さて日常的に使われることはほとんどないですが、「山賤」という言葉があります。
この山賤に使用されている漢字(特に”賤”)は普段はあまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは山賤の読み方と意味、「やまがつ」と「さんせん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.山賤の正しい読み方は「やまがつ」「さんせん」?
では山賤の正しい読み方は、「やまがつ」「さんせん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、山賤の正しい読み方は「やまがつ」「やましず」になります。
山賤の”山”は「やま」「さん」、”賤”は「しず」「せん」と読むことができますが、「さんせん」と読むのは間違いです。
ただ一般的には山賤は「やまがつ」と読むことがほとんどです。
山賤を「やまがつ」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「山賤(やまがつ)」に用いられている”山”は単体で「やま」と読むことはできますが、”賤”は単体では「がつ」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で山賤の意味について解説していきます。
2.山賤の意味と類義語について
では山賤の意味と類義語について見ていきましょう。
まず山賤は「山仕事を生業(なりわい)とする人のこと。また、その人の住む家のこと」の意味として用いられています。
山賤というのは、きこりや猟師などのことを指します。
また山賤の類義語としては、「勢子(せこ)・猟人(かりうど)・狩人(かりうど)・またぎ」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても山賤と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「山賤の読み方と意味、”やまがつ”と”さんせん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 山賤の正しい読み方は「やまがつ」「やましず」の両方で、「さんせん」は間違い。
- 山賤は「山仕事を生業とする人のこと。また、その人の住む家のこと」の意味。
- 山賤の類義語には、「勢子・猟人・狩人・またぎ」などがある。