さて日常的に使われることはあまりないですが、「九十九」という言葉があります。
この九十九に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
九十九がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは九十九の読み方と意味、「つくも」と「くじゅうく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.九十九の正しい読み方は「つくも」「くじゅうく」?
では九十九の正しい読み方は、「つくも」「くじゅうく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、九十九の正しい読み方は「つくも」「くじゅうく」の両方になります。
九十九の”九”は「きゅう」「く」と読むことができます。
一般的には九十九は「つくも」と読むことがほとんどです。
ただ九十九を「つくも」「くじゅうく」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また九十九を「つくも」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「九十九(つくも)」に用いられている”九”は単体で「つ」「も」と読むことはできず、”十”も単体では「く」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で九十九の意味について解説していきます。
2.九十九の意味について
では九十九の意味について見ていきましょう。
まず九十九(つくも)は「九十九髪(つくもがみ)の略のこと」の意味として用いられています。
九十九髪(つくもがみ)というのは、”老女の白髪のこと。また、その老女のこと”を意味します。
九十九を「つくも」と読むと上記のような意味になりますが、
「くじゅうく」と読むと「100より1つ少ない数/数の多いこと」の意味になります。
このように九十九は「つくも」「くじゅうく」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
また「九十九髪(つくもがみ)」と「付喪神(つくもがみ)」がありますが、これらは同じ意味の言葉ではありません。
”九十九髪”というのは「老女の白髪のこと。また、その老女のこと」を意味し、
”付喪神”は「長い年月を経た道具などに神や精霊が宿ったもの」を意味します。
百年に一年足りないことから「九十九(つくも)」とされ、
九十九年を”長い年月”と置き換えて、付喪神は”九十九神”とも表されます。
以上が「九十九の読み方と意味、”つくも”と”くじゅうく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 九十九の正しい読み方は「つくも」「くじゅうく」の両方。
- 九十九(つくも)は「九十九髪の略のこと」の意味。
- 九十九(くじゅうく)は「100より1つ少ない数のこと/数の多いこと」の意味。