結論から言ってしまうと、銀杏の正しい読み方は「いちょう」「ぎんなん」の両方になります。
銀杏の”杏”は「あん」「きょう」と読むことができます。
一般的には銀杏は「ぎんなん」と読むことが多いです。
ただ銀杏は「いちょう」「ぎんなん」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
銀杏の”杏”の読み方は「あん」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「なん」という読み方をすることはできません。
銀杏のように「ぎんあん」ではなく、「ぎんなん」と変化して読むのは、日本語の「連声(れんじょう)」と呼ばれているものです。
連声とは、”ア行(母音)・ヤ行・ワ行で始まる語が、「m」「n」「t」を末尾に持つ語に結びついたとき、発音しやすくするために、後ろの語(ア行・ヤ行・ワ行で始まる語)の語頭がマ行・ナ行・タ行の音に変化する現象のこと”を言います。
銀杏(ぎんなん)であれば、銀(ぎん)[gin](「n」を末尾に持つ語)+杏(あん)[an](ア行で始まる語)なので、杏(あん)[an](後ろの語)の語頭である”あ”がナ行の音である”な”に変化します。
・銀(ぎん)[gin] + 杏(あん)[an] → 銀杏(ぎんなん)[ginnan]
また銀杏を「いちょう」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「銀杏(いちょう)」に用いられている”銀”は単体で「い」と読むことはできず、”杏”も単体では「ちょう」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で銀杏の意味について解説していきます。
銀杏(いちょう)は「イチョウ科の落葉高木(らくようこうぼく)のこと」の意味として用いられています。
見たことがある人も多いと思いますが、「いちょう」の葉は扇形(おうぎがた)で秋になると黄葉します。
そして銀杏と書いて「ぎんなん」と読むと、「いちょうの実のこと」を指します。
いちょうの実は白い見た目を”銀”として、さらに杏子の実を小さくしたものに似ていることから、”銀杏”という名称が付けられました。
ちなみに”銀杏(ぎんなん)”は臭いことでも有名ですが、実は食べると美味しいです。
食べるのは「銀杏(ぎんなん)」の果肉(臭い部分)ではなく、果肉の中にある種子の部分になります。
ただし銀杏(ぎんなん)には中毒物質が含まれており、一度に食べ過ぎると嘔吐・消化不良・呼吸困難などの中毒症状を起こす可能性があります。
ですので美味しいからと言って、食べ過ぎるのには注意してください。
以上が「銀杏の読み方と意味、”いちょう”と”ぎんなん”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど