結論から言ってしまうと、判官の正しい読み方は「はんがん」「ほうがん」「じょう」になります。
判官の”判”は「はん」「ほう」、”官”は「かん」(連濁により「がん」)と読むことができます。
一般的には判官は「ほうがん」と読むことが多いです。
ただ判官は「はんがん」「ほうがん」「じょう」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
判官を「じょう」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「判官(じょう)」に用いられている”判”は単体で「じょ」と読むことはできず、”官”も単体では「う」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で判官の意味について解説していきます。
判官(はんがん、ほうがん)は「律令制で、四等官(しとうかん)の第三位/検非違使(けびいし)の尉(じょう)/源義経(みなもとのよしつね)の通称」の意味として用いられています。
四等官というのは”律令制で、各官庁の幹部である四等級の官のこと”で、上から順に”長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)”のように位置しています。
検非違使というのは、”平安初期に設置され、京都の犯罪などを取り締まりなどを司った職のこと”です。
そして源義経が検非違使だったことから、源義経の通称として「判官(はんがん、ほうがん)」と呼ばれるようになりました。
判官を「はんがん」「ほうがん」と読むと上記のような意味になりますが、
「じょう」と読むと「律令制で、四等官の第三位」の意味のみとなります。
このように判官は「はんがん」「ほうがん」「じょう」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また一般的に使われる言葉で”判官贔屓(ほうがんびいき、はんがんびいき)”がありますが、これは「(非業の死を遂げた源義経が世間から同情され、贔屓されたことから)弱者に対する第三者の同情や贔屓(ひいき)のこと」を意味します。
(「ほうがん」「はんがん」のどちらでも意味は同じですが、一般的には「ほうがんびいき」と読むことが多い)
以上が「判官の読み方と意味、”はんがん”と”ほうがん”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど