このページでは陸奥の読み方と意味、「みちのく」と「むつ」どちらが正しいのかを解説しています。

 

 

 

1.陸奥の正しい読み方は「みちのく」「むつ」?

 

結論から言ってしまうと、陸奥の正しい読み方は「みちのく」「むつ」の両方になります

 

陸奥の”陸”は「りく」、”奥”は「おく」「おう」と読むことができますが、陸奥を「りくおく」「りくおう」と読むのは間違いです。

 

 

 

陸奥を「みちのく」「むつ」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。

 

熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。

 

”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。

 

 

なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。

 

訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです

 

 

 

そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。

 

例えば「陸奥(みちのく、むつ)」に用いられている”陸”は単体で「みち」「む」と読むことはできず、”奥”も単体では「のく」「つ」と読むことはできません

 

 

ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。

 

熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。

 

 

次の章で陸奥の意味について解説していきます。

 

2.陸奥の意味について

 

陸奥(みちのく)は「磐城(いわき)・岩代(いわしろ)・陸前(りくぜん)・陸中(りくちゅう)・陸奥(むつ)の五か国の古称のこと」の意味として用いられています。

 

磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥(むつ)というのは旧国名のことで、
旧国名とは国の古い呼び名のことで、特に日本では昔の行政区画の呼び名を言います。

 

 

つまり簡単に言えば、いまは47都道府県でひとつの日本という国ですが、
昔は日本というひとつの国ではなく、磐城・陸前など様々な名称の国が存在していたということです。

 

 

その旧国名である磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥(むつ)の五か国を合わせた名称のことを”陸奥(みちのく)”と呼びます。

 

そして陸奥(みちのく)のあった地域が、いま現在の福島県・宮城県・岩手県・青森県のほぼ4県に相当する地域を指しています。

 

 

 

陸奥を「みちのく」と読むと上記のような意味になりますが、「むつ」と読むと「陸奥(みちのく)の別名のこと/旧国名のひとつで、現在の青森県と岩手県の一部にあたる地域のこと」の意味となります

 

 

明治維新直後の1868年に磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥(むつ)の五か国に分割され、廃藩置県後の1871年に現在の福島県・宮城県・岩手県・青森県の4県になりました。

 

このように陸奥は「みちのく」「むつ」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。

 

 

以上が「陸奥の読み方と意味、”みちのく”と”むつ”正しいのは?」でした。

 

 

3.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 陸奥の正しい読み方は「みちのく」「むつ」の両方。
  • 陸奥(みちのく)は「磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥(むつ)の五か国の古称のこと」の意味。
  • 陸奥(むつ)は「陸奥(みちのく)の別名のこと/旧国名のひとつで、現在の青森県と岩手県の一部にあたる地域のこと」の意味。

 

 

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