結論から言ってしまうと、蒲魚の正しい読み方は「かまとと」になります。
蒲魚の”蒲”は「がま」「ふ」「ぶ」「ほ」と読むことはできますが、「うら」と読むことはできず、蒲魚を「うらぎょ」と読むのは間違いです。
蒲魚を「かまとと」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「蒲魚(かまとと)」に用いられている”蒲”は単体で「かま」と読むことはできず、”魚”も単体では「とと」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で蒲魚の意味について解説していきます。
蒲魚は「知っているくせに知らないふりをして、上品ぶったり、純情らしく振る舞ったりするさま。また、その人のこと」の意味として用いられています。
上方(京都およびその付近一帯)の遊里で使われるようになった言葉で、
蒲鉾(かまぼこ)を「これは魚(とと)か?」と世間の常識を知らないふりをして尋ねた様子からうまれた言葉です。
蒲魚は「蒲魚(かまとと)ぶる」と使うことが多く、主に女性に対して使われます。
蒲魚を用いた例文としては、「蒲魚ぶるのはやめろ」や、
「彼女は男性の前では蒲魚ぶっている」のような使い方で用いられています。
また蒲魚の類義語としては、「猫被り(ねこかぶり)・偽善者(ぎぜんしゃ)・ぶりっ子」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても蒲魚と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「蒲魚の読み方と意味、”かまとと”と”うらぎょ”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど