結論から言ってしまうと、甲斐の正しい読み方は「かい」になります。
甲斐の”甲”は「こう」、”斐”は「ひ」と読むことができますが、甲斐を「こうひ」と読むのは間違いです。
甲斐を「かい」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「甲斐(かい)」に用いられている”甲”は単体で「か」と読むことはできず、”斐”も単体では「い」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で甲斐の意味について解説していきます。
甲斐は「旧国名のひとつで、現在の山梨県にあたる地域のこと/何かをしたときの結果として表れる効き目・効果のこと」の意味として用いられています。
旧国名とは国の古い呼び名のことで、特に日本では昔の行政区画の呼び名を言います。
つまり簡単に言えば、いまは47都道府県でひとつの日本という国ですが、
昔は日本というひとつの国ではなく、甲斐・越後など様々な名称の国が存在していたということです。
そして旧国名である甲斐のあった地域が、いま現在の山梨県にあたる地域を指しているわけです。
甲斐を用いた例文としては、「甲斐に行く」や、「努力した甲斐がない」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「旧国名のひとつ」の意味で、後者の例文は「何かをしたときの結果として表れる効き目・効果」の意味で使用しています。
以上が「甲斐の読み方と意味、”かい”と”こうひ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど