このページでは「相関関係はあるが因果関係はない」の例と意味をわかりやすく図で解説しています。
目次
まず相関関係というのは、”ある2つの事柄において、一方が増加するとき、もう一方が増加(または減少)する傾向にある関係”を意味する言葉です。
※上は正の相関(右肩上がりになる)の散布図
例えば、上図のように勉強時間が増えるとテストの点数も上がる傾向があるように、
”一方が増加するとき、もう一方も増加する傾向にある関係のこと”を「正の相関(せいのそうかん)」と言います。
※上は負の相関(右肩下がりになる)の散布図
反対に、上図のように日頃の運動量が増えると医療費が減少する傾向があるように、
”一方が増加するとき、もう一方は減少する傾向にある関係のこと”を「負の相関(ふのそうかん)」と言います。
(例えば卵の消費量と知能の高さのように、2つの事柄に全く相関のないものを「無相関(むそうかん)」と言います)
次に因果関係とは、”ある事柄(原因)が、直接的に別の事柄(結果)を引き起こす関係”を意味する言葉です。
因果(いんが)は、「原因と結果」のことを意味します。
因果関係があるかどうかは、「①事柄A(原因)⇒事柄B(結果)の順番になっているか(必ず原因が先にあって、結果は後)」「②事柄A(原因)が事柄B(結果)に直接的に影響しているか」の2つの特徴で判断することができます。
因果関係を理解するために、2つの例を特徴(①と②)ごとに解説していきます。
【例1 「雨が降ると来店数が減少する」】(因果関係がある)
⇒雨が降る(事柄A)ことで、外出しようとする人が減るため、来店数が減少する(事柄B)
①事柄A(原因)⇒事柄B(結果)の順番になっている(来店数が減少する(結果)と雨が降る(原因)、は成立しない)
②事柄A(原因)が事柄B(結果)に直接的に影響している(事柄A(雨が降る)が事柄B(来店数の減少)の直接的な原因になっている)
【例2 「夏になるとアイスを食べる人が増える」】(因果関係がある)
⇒夏になる(事柄A)と、気温が上昇して暑くなるため、アイスを食べる人が増える(事柄B)
①事柄A(原因)⇒事柄B(結果)の順番になっている(アイスを食べる人が増える(結果)と夏になる(原因)、は成立しない)
②事柄A(原因)が事柄B(結果)に直接的に影響している(事柄A(夏になる)が事柄B(アイスを食べる人が増える)の直接的な原因になっている)
また、”因果関係(原因と結果の関係)を逆転させ、誤って判断してしまうこと”を「因果の逆転」と言います。
因果の逆転の例として、正しくは「夏になる(原因)とアイスを食べる人が増える(結果)」ですが、誤って「アイスを食べる人が増える(原因)と夏になる(結果)」のように判断してしまうことです。
まず結論からいってしまうと「相関関係はあるが因果関係はない」の意味は、”2つの事柄に相関関係はある(一方が増加するとき、もう一方が増加(または減少)する傾向にある)が、因果関係はない(その結果を引き起こす直接的な原因になっていない)”ということです。
では「相関関係はあるが因果関係はない」の意味について、それぞれ例を交えながら以下の順番で解説していきます。
ある2つの事柄において「相関関係はあるが因果関係はない」とき、(ある2つの事柄と)共通の別の事柄が原因となる場合について解説していきます。
事柄Aと事柄Bに相関関係はあって因果関係がない場合、事柄A(結果)と事柄B(結果)にそれぞれ共通する事柄C(原因)との間に因果関係が発生する場合があります。
例えば「アイスクリームの売り上げ(事柄A)と水難事故の件数(事柄B)」でみると、アイスクリームの売り上げが増えると水難事故の件数も増えるため、この2つの事柄には相関関係があります。
ですが、「アイスクリームの売り上げが増える(原因)ことで水難事故の件数も増える(結果)」とはなりませんし、反対に「水難事故の件数が増える(原因)ことでアイスクリームの売り上げも増える(結果)」ともならないので、この2つの事柄には因果関係はない(その結果を引き起こす直接的な原因になっていない)ことが分かります。
そこで上図のようにこの2つの事柄に共通する別の事柄Cがそれぞれの原因となっている場合が考えられ、「アイスクリームの売り上げ(事柄A)と水難事故の件数(事柄B)」の例だと”気温”が事柄Cとして考えられます。
これにより正しくは「気温の上昇(事柄C:原因)によって、アイスクリームの売り上げも増える(事柄A:結果)」、「気温の上昇(事柄C:原因)によって、海などで泳ぐ人が多くなるため水難事故の件数も増える(事柄B:結果)」となるわけです。
(上図のように「気温とアイスクリームの売り上げ」は相関関係・因果関係があり、「気温と水難事故の件数」も相関関係・因果関係があります)
このように”共通する別の要因によって生まれる(事柄Aと事柄Bのような)相関のこと”を「擬似相関(ぎじそうかん)」と言います。
「相関関係はあるが因果関係はない」(共通の別の要因によるもの)の他の例を簡単に見ていきましょう。
例1:「学力(事柄A)と子供の頃のピアノ経験(事柄B)」(相関関係はあるが、因果関係はない)
「学力(事柄A)と子供の頃のピアノ経験(事柄B)」には相関関係(学力が高い人は子供の頃にピアノをやっている傾向)があり、子供の頃にピアノをやっていれば頭が良くなる、と考えがちですが、これは間違いで因果関係はありません。
正しくは「裕福な家庭(共通する別の事柄C)」で育ったことで、教育費(塾やピアノなどの習い事)にお金をかけることができた、というのが学力の向上とピアノ経験の直接的な原因と言えるでしょう。
例2:「高血圧(事柄A)と年収(事柄B)」(相関関係はあるが、因果関係はない)
「高血圧(事柄A)と年収(事柄B)」には相関関係(高血圧の人は年収が高い傾向)があり、高血圧の人は年収が高くなる、と考えがちですが、これは間違いで因果関係はありません。
正しくは「年齢(共通する別の事柄C)」が高い人の方が高血圧になりやすく、会社で上の地位に就いていて年収が高い、というのが直接的な原因と言えるでしょう。
ある2つの事柄が「相関関係はあるが因果関係はない」とき、単なる偶然の場合について解説していきます。
これはある2つの事柄に共通する別の要因があるわけではなく、単なる偶然によって相関関係が生まれた場合(当然、因果関係はない)になります。
例えば代表的なものでいうと、「ニコラス・ケイジの映画出演本数と1年間にプールで溺死(できし)する人の数」には相関関係があるというものです。
ただ「ニコラス・ケイジの映画出演本数が増えた(原因)から1年間にプールで溺死する人の数も増えた(結果)」と考えたり、逆に「1年間にプールで溺死する人の数が増えた(原因)からニコラス・ケイジの映画出演本数も増えた(結果)」と考えるのもおかしな話で、当然これら2つの事柄に因果関係はないです。
このように単なる偶然によって、ある2つの事柄に相関関係が生まれる場合もあるので覚えておきましょう。
以上が「”相関関係はあるが因果関係はない”の例と意味をわかりやすく図で解説!」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
哀悼、重複、出生、集荷など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど
(写真あり)メンマ、かんぴょう、マシュマロなど
(地図あり)軍艦島、淡路島、屋久島など
<豆知識>
(写真あり)カレーの容器、視力検査の器具など
<名前は知っているけどわからないもの>
(写真あり)アヒージョ、マリトッツォなど
(写真あり)磯(いそ)、沿道、郊外など
(写真あり)うなじ、くるぶし、土踏まずなど
<よく使う言葉>
慣習的、致命的、便宜的、作為的など
互換性、慢性、普遍性、必然性など
蛙化、明文化、マンネリ化、擬人化など