結論から言ってしまうと、防人の正しい読み方は「さきもり」「ぼうじん」の両方になります。
防人の”防”は「ふせ(ぐ)」「ぼう」、”人”は「ひと」「にん」「じん」と読むことができます。
一般的には防人は「さきもり」と読むことがほとんどです。
ただ防人を「さきもり」「ぼうじん」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また防人を「さきもり」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「防人(さきもり)」に用いられている”防”は単体で「さき」と読むことはできず、”人”も単体では「もり」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で防人の意味と類義語について解説していきます。
防人(さきもり)は「昔に筑紫(つくし)・壱岐(いき)・対馬(つしま)など北九州の防備に当たった兵士のこと」の意味として用いられています。
防人を「さきもり」と読むと上記のような意味になりますが、「ぼうじん」と読むと「さきもりの別名/昔の中国唐の時代に、辺境の防備に当たった兵士」の意味となります。
このように防人は「さきもり」「ぼうじん」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また防人の類義語としては、「衛士(えいし)・征戌(せいじゅ)・兵(へい)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても防人と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「防人の読み方と意味、”さきもり”と”ぼうじん”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
<読み間違えやすい漢字の一覧>
<難読漢字の一覧(偏)>