結論から言ってしまうと、嗚咽の正しい読み方は「おえつ」になります。
嗚咽の”嗚”は「な(く)」「な(き)」「めい」、”咽”は「むせ(る)」「いん」と読むことができますが、嗚咽を「なきいん」と読むのは間違いです。
嗚咽を「おえつ」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「嗚咽(おえつ)」に用いられている”咽”は単体で「えつ」と読むことはできますが、”嗚”は単体では「お」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で嗚咽の意味について解説していきます。
嗚咽は「息を詰まらせるように泣くこと。咽(むせ)び泣くこと」の意味として用いられています。
嗚咽というのは、ただ涙を流している様子ではなく、泣きながら声が漏れてしまっている様子のことです。
嗚咽の意味に「咽(むせ)び泣くこと」とありますが、”咽び”というのは、息を詰まらせるような様子のことを指しています。
なので嗚咽は「息を詰まらせるように泣くこと」の意味になるんですね。
ちなみに泣いているときに「おえっ」となることがありますが、あれは嗚咽ではなく「嘔吐(えず)く」と言います。
嗚咽を用いた例文としては、「子供の嗚咽が始まった」や、
「彼は嗚咽をこらえている」のような使い方で用いられています。
以上が「嗚咽の読み方と意味、”なきいん”と”おえつ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど