結論から言ってしまうと、長押の正しい読み方は「なげし」になります。
長押の”長”は「なが(い)」「ちょう」、”押”は「お(す)」「お(し)」「おう」と読むことができますが、長押を「ながおし」と読むのは間違いです。
長押は「ながおし」とよく間違えられますが、「ながおし」の場合は”長押し”と送り仮名が付くので注意しましょう。
長押を「なげし」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「長押(なげし)」に用いられている”長”は単体で「なげ」と読むことはできず、”押”も単体では「し」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で長押の意味について解説していきます。
長押は「柱と柱を繋ぐための水平材のこと」の意味として用いられています。
長押は、鴨居(かもい)の上部や柱と柱の間を壁に沿って取り付けられます。
鴨居というのは、”襖(ふすま)や障子(しょうじ)などの建具(たてぐ)をはめ込む枠のうち、溝(みぞ)の彫(ほ)られた上部の横木のこと”を意味します。
一般的に鴨居には溝が彫られていますが、襖や障子などの建具を入れないために溝の彫られていない「無目鴨居(むめかもい)」と呼ばれる鴨居もあります。
ちなみにはめ込む枠の上部の横木を「鴨居(かもい)」と言いますが、その対になる枠の下部の横木は「敷居(しきい)」と呼ばれます。
(欄間(らんま)は、”天井(てんじょう)と鴨居や長押との間にある部分のこと”)
以上が「長押の読み方と意味、”なげし”と”ながおし”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど