結論から言ってしまうと、陽炎の正しい読み方は「かげろう」「ようえん」の両方になります。
陽炎の”陽”は「よう」、”炎”は「ほのお」「えん」と読むことができます。
ただ一般的には陽炎は「かげろう」と読むことがほとんどです。
陽炎を「かげろう」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「陽炎(かげろう)」に用いられている”陽”は単体で「かげ」と読むことはできず、”炎”も単体では「ろう」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で陽炎の意味について解説していきます。
陽炎は「春の暖かい日に、地面から空気が炎のように揺らめいて立ち上る現象のこと」の意味として用いられています。
陽炎というのは、”限られた空間で密度の異なる空気が混ざり合うことで、光が屈折して起こる現象”です。
空気というのは温度変化によって密度も変化するため、
日光によって空気が暖められると、その空気は膨張して密度が小さく(軽く)なります。
そうすると相対的に周囲の空気よりも暖められた空気の方が軽くなるので、
軽くなった空気が上昇し、上昇する過程で周囲の空気と混ざり合うことになります。
そして人間は外部から流れてくる光を目で捉えることで物体を見ていて、
先ほどの密度の異なる混ざり合った空気に光がぶつかることで、様々な方向に屈折してしまいます。
この様々な方向に屈折した光が人間の目に捉えられると、陽炎に見えてしまうというわけなんですね。
風が強いとその風によって密度の違う空気が混ざることなく流されるので、
陽炎は日射が強くてよく晴れた、風があまり強くない日に起こりやすい現象です。
以上が「陽炎の読み方と意味、”かげろう”と”ようえん”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど