結論から言ってしまうと、案山子の正しい読み方は「かかし」になります。
案山子の”案”は「あん」、”山”は「やま」「さん」(連濁により「ざん」)、”子”は「こ」「し」と読むことができますが、案山子を「あんざんし」と読むのは間違いです。
「かかし」は案山子の他にも、”鹿驚(かかし)”と書き表されます。
また案山子を「かかし」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「案山子(かかし)」に用いられている”子”は単体で「し」と読むことはできますが、”案”は単体で「か」、”山”も単体では「か」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で案山子の意味について解説していきます。
案山子は「田畑の作物を荒らす鳥獣を防ぐために立てる人形や似たような仕掛けのこと/見かけ倒しで役に立たない人のこと」の意味として用いられています。
人間が田畑で農作業していると鳥などが近寄らないことから、
人間の形を模した案山子を置くことにより、鳥獣除けとして用いられています。
そしてもともと案山子は「かかし」ではなく”嗅がし(かがし)”と呼ばれていて、人形ではなく獣の肉を焼き焦がして串に通し、それを立てたものを使用していたとされています。
それがいま現在では”かかし”と呼ばれるようになり、竹や藁(わら)などで作られた人形のことを指すことがほとんどです。
以上が「案山子の読み方と意味、”かかし”と”あんざんし”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど