結論から言ってしまうと、木綿の正しい読み方は「ゆう」「もめん」「きわた」になります。
木綿の”木”は「き」「もく」「ぼく」、”綿”は「わた」「めん」と読むことができますが、木綿を「もくめん」と読むのは間違いです。
一般的には木綿は「もめん」と読むことがほとんどです。
ただ木綿を「ゆう」「もめん」「きわた」のどれで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また木綿を「ゆう」「もめん」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「木綿(ゆう)」に用いられている”綿”は単体で「ゆ」と読むことはできず、”木”も単体では「う」と読むことはできません。
(「もめん」と読む場合は”綿”は単体で「めん」と読むことはできますが、”木”は単体で「も」と読むことはできません)
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で木綿の意味について解説していきます。
※上はワタ(植物)の写真
木綿(もめん)は「ワタの種子からとった白くてやわらかい繊維のこと。また、その繊維で作られた糸や織物のこと」の意味として用いられています。
ワタは「アオイ科ワタ属の総称」のことで、つまりは植物の種類を指していて、
一般的には”綿”と書くと”ワタの種子からとった白くてやわらかい繊維”を指すことが多いです。
綿(わた)は繊維が絡まり合った塊の状態のことを指していて、その繊維の塊を紡ぎ直すことで糸(これが木綿)が作られます。
ちなみに絹(きぬ)というのは、”蚕(かいこ)の繭(まゆ)からとった繊維のこと”で、その蚕の繭からとった繊維を紡いだ糸が”絹糸(きぬいと)”となります。
また木綿を「もめん」と読むと上記のような意味になりますが、
「ゆう」「きわた」と読むとそれぞれ下記のような意味となります。
木綿を「ゆう」と読むと「楮(こうぞ)の皮の繊維を蒸して水にさらし、細かく裂いて糸としたもの」の意味で、
「きわた」と読むと「ワタの種子からとった白くてやわらかい繊維/パンヤの別名」の意味となります。
楮(こうぞ)というのは「クワ科の落葉低木のこと」、パンヤというのは「パンヤ科の落葉高木のこと」で、パンヤの種子にもワタと同様に綿が生えています。
日本では綿(わた)はワタ(植物)からとれるものが一般的に知られていますが、ワタの他にもパンヤなど他の植物の種子からとれる綿もあるため注意が必要です。
このように木綿を「もめん」「ゆう」「きわた」のどれで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
以上が「木綿の読み方と意味、”ゆう”と”もくめん”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど