1.九分九厘の意味はおかしい?


結論から言ってしまうと「九分九厘(くぶくりん)」の意味は”ほぼ確実であること。ほとんど”で、割合的には99%を表しており、意味的におかしい点はありません



九分九厘が意味的におかしいと思われてしまう理由は、野球の打率を表すときによく用いられる「〇割△分□厘(〇わり△ぶ□りん)」と同じ考え方をしてしまうからです。


例えば、打率が「3割4分3厘」なら「3割4分3厘=0.343=34.3%」となり、その打者がヒットを打つ確率は34.3%ということを表しますが、「九分九厘」を同じ考え方を用いて割合(%)で表すと9.9%ということになるため間違えてしまいます。



では次の章で、なぜ九分九厘を割合で表すと9.9%ではなく99%なのかを解説していきます。



2.なぜ九分九厘は9.9%ではないのか

ではなぜ九分九厘を割合で表すと9.9%ではなく99%なのかを以下の順番で解説していきます。

  • 2.1 「分(ぶ)=1/10」を表す補助単位(基本となる単位の後ろにつける単位)
  • 2.2 「割(わり)=1/10」を表す割合の単位(分との同時使用により「分=1/100」を表すものだと誤解されがち)
  • 2.3 「割以外で分を使用する場合、分=1/10」(九分九厘=99%)、「割と分の同時使用の場合、分=実質1/100」(九割九分=99%)



2.1 「分(ぶ)=1/10」を表す補助単位(基本となる単位の後ろにつける単位)


九分九厘に用いられる「分(ぶ)」や「厘(りん)」というのは、「補助単位」(基本となる単位の後ろにつける単位)と呼ばれるもので、「分=(基本となる単位の)1/10(=0.1)」、「厘=(基本となる単位の)1/100(=0.01)」を意味します。


(「九分九厘」のように基本となる単位が前にない場合は、基準を1として「分=(基準である1の)1/10=0.1」の意味として使用)



例えば、上のように「36度5分(度は温度の単位)」であれば「36度5分=36.5度」ということになり、
「2寸7分5厘(寸は尺貫法における長さの単位)」であれば「2寸7分5厘=2.75寸」と同じ意味になります。


(36度5分⇒度を基本の単位としているため「分=度の1/10(=0.1度)」、2寸7分5厘⇒寸を基本の単位としているため「分=寸の1/10(=0.1寸)」「厘=寸の1/100(=0.01寸)」)



2.2 「割(わり)=1/10」を表す割合の単位(分との同時使用により「分=1/100」を表すものだと誤解されがち)


3割4分3厘や2割引きに用いられる「割(わり)」というのは、「割=1/10(=0.1)」を表す割合の単位になります。



上の3割4分3厘(0.343=34.3%)のように割合の単位である「割」と、補助単位である「分」や「厘」を同時に使用すると、基本となる単位である「割」自体がそもそも1/10を意味するため、意味を知らなければ本来1/10を意味する「分」が1/100に、本来1/100を意味する「厘」が1/1000を意味しているように見えてしまいます


(野球の打率で何割何分何厘のように「割」と「分」が同時に使用されることが多く、これにより一般的に「分=1/100」を示すと誤解されがちなので注意が必要)



また、2割引きの場合は、商品の本来の値段(100%)の2割引きということなので、商品の本来の値段(100%)の「2割=2/10=20%」引き(本来の値段が100円の商品であれば、20円引きで80円になる)ということを意味します。



2.3 「割以外で分を使用する場合、分=1/10」(九分九厘=99%)、「割と分の同時使用の場合、分=実質1/100」(九割九分=99%)


これまでの解説を簡単にまとめると、「割以外で分を使用する場合、分=1/10」、「割と分を同時に使用する場合、分=実質1/100(=1/10(割)×1/10(分))に見える」になります。



つまり上のように「九分九厘(くぶくりん)」と「九割九分(くわりくぶ、きゅうわりきゅうぶ)」はどちらも割合的に99%(小数で表すと99%=0.99、100%=1)を指しており、「九分九厘⇒割以外で分を使用する場合(分=1/10)」、「九割九分⇒割と分を同時に使用する場合(分=実質1/100)」を示している、ということです。


(「九割九分⇒九割(90%)九分(1割の9/10なので9%)⇒99%」、「九分九厘⇒九分(1の9/10なので0.9(=90%))九厘(1の9/100なので0.09(=9%))⇒99%」)


3.日常的によく用いられる「割・分」の言葉の例

では日常的によく用いられる「割・分」の言葉の例を、「割以外で分を使用する場合、分=1/10」と「割と分を同時に使用する場合、分=実質1/100に見える」のそれぞれに分けて挙げていきます。



上のように「割以外で分を使用する場合、分=1/10」を用いた言葉には「九分九厘・十二分・十分・腹八分目・八分咲き・七分丈・七分袖・五分五分・36度5分(体温)」など、「割と分を同時に使用する場合、分=実質1/100に見える」を用いた言葉には「九割九分・3割4分3厘(打率)」などの言葉があります。



以上が「九分九厘の意味はおかしい?なぜ9.9%ではないのかをわかりやすく図で解説!」でした。



4.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 九分九厘の意味は”ほぼ確実であること。ほとんど”で、割合的には99%(9.9%ではない)を表しており、意味的におかしい点はない。
  • 「分(ぶ)=1/10」を表す補助単位(基本となる単位の後ろにつける単位)で、「割(わり)=1/10」を表す割合の単位。
  • 「割以外で分を使用する場合、分=1/10」(九分九厘=99%)、「割と分の同時使用の場合、分=実質1/100(割1/10×分1/10)」(九割九分=99%)。



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