控除額については、枠内の下部分にある表(上表は給与所得控除額、下表は公的年金等控除額)をそれぞれ参照)
例①:「70歳、年間の給与収入が400万円、年間の年金収入が300万円の場合」
「{10万円(276万円)+10万円(190万円)}-10万円」=10万円(控除額)⇐給与所得額から差し引くことができる
※給与所得控除額⇒「400万円×0.2(20%)+44万円=124万円」、公的年金等控除額⇒「110万円」
例②:「70歳、年間の給与収入が100万円、年間の年金収入が115万円の場合」
「{10万円(35万円)+5万円(5万円)}-10万円」=5万円(控除額)⇐給与所得額から差し引くことができる
※給与所得控除額⇒「65万円」、公的年金等控除額⇒「110万円」
| 受給者年齢 | 公的年金等の収入金額 |
公的年金等控除額 |
|---|---|---|
| 65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 |
| 330万円を超え410万円以下 | 収入金額×25%+27万5000円 | |
| 410万円を超え770万円以下 | 収入金額×15%+68万5000円 | |
| 770万円を超え1,000万円以下 | 収入金額×5%+145万5000円 | |
| 1,000万円を超える | 195万5000円 |
「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」を受けるためには、年末調整では対応できないため、自分で確定申告を行う必要があります。
では給与所得控除の仕組みを「会社員・公務員のような給与収入を得ている人で、所得税額(=所得税の納税額)を算出する場合」を例にして、以下の順番で簡単に図を用いて解説していきます。
(給与所得控除は、給与収入を得ている人しか適用できない控除なので、個人事業主や年金受給者には適用できない)
(★マークのついているところで「給与所得控除」が用いられます)
会社員で1年間の給与収入(年収)が400万円(副業収入なし)の場合を例にして、まずは年収から(年収に応じた)「給与所得控除額」を差し引いて、給与所得額を算出していきます。
(「給与所得の源泉徴収票」(年末調整が完了した後の12月末から翌年1月末にかけて渡されることが多い)上の「支払金額」の欄が”1年間の給与収入(年収)”を指す)
上図のように1年間の給与収入(年収)が400万円の場合、上の表(給与所得控除の早見表)の通りに計算すると給与所得控除額は「400万円(収入金額)×0.2(20%)+44万円=124万円」となります。
その後、1年間の給与収入から給与所得控除額を差し引けば、給与所得額は「400万円(1年間の給与収入)ー124万円(給与所得控除額)=276万円(給与所得額)」のように算出されます。
(この例では所得金額調整控除適用の条件に該当していないため、所得金額調整控除の適用はなし。適用があれば上記の給与所得額(276万円)から控除額を差し引くことができる)
給与所得額から所得控除額(養っている親族なし、配偶者なしで、基礎控除と社会保険料控除のみ適用される場合)を差し引いて、課税所得額(=所得税の税率がかけられる所得額)を算出していきます。
先ほど算出したように所得額(給与所得額)は276万円なので、上の表(基礎控除の早見表)を参照すると基礎控除額は88万円(令和9年分からは58万円)になります。
(「令和7年分=2025年1月1日~12月31日分」の所得に対して適用できる基礎控除を指す)
そして、社会保険料控除は”納税者が支払った「社会保険料」の全額に適用できる控除”で、会社員・公務員などの給与収入を得ている人であれば主に「健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料(40歳以上65歳未満の人のみ支払う)」が対象となり、ここでは年間の社会保険料が60万円かかっているとします。
これにより「基礎控除額=88万円」、「社会保険料控除=60万円」とすると、「所得控除額=148万円」となるため、課税所得額は「276万円(給与所得額)ー148万円(所得控除額)=128万円(課税所得額)」のように算出することができます。
もし養っている親族がいれば「扶養控除」、配偶者(妻・夫)がいれば「配偶者控除」などの控除を(対象者の年収や所得によって)適用することができます。
これにより所得控除額が増えることで、課税所得額(=所得税の税率がかけられる所得額)が少なくなるため、納める税金(所得税・住民税)を減らすことができます。
次に課税所得額に(課税所得額に応じた)所得税の税率をかけ、所得税額(=所得税の納税額)を算出していきます。
先ほど算出したように課税所得額(=課税される所得金額)は128万円なので、上の表(所得税の税率の早見表)を参照すると所得税の税率は5%になるため、税額控除の適用がない場合の所得税額は「128万円(課税所得)×0.05(5%)(所得税の税率)ー0円(所得税の控除額)=6万4000円(税額控除の適用がない場合に納める所得税額)」のように算出することができます。
(ちなみに課税所得が300万円の場合、上の表を参照すると「300万円(課税所得)×0.1(10%)(所得税の税率)ー9万7500円(97,500円)(所得税の控除額)=20万2500円(202,500円)(税額控除の適用がない場合に納める所得税額)」となる)
”2013年(平成25年)1月1日~2037年(令和19年)12月31日”の25年間は、すべての所得税の納税者は、所得税の他に「復興特別所得税(2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興財源の確保を目的とした税金)」も納めなければなりません。
復興特別所得税の税率は、「復興特別所得税=基準所得税額×2.1%」(1円未満の端数は切り捨て)で、基準所得税額というのは”実際の納税額で、税額控除がある場合は税額控除を適用した後の所得税額”を指します。
先ほどの例で見てみると、所得税額6万4000円(税額控除の適用なし)の場合は「6万4000円(基準所得税額)×0.021(2.1%)=1344円(復興特別所得税)」となるため、納税額としては「所得税6万4000円」と「復興特別所得税1344円」を納めなければならない、ということになります。
(もし税額控除が適用できる場合は、所得税額である6万4000円から税額控除額分が減額されて、その残った金額(これが基準所得税額になる)に0.021(2.1%)が掛けられ、復興特別所得税が算出される)
税額控除の適用がある場合は、先ほど算出した所得税額から税額控除額を直接差し引いて、税額控除を適用した所得税額を算出していきます。
例えば、税額控除の一種である「配当控除」を適用でき、配当控除額が5万円の場合、上図のように先ほど算出された所得税額(=6万4000円)から配当控除額である5万円を直接差し引くことができます。
これにより「6万4000円(税額控除を適用前の所得税額)ー5万円(税額控除額)=1万4000円(税額控除を適用後の実際に納める所得税額)」となるため、所得税の納税額を減らすことができます。
以上が「給与所得控除とは?意味と仕組みをわかりやすく図で解説!」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
哀悼、重複、出生、集荷など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど
(写真あり)メンマ、かんぴょう、マシュマロなど
(地図あり)軍艦島、淡路島、屋久島など
<豆知識>
(写真あり)カレーの容器、視力検査の器具など
<名前は知っているけどわからないもの>
(写真あり)アヒージョ、マリトッツォなど
(写真あり)磯(いそ)、沿道、郊外など
(写真あり)うなじ、くるぶし、土踏まずなど
<よく使う言葉>
慣習、準拠、言わずもがな、明文化など
慣習的、致命的、便宜的、作為的など
互換性、慢性、普遍性、必然性など
蛙化、明文化、マンネリ化、擬人化など