結論から言ってしまうと、夫子の正しい読み方は「せこ」「ふうし」の両方になります。
夫子の”夫”は「おっと」「ふ」「ふう」、”子”は「こ」「し」と読むことができます。
一般的には夫子は「ふうし」と読むことが多く、「せこ」は”背子”と書き表されることが多いです。
ただ夫子は「せこ」「ふうし」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
夫子を「せこ」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「夫子(せこ)」に用いられている”子”は単体で「こ」と読むことはできますが、”夫”は単体では「せ」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で夫子の意味と類義語について解説していきます。
夫子(せこ)は「女性から夫・兄弟、恋人などの親しい男性などを呼ぶ語のこと/男性同士が親しんで呼ぶ語のこと」の意味として用いられています。
夫子を「せこ」と読むと上記のような意味になりますが、「ふうし」と読むと「年長者・賢者・先生などに対する敬称/昔、中国で大夫(たいふ)以上の人/男子の敬称/孔子の敬称/あなた、あの方などと、その当人を指す語」の意味となります。
このように夫子は「せこ」「ふうし」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
また夫子の類義語としては、「貴下(きか)・貴殿(きでん)・殿方(とのがた)・御宅(おたく)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても夫子と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「夫子の読み方と意味、”せこ”と”ふうし”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
<読み間違えやすい漢字の一覧>
<難読漢字の一覧(偏)>