結論から言ってしまうと、山蒜の正しい読み方は「のびる」「やまびる」の両方になります。
山蒜の”山”は「やま」「さん」、”蒜”は「ひる」「さん」(連濁により「びる」)と読むことができます。
一般的には山蒜は「やまびる」と読むことが多く、「のびる」は”野蒜(のびる)”と書き表されることが多いです。
ただ山蒜は「のびる」「やまびる」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
山蒜を「のびる」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「山蒜(のびる)」に用いられている”蒜”は連濁により「びる」と読むことはできますが、”山”は単体で「の」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で山蒜の意味について解説していきます。
※上は山蒜(やまびる)の写真
山蒜(のびる)は「ヒガンバナ科ネギ属の多年草のこと」の意味として用いられています。
山野に自生し、夏頃に零余子(むかご)をつけた淡紫色の花を咲かせます。
(零余子というのは、葉の付け根などにできる多肉で球状の芽のこと)
葉は細長く、球状の鱗茎(りんけい)があり、見た目や臭いがニラに似ています。
山蒜を「のびる」と読むと上記のような意味になりますが、
「やまびる」と読むと「ヒガンバナ科ネギ属の多年草のこと」の意味となります。
(「のびる」と科・属などは同じですが、異なる植物です)
葉は楕円(だえん)形で、夏頃に淡黄白色の花を咲かせ、臭いがニラに似ています。
「やまびる」というのは、一般的には”行者大蒜(ぎょうじゃにんにく)”や北海道では”アイヌネギ”と呼ばれることも多いです。
このように山蒜は「のびる」「やまびる」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
以上が「山蒜の読み方と意味、”のびる”と”やまびる”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど