結論から言ってしまうと、顳顬の正しい読み方は「こめかみ」「しょうじゅ」になります。
顳顬の”顳”は「しょう」「じょう」、”顬”は「じゅ」「にゅ」と読むことができます。
(「うなじ」というのは、”項”と表記されるため注意が必要です)
ただ一般的には顳顬は「こめかみ」と読むことがほとんどです。
「こめかみ」は顳顬の他にも”蟀谷”と書き表されますが、一般的には”顳顬”と表記されることが多いです。
顳顬を「こめかみ」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「顳顬(こめかみ)」に用いられている”顳”は単体で「こめ」と読むことはできず、”顬”も単体では「かみ」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で顳顬の意味について解説していきます。
顳顬は「耳の上部と目尻(めじり)との間にある、物を噛むと動く部分のこと」の意味として用いられています。
「しょうじゅ」というのは、「こめかみ」の別名になります。
「こめかみ」は”米噛み”に由来し、「米を噛むとき、動くところ」の意味からきている言葉です。
米以外のものを噛んでも動きますが、日本の主食が米であったことや、昔の日本では固い生米をよく噛んで食べる必要があったことなどが理由に挙げられます。
顳顬はボクシングなどの格闘技ではテンプルと呼ばれ、この部分は骨の厚さが薄く、打撃をもらうと脳震盪(のうしんとう)を起こしやすく、急所として狙われます。
以上が「顳顬の読み方と意味、”うなじ”と”こめかみ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど