結論から言ってしまうと、畳紙の正しい読み方は「たとうし」「たとうがみ」「たとう」「たたみがみ」になります。
畳紙の”畳”は「たた(む)」「たたみ」「じょう」、”紙”は「かみ」「し」(連濁により「がみ」)と読むことができます。
ただ一般的には畳紙は「たとうがみ」と読むことが多いです。
畳紙を「たとう」と読むのは熟字訓と呼ばれる当て字になります。
また畳紙の”畳”の読み方は「たたみ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「たとう」という読み方をすることはできません。
畳紙のように「たたみがみ」ではなく、「たとうがみ」と変化して読むのは、日本語の音便(おんびん)のひとつである”ウ音便”と呼ばれているものです。
(音便とは、”発音しやすくするために、言い方を変えること”です)
ウ音便とは、”語中・語尾の「く」「ぐ」「ひ」「び」「み」などの音が、「う」の音に変化する現象のこと”を言います。
畳紙であれば、”畳紙(たたみがみ) → 畳紙(たたうがみ) → 畳紙(たとうがみ)”となります。
まず「み」の音が「う」の音に変化(「たたみがみ」から「たたうがみ」)し、「たたうがみ」では読みにくいため、それに合わせて読みやすくなるように「たたうがみ」から「たとうがみ」に変化しました。
例えば、ウ音便には他にも「玄人(くろうと)」や「仲人(なこうど)」などがあります。
・ 玄人(くろひと) → 玄人(くろうと)
・ 仲人(なかびと) → 仲人(なかうど) → 仲人(なこうど)
玄人(くろうと)は「ひ」の音が「う」の音に変化して、仲人(なこうど)は「び」の音が「う」の音に変化して、そこからさらに発音しやすいように変化して「なこうど」と読まれるようになりました。
この玄人のように単純に「う」の音に変化するだけのものもあれば、
畳紙や仲人のように「う」の音にした後に、さらに読みやすいように変化するものもあるため覚えておきましょう。
次の章で畳紙の意味について解説していきます。
畳紙は「畳んで懐(ふところ)に入れておく紙。懐紙のこと/厚い和紙に渋(しぶ)や漆(うるし)を塗り、4つに畳むようにして折り目を付けた包み紙のこと」の意味として用いられています。
「たとう」というのは、”畳紙(たとうがみ)の略のこと”です。
前者の意味である懐紙(かいし、ふところがみ)は、茶道の席で上に菓子を取り分けたり、茶碗の縁を拭くのに用いたり、他にはメモ用紙・ちり紙・便箋(びんせん)など様々な用途で使用されます。
いま現在では一般的に、”茶道の席で使用することが多い”です。
後者の意味である畳紙というのは、結髪や着物包むのに使用されます。
以上が「畳紙の読み方と意味、”たとうし”と”たとうがみ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど