さて日常的に使われることはほとんどないですが、「御物」という言葉があります。
この御物に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
御物がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは御物の読み方と意味、「ぎょぶつ」と「ごぶつ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.御物の正しい読み方は「ぎょぶつ」「ごぶつ」?
では御物の正しい読み方は、「ぎょぶつ」「ごぶつ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、御物の正しい読み方は「ぎょぶつ」「ごぶつ」「おもの」「ぎょもつ」「ごもつ」「みもの」になります。
御物の”御”は「ぎょ」「ご」「お」「み」、”物”は「もの」「ぶつ」「もつ」と読むことができます。
一般的には御物は「ぎょぶつ」と読むことが多いです。
ただ御物は「ぎょぶつ」「ごぶつ」「おもの」「ぎょもつ」「ごもつ」「みもの」のどれで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また御物(ぎょぶつ)のように「御(ぎょ)」が用いられている言葉には、
「制御(せいぎょ)・御者(ぎょしゃ)・崩御(ほうぎょ)・防御(ぼうぎょ)」などがあります。
御物(ごぶつ)のように「御(ご)」が用いられている言葉には、
「姉御(あねご)・親御(おやご)・御幸(ごこう)・御前(ごぜん)」などがあります。
御物(おもの)のように「御(お)」が用いられている言葉には、
「御強(おこわ)・御節(おせち)・御身(おみ)・御数(おかず)」などがあります。
御物(みもの)のように「御(み)」が用いられている言葉には、
「御霊(みたま)・御子(みこ)・御饌(みけ)・御内(みうち)」などがあります。
次の章で御物の意味と類義語について解説していきます。
2.御物の意味と類義語について
では御物の意味と類義語について見ていきましょう。
まず御物(ぎょぶつ、ぎょもつ)は「天皇の所有物のこと」の意味として用いられています。
御物を「ぎょぶつ」「ぎょもつ」と読むと上記のような意味になりますが、
「ごぶつ」「ごもつ」「おもの」「みもの」と読むとそれぞれ下記のような意味となります。
御物を「ごぶつ」「ごもつ」と読むと「皇室や貴人の持ち物/武家・寺家に仕えた少年」、「おもの」と読むと「天皇・貴人の食事/天皇の所有物/飯を丁寧にいう語」、「みもの」と読むと「天皇が召し上がる物のこと」の意味になります。
貴人(きじん)と言うのは、”地位・身分の高い人のこと”です。
このように御物は「ぎょぶつ」「ごぶつ」「おもの」「ぎょもつ」「ごもつ」「みもの」のどれで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
また御物の類義語としては、「秘蔵(ひぞう)・供御(くご)・御食(みけ)・所持品(しょじひん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても御物と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「御物の読み方と意味、”ぎょぶつ”と”ごぶつ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 御物の正しい読み方は「ぎょぶつ」「ごぶつ」「おもの」「ぎょもつ」「ごもつ」「みもの」。
- 御物(ぎょぶつ、ぎょもつ)は「天皇の所有物のこと」の意味。
- 御物(ごぶつ、ごもつ)は「皇室や貴人の持ち物のこと/武家・寺家に仕えた少年のこと」の意味。
- 御物(おもの)は「天皇・貴人の食事のこと/天皇の所有物のこと/飯を丁寧にいう語のこと」の意味。
- 御物(みもの)は「天皇が召し上がる物のこと」の意味。
- 御物の類義語には、「秘蔵・供御・御食・所持品」などがある。