さて日常的に使われることはあまりないですが、「秋入梅」という言葉があります。
この秋入梅に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
秋入梅がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは秋入梅の読み方と意味、「あきついり」と「あきにゅうばい」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.秋入梅の正しい読み方は「あきついり」「あきにゅうばい」?
では秋入梅の正しい読み方は、「あきついり」「あきにゅうばい」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、秋入梅の正しい読み方は「あきついり」になります。
秋入梅の”入”は「はい(る)」「にゅう」、”梅”は「うめ」「ばい」と読むことができますが、秋入梅を「あきにゅうばい」と読むのは間違いです。
入梅を「ついり」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「入梅(ついり)」に用いられている”入”は単体で「つ」と読むことはできず、”梅”も単体では「いり」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で秋入梅の意味と類義語について解説していきます。
2.秋入梅の意味と類義語について
では秋入梅の意味と類義語について見ていきましょう。
まず秋入梅は「梅雨(つゆ)のように降り続く秋の雨のこと。また、その季節に入ること」の意味として用いられています。
秋入梅はその年によって差はありますが、だいたい9月の半(なか)ばから10月の初めにかけて、の1ヶ月間ほどになります。
つまり”9月の半ば〜10月の初めにかけての1ヶ月間ほど”が、秋の長雨に入る期間ということです。
また秋入梅の類義語としては、「梅雨(つゆ)・秋雨(あきさめ)・雨期(うき)・五月雨(さみだれ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても秋入梅と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「秋入梅の読み方と意味、”あきついり”と”あきにゅうばい”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 秋入梅の正しい読み方は「あきついり」で、「あきにゅうばい」は間違い。
- 秋入梅は「梅雨のように降り続く秋の雨のこと。また、その季節に入ること」の意味。
- 秋入梅の類義語には、「梅雨・秋雨・雨期・五月雨」などがある。