黒衣の読み方と意味、「こくい」と「こくえ」正しいのは？

このページでは黒衣の読み方と意味、「こくい」と「こくえ」どちらが正しいのかを解説しています。

１．黒衣の正しい読み方は「こくい」「こくえ」？

結論から言ってしまうと、黒衣の正しい読み方は「こくい」「こくえ」「くろご」「くろこ」「くろぎぬ」になります。

黒衣の”黒”は「くろ」「こく」、”衣”は「ころも」「きぬ」「い」「え」（連濁により「ぎぬ」）と読むことができます。

（連濁とは、２つの語が結びついて１つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと）

ただ黒衣は「こくい」「こくえ」「くろご」「くろこ」「くろぎぬ」のどれで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。

（次の章でそれぞれの意味について解説していきます）

黒衣を「くろご」「くろこ」と読むのは”熟字訓（じゅくじくん）”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字１字に読み方をあてるのではなく、熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方のことです。

熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓（じゅくじくん）です。

”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。

なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。

訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。

そして熟字訓は熟字（２字以上の漢字の組み合わせ）に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。

例えば「黒衣（くろご、くろこ）」に用いられている”黒”は単体で「くろ」と読むことはできますが、”衣”は単体では「ご」「こ」と読むことはできません。

ですので漢字１字の訓読み（草：くさ）のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。

熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。

次の章で黒衣の意味について解説していきます。

黒衣（くろご、くろこ）は「歌舞伎（かぶき）で、俳優の演技や舞台進行の世話をする人が着る黒い衣装。また、その人のこと/表に出ないで陰で物事を処理する人のこと」の意味として用いられています。

黒衣を「くろご」「くろこ」と読むと上記のような意味になりますが、
「こくい」「こくえ」「くろぎぬ」と読むとそれぞれ下記のような意味となります。

黒衣を「こくい」「こくえ」と読むと「黒色の衣服のこと」の意味で、「くろぎぬ」と読むと「黒色の衣服のこと/喪中（もちゅう）に着る衣服。喪服のこと」の意味となります。

このように黒衣を「くろご」「くろこ」「こくい」「こくえ」「くろぎぬ」のどれで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。

また黒衣（くろご、くろこ）の類義語としては、「裏方（うらかた）・奥役（おくやく）・雑役（ぞうやく）・座付き（ざつき）」などの言葉が挙げられます。

どの言葉についても黒衣と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。

以上が「黒衣の読み方と意味、”こくい”と”こくえ”正しいのは？」でした。

これまで説明したことをまとめますと、